2025年12月15日号(国際、政治)

2025.12.17


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2025年12月15日号
┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
    H  A  L  通  信
┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ http://www.halsystem.co.jp
発行日:2025年12月15日(月)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2025年12月15日号の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★中国の軍事行動の背景
◇台湾有事(その2)
◇原発再稼働の是非
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
高市発言に対する中国の執拗な恫喝に対し、日本政府は冷静に対応し、民間も騒いではいません。
騒いでいるのは、一部の野党、そして中国びいきのマスコミや評論家だけです。
今号は、この話題からお送りします。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃★中国の軍事行動の背景                  ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
中国は、沖縄近海で空母艦隊による軍事演習を行い、スクランブル発進した日本の空自戦闘機にレーダー照射を行うところまで軍事行動をエスカレートさせてきました。
日本側の抗議に対して、中国は「公海で何をしようがこっちの勝手だ」と居丈高ですが、この海域は日本の「防空識別圏」です。
中国は「ここは中国の防空識別圏だ」と言い張っていますが、沖縄と大東島の間の海を「自国の・・」と言い張る姿は滑稽でもあります。
この海域で軍事演習を行うこと自体が日本に対する準戦闘行為といえます。
 
これらの挑発を、習近平主席自らが指示をしているとは、さすがに考えづらいですが、その可能性がゼロとは言えない情勢だと認識したほうが良いでしょう。
今の中国は、軍を含めた各部門が習近平主席への“ごますり”を競っている状況だからです。
それは、主席への忠誠というより、主席の怒りが自分に来ないようにという打算です。
また、腹に一物を持つ野心家が、この事態を利用して“のし上がろう”とする向きもあります。
中国は独裁国家というより、独裁者に媚びへつらう薄っぺらな打算集団国家となっているのです。
日本の対中戦略は、このことを下敷きに練る必要があります。
 
そもそも、この問題の発端は、立憲民主党の岡田克也氏の執拗な質問に答えた高市首相の「台湾有事発言」ですが、その裏には中国の王毅外相の失敗がありました。
高市首相と習近平主席は10月31日に韓国で初の首脳会談を行いました。
この会談のお膳立てをしたのは王毅外相で、渋る習近平主席を説得してこの会談をセットしたと言われています。
だが、その会談で王毅外相が想像もしていなかったことが起きました。
この席で、高市首相は台湾だけでなく、新疆ウイグル自治区や内モンゴルのことまで持ち出し、懸念を示したのです。
しかも、なぜか高市首相は内モンゴルのことを「南モンゴル」と発言しました。
間違えたのか意図的なのか、首相の真意は不明ですが、取りようによっては「中国に喧嘩を売った」ともいえる発言です。
 
読者の皆様ご存じのように、戦後のモンゴルは南北に分かれ、北側は独立国であるモンゴル国、南側は「内モンゴル自治区」として中華人民共和国に編入されました。
独立モンゴル国は、自国を「北モンゴル」と呼び、今は中国の自治区となっている「内モンゴル」を「南モンゴル」と呼んでいます。
つまり、モンゴル国は「南北モンゴル国は一つ」と主張しているのです。
 
勉強家の高市首相が、こうしたことを知らないとは思えません。
つまり、首相の「南モンゴル」発言は間違いではなく、内モンゴルは「本来、モンゴル国の領土である」と示唆した発言だと受け取れるわけです。
それに対し習近平主席は何の反応もしなかったようですが、主席は日本語がまったく分かりません。
おそらく中国の通訳は「南・・」ではなく「内・・」と訳したはずです。
しかし、日本語に堪能な王毅外相は相当に焦ったことでしょう。
また、会談当時は分からなかった習近平主席も、後から高市発言の皮肉ともいえる「南モンゴル」の言葉の意味は理解したと思いますので、王毅は自分の首筋が寒くなったことでしょう。
 
この会談後に国会での高市首相の台湾有事に関する発言があり、大阪駐在の中国の薛剣・総領事が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」とSNSに投稿したわけです。
この過激な投稿は、彼の上司である王毅外相を守るためと考えると辻褄が合います。
王毅外相の首はまだ繋がっていますので、この忠誠心は多少の効果があったのではないでしょうか。
もっとも、すぐにSNSは削除され、後は知らん顔ですが・・
 
一方、ソウルの米中首脳会談において、双方が互いの国を訪問し合うという話まで進展したことで、中国はトランプ大統領を取り込めたと思い、大統領に高市首相を叱ってもらおうとしました。
その後にトランプ大統領と高市首相の電話会談がありましたが、「まあ、うまくやれや」ぐらいの内容で、中国が期待したような話ではなかったようです。
それどころか、トランプ大統領は「台湾保障実施法案」にサインしました。
同法案に対する中国の衝撃はとてつもなく大きく、水面下で日本への接近を画策してきています。
そのことはまた・・
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇台湾有事(その2)                   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
中国国営メディアは、400年前の明王朝時代の勅書の話まで持ち出し、琉球が中国の属国だったと主張しました。
呆れる話ですが、これは「我々の領土である台湾に日本が口を出すなら、我々は日本の領土である沖縄に口を出すぞ」という恫喝です。
 
しかし、単なる脅しだと軽く見ることは危険です。
習近平主席は、台湾はもちろん、尖閣や沖縄も自国領だと本気で考えている節があります。
主席は、若い頃、何度も沖縄を訪問していて、「沖縄は日本の領土ではない」は、その頃から抱いている信念のようです。
かつ「日本は中国の格下の国」との中華思想に凝り固まっています。
この中華思想は、主席個人だけでなく、多くの中国人の根底に潜む思想と考えるべきです。
もちろん、留学などで国際感覚を身に着けた中国人は、「人は平等」を理解しています。
しかし、そのような中国人は少数で、国民の多くは「中国が世界の中心」という中華思想に染まっているという認識を持ったほうがよいでしょう。
国民意識をこうした狭い「選民思想」に染め上げている習近平政権が続く限り、この独善的考えが煮詰まっていき、台湾に対する軍事攻撃に踏み切る可能性が高まると考えたほうが良いでしょう。
つまり、日本は「台湾と尖閣・沖縄(南西諸島も・・)はセット」と考える必要があるのです。
 
前回「政治体制がまったく違う以上、海峡を挟んで2つの国があると認識するのが当然」と書いたのも、中国による台湾併合は認めるべきではないとの趣旨からです。
『中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の戦争は、まだ決着が付いていない状態です。
朝鮮半島のような「休戦」でもありません。
あえて言えば、「交戦がいったん止まっている」状態に過ぎないわけです。
1949年10月、中国共産党軍は大陸と台湾島との間にある金門島に攻撃を掛けましたが敗北に終わっています。
金門島は、台湾島から大きく離れて、大陸のすぐそばにある島ですが、人民解放軍は完敗しました。
76年前の戦闘結果で現代を語ることはできませんが、この結果は人民解放軍のトラウマとなっています。
その後、中華人民共和国(中国)は外交戦略に転じ、外交的には台湾(中華民国)を国連から追い出すことに成功したので、中国が「勝った」と喧伝しています。
しかし、民主主義国家である中華民国(台湾)の存在は世界が認めるところです。
ゆえに、習近平主席としては、自分の代で決着を付け(つまり台湾併合を達成し)、「毛沢東も出来なかった偉業を成し遂げた英雄」となりたいわけです。
この考え、「ウクライナはロシアの一部」として侵略を始めたプーチン大統領と似たような考えです。
私は、両国の言い分のどちらも認めることは出来ないので、「台湾海峡を挟んで2つの国がある」と書いたわけです。
 
現実に台湾の後ろに日本と米国がいる限り、中国による軍事侵攻の成功率はほぼゼロです。
焦った中国は「国連憲章には『敵国条項』があり、日本やドイツに対して「常任理事国は安保理決議がなくとも単独で軍事攻撃できる」と主張しました。
しかし、本条項は1995年に無効化されていますので、中国外交部の焦りが見える一幕といえます。
 
1回飛ばしとなりましたが、次回、改めて台湾の歴史を掘り下げて解説したいと思います。
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇原発再稼働の是非                    ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
福島第一原発事故以来稼働停止していた「新潟の柏崎刈羽原発6号機」および「北海道の泊原発3号機」の再稼働に対し、新潟の花角知事および北海道の鈴木知事が容認する姿勢を示しました。
読者の皆様はご存じのように私は原発推進の立場ですが、今回のような「これだけ時間が経ったんだし、電気料金も下げる必要があるし・・」という意識での判断には、少々疑問があります。
なぜなら、あの事故を起こした根本要因の掘り下げ(本当は分かっているが、掘り下げたくない)、事故直後の対応の間違いや未熟さ、当時の原子力安全・保安院の“でたらめ”、菅直人首相の“独りよがり”などの総括が全くできていないからです。
 
私は、弊社のHPやメルマガなどに、福島第一原発で働いていたときの経験を書いていますが、あの当時危惧したことで改善されたのは、防潮堤のかさ上げなど数点にとどまり、本当に改善すべきことの多くは、ほとんど“うやむや”になっています。
 
原発に対する深い技術も見識もなく責任逃れに終始した原子力安全・保安院は解体され、原子力規制庁が設けられ、原子力規制委員会が上位の権限を持つ組織構成になっています。
そのことは一歩前進と言えますが、その後の活動には疑問を感じています。
もちろん、すでに原発の仕事を離れた私が入手できる情報は少ないので、本当は“きちんとした”対応がなされているのかもしれません。
しかし、そのような情報が入ってこない現状は、昔とあまり変わっていないように感じます。
 
私は、かつて、原発建設の住民説明会などで矢面に立ち罵声を浴び続けた技術者の一人として、多くの原発の稼働が止まったままの現状には「無念」の思いが強く、再稼働自体には賛成です。
しかし、「あれから13年が経ったから」とか「他の原発も再稼働したから」などの「意味のない」理由の声が聞こえてくる現状には、やはり危惧を感じます。
 
なにより、再稼働の最終責任者が原子力の素人である県知事ということが引っ掛かります。
その知事の下にどれだけの優れた専門家が集まっているのか、まったく見えないからです。
 
AIの普及などで爆発的に増えることが確実な電力供給を考えると、不安定で環境問題や中国依存の傾向のある「再生可能エネルギー」に頼るわけにはいかず、安定電源としての原発は欠かせない存在です。
それゆえ「事態は待ったなし」の危機意識が、現政権に感じられないことが危惧されます。
原子力関係の行政トップは、文部科学大臣の松本洋平氏ですが、経済学部卒で銀行出身です。
以下、副大臣や政務官も全員が文系出身者です。
それが悪いというわけではありませんが、原子力行政のトップには、原発技術の真の専門家と安全管理の専門家をダブルで民間から登用することを高市首相には要望します。
今のままの“うやむや”体制で、万が一事故が起きたら、本当に日本は終わってしまいますから。
 
----------------------------------------------------------------------
<編集後記>
12月8日は知らぬ間に過ぎてしまい、さすがに真珠湾も歴史の1ページに埋もれようとしています。
軍人だった父や伯父たちは、みな他界し、彼らから戦場の話を聞いて育った私は、子供たちに、その話を話すことはありません。
手元に残された父の軍帽と水筒(なんと鉄製です)から僅かに戦場の匂いを感じ取りますが、それも私が他界するときには消えるでしょう。
本メルマガで何度も語ってきました「文化800年転換説」の転換期100年の前半(1976~2025)が、間もなく終わり、大きなカーブの向こう側(2026~)へと世界は向きを変えます。
どんな世界が待っているか、不安と期待の中で本メルマガを続けていきます。
 
----------------------------------------------------------------------
◎[PC]配信中止、変更の手続きはこちら
http://www.halsystem.co.jp/mailmagazine/
このメールは送信専用です。お問い合わせはこちらからお願いします。
http://www.halsystem.co.jp/contact/
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
【編集・発行】
  株式会社ハルシステム設計
http://www.halsystem.co.jp
 
  〒111-0042 東京都台東区寿4-16-2 イワサワビル
  TEL.03-3843-8705 FAX.03-3843-8740
 
【HAL通信アーカイブス】
http://magazine.halsystem.co.jp
 
【お問合せ・資料請求】
email:halinfo@halsystem.co.jp
tel:03-3843-8705
 
Copyright(c)HAL SYSTEM All Rights Reserved.
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵