2025年12月31日号(経済、経営)
2026.01.06
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2025年12月31日号
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発行日:2025年12月31日(水)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2025年12月31日号の目次
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◇国債は、どこまで発行可能なのか
◇企業の投資(6):投資は怖い!
◇新車陸送の世界(9)
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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今号は、経済、経営の話題をお送りします。
今年最後のメルマガ配信となります。
1976年から2075年まで続く100年間の大転換の頂点にあたる2025年が終わります。
来年2026年からはカーブの頂点を過ぎた向こうの景色がだんだんと見えてきます。
2026年も、少しでもみなさまのお役に立つ情報をお届けしていきます。
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┃◇国債は、どこまで発行可能なのか ┃
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日本だけでなく世界各国は企業や個人を助けるための補助金を出しています。
米国はスタートアップ企業を支援する補助金が多いのですが、日本は倒産を防ぐためや一律ばらまき型の補助金が多いのが特徴です。
こうした目的がどうあれ、補助金の大盤振る舞いは、当然、公的債務の膨れ上がりを招きます。
日本の公的債務(国債+地方債)残高は、“実質GDP”の213.5%と先進国では断トツのトップです。
それゆえ、「財政健全化」を主張する政治家、評論家と、「積極財政」を主張する政治家、評論家は、殴り合いになりそうなくらいの激しい意見の応酬になっています。
国の台所を預かる財務省は、もちろん「プライマリーバランス(つまり、歳出は歳入の範囲内に抑える)」を強く主張しています。
こうした声に押されて、岸田、石破政権は増税を主張してきました。
野党の立憲民主党・野田代表は、かつて政権を担っていた当時、消費税の増税に踏み切ったご本人ですから、同じ主張を展開しています。
そこに誕生した高市政権は、「責任ある積極財政」を主張しています。
その最初の試金石が、2025年度補正予算の編成でした。
一般会計で18兆3034億円と、24年度比で31%の増加となりました。
25年度末の税収は80兆円台に乗る見込みですが、当然不足です。
その穴埋めの国債発行額は、24年度補正の6.7兆円から11.7兆円と大幅に増加しました。
今後の舞台は2026年度の本予算に移ります。
岸田、石破政権における予算編成は、「プライマリーバランスの黒字化目標」による「歳出の目安」によって規模は硬直状態となっていました。
それに対し、高市首相は「インフレ対応や社会保障改革」を掲げ、「プライマリーバランスの黒字化目標」には言及していません。
この首相の姿勢が、本予算にどう反映されるかが大きな焦点です。
その規模によっては国債発行の大幅な増加が必要になり、野党や財政規律を主張するマスコミ・評論家の批判を浴びることが必至です。
しかし、大事なことは発行額ではなく、GDP増加率との比較です。
そこで、経済崩壊の懸念が大きくなっている中国との対比でみてみることにします。
日本と中国の比較(中国は元・円レート21円で換算)
・公的債務 :日本 1200兆円、中国 2814兆円
・名目GDP:日本 620兆円、中国 2880兆円
・GDP比 :日本 193.5% 、中国 97.7%
「なんだ、中国のほうが健全じゃないか」と思われますか。
1995年の中国のGDPは、わずか27兆円でしたから、30年で100倍超となったわけです。
「え~、ウソくさい」と思われたのではないでしょうか。
正直な話、真相は分かりませんが、中国の統計データがあてにならないことは、今や世界の常識です。
欧米調査機関が発表しているデータでは、中国の公的債務は円換算で5040~6300兆円となっています。
中国発表のGDP値が正しいとしても、GDP比は1.75~2.18倍となり、ほぼ日本と同レベルです。
しかし、中国発表のGDP値は、地方政府から上がってくる報告をそのまま加算していますので、信憑性はかなり低いと言われています。
そこで、外貨準備高を調べてみることにしました。
外貨準備高は米国債の割合が高いので、水増ししにくいからです。
その額は、2025年9月末で3兆3387億ドル(円ドル155円で、517兆円)です。
2001年では2200億ドルでしたから、24年で15倍です。
GDPは100倍に増加しても、国の貯金ともいえる外貨準備高は15倍しか増えていません。
GDP値は、かなり水増しされている可能性が大と言わざるを得ません。
仮に、GDPの増加割合が外貨準備高の増加程度だと考えると、GDPは1351兆円となります。
2倍強、水増しされている計算になります。
このように、数字を水増しすると、どこかに“おかしい”ところが出てしまうものです。
話を日本の国債発行額に戻します。
現在の経済状態が続くようであれば、日本国債の銀行の買い入れ余力は110~500兆円となり、限界に近いといえます。
しかし、GDPが伸びていけば、その分、買入れ余力は増えていきます。
つまり、「国債は国の借金だから返さなければならない」という考えから、「国債発行を続けるには、GDPを上げなければならない」に考えを切り替えなければならないのです。
ちなみに世界全体の負債総額は、国家債務100兆ドル(1京4900兆円)、民間債務226兆ドル(3京3674兆円)、合わせて4京8574億円と、感覚がまったく追い付けないレベルになっています。
それでも世界経済は回っています。
経済とは「数字のマジック」なのでしょうか。
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┃◇企業の投資(6):投資は怖い! ┃
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前回、企業が内部留保を膨らませている現状の背景の話をしました。
新たに政権を担うことになった高市首相は、企業の内部留保の増大を批判するのではなく、この内部留保を投資に使うことを要請しました。
企業の批判ではなく投資を促す姿勢は良いと思いますが、「いまいち、インパクトがないな」とも思いました。
それは、企業に対し「これからは、カネを貯めるより使うほうが得だ」と思わせる政府の姿勢転換があまり見えないからです。
その最大の障害は、財務省が執拗に誘導し、これまでの岸田・石破政権が引きずられてきた「プライマリーバランス」です。
これは「税収と歳出はバランスさせるべき」という考えで、「そりゃそうだ」と思いがちになります。
ですが、それは国家の財政を「家計の財布」と同じだとする考え方で、正しいとは言えません。
良く知られた話ですが、一般家庭と違い、政府には通貨発行権(つまり、お札を刷れる権限)があり、不足分をいくらでも穴埋めすることが可能です。
勿論、政府がお札を刷るのではなく、政府は国債発行という形で市場から資金を調達します。
しかし、近年の日本は全額を市場から調達することが難しく、半分くらい日銀が引き受けることを続けてきました。
日銀は政府の子会社のような存在ですから、実質、政府が国債を買い戻しているようにも見えます。
ゆえに、1000兆円と言われる国債発行残高は、実質500兆円だろうという見方もできるわけです。
もちろん現在の状況を続ければ、いずれはハイパーインフレとなり経済破綻する危険があります。
しかし、その限界がいくらなのかという試算は「将来の経済発展をどのくらいに見積もるか」が下敷きになるので難しい問題です。
その問題の難しさから、財務省は「税収の範囲内の支出を」という「プライマリーバランス」に固執するわけです。
稼ぎの悪い亭主をどなって小遣いを減らす主婦のようなものです。
ですが、こうした主婦が悪いわけではなく、稼げない亭主が悪いのは当然です。
つまり、悪いのは財務省ではなく、稼ぎを増やせない政府(岸田政権、石破政権)だったわけです。
この亭主が高市政権に代わったわけです(女性首相なので、「亭主」ではなく「女将」かな?)。
高市首相は、財政を絞るのではなく、経済のもう一方の主役である企業に対し、積極的な投資(つまり、おカネを使え)を奨励したわけです。
だが、ここで従来型の補助金をばらまくことは間違っています。
(まだ、こうした政策は続いていますが・・)
先導役としての政府が、国債発行による公共事業投資を増やし、その効果がまんべんなく企業に行きわたるような政策で、二次、三次的な経済発展効果を促すことが肝心です。
企業は、効果が未知である投資は「怖い」のです。
ゆえに、投資を促すにはインフレ経済になることが必須です。
ところが、30年もデフレ経済が続いたことで企業の投資は委縮し、多くの企業経営者は投資効果が上げられずに退くはめになりました。
その様子を見ていた後継者も、どうしても投資に腰が引け、ずるずると半デフレのような経済が続いたのです。
こうした経営者の恐怖心を、逆に「この流れに乗り遅れることが怖い」と、インフレ経済に変えることが新政権に求められているのです。
大半の企業は、高市首相の中国の脅しに屈することのない姿勢を支持しています。
同様に、財政緊縮派による攻撃に屈することなく、大胆な経済政策を行うことを期待しています。
そうした新政権の姿勢が明確になることで、企業の投資意欲は上がります。
もちろん、企業側は、こうした効果が出ることをただ待つのではなく、積極的な投資に打って出るべきであり、金融機関は、その後押しをするべきです。
2~3年間、政府がこの姿勢を変えなければ、日本経済は再び上昇に転じることを信じます。
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┃◇新車陸送の世界(9) ┃
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昼間は大学に通い、夜は新車陸送という、昼夜逆転の夜間学生のような学生時代でした。
夜の新車陸送は常軌を逸した猛スピードで走っていましたが、チームで稼ぎを上げるための必然の行為でした(前に述べたように、法規違反は問われない暗黙の了解が背景にありましたが・・)。
それと、もう一つの理由があります。
疲れた体で普通に走っていると、夜中の眠気に負けてしまうのです。
故に、150km/hもの猛スピードで眠気を吹き飛ばすのです。
当然、事故を起こす確率は格段に上がり、死者すら発生します。
しかし、チームの誰も、そんなことは一切口にしませんし、会社は黙認です。
それどころか、警察すら暗黙の了解を与えているわけです。
でも「俺も、いつかは・・」という恐れは、全員が持っていたと思います。
もちろん、私もです。
1年ぐらい経験した頃、社長に呼ばれました。
『なんだろう、怒られるのかな?』と思いましたが、社長はこう言いました。
「この1年、事故も起こさず、よう頑張ってくれた。しばらく特別の輸送をしてもらうよ」
『はて?』と思いましたが、質問はせず、ただ「はい」とだけ返事しました。
私を入れて5人のドライバーは主任の運転するワゴン車に乗り込みました。
ワゴン車が到着したのは江ノ島に近い藤沢工場でした。
正門をくぐったワゴン車は、工場のラインから出されたばかりの新車が並ぶ駐車場の一角に止まり、我々は車を降りました。
私は、そこの光景に目を見張りました。
そこにずらりと並んでいた新車は、スポーツカーのフェアレディZでした。
しかも、国内仕様の“240Z”ではなく、北米向けにパワーアップした432Zでした。
もちろん、ハンドルは左で、日本国内では1台も走っていない車です。
我々を連れてきた主任は、こう言いました。
「君らは、新人時代から一度も事故を起こしていない優秀なドライバーだ。だから、これらの高級車の輸送を託された。ここから追浜まで距離はあるが、スピードはある程度抑えて運んで欲しい。
1台あたりの君らの輸送単価は通常の4倍だ。慎重に頼むよ」
私は、単価の4倍よりも、フェアレディ432Zを運転できることに「これは夢か」と思いました。
432Zは、国内仕様の240Zよりエンジン排気量は大きく、その分、車のノーズ(鼻先部分)が一段と長くなり、内装の仕様も豪華です。
乗り込んでエンジンを掛けると、今まで運んだ車とは次元の違うエンジン音と振動に全身が痺れるようでした。
主任は我々5人に「国道に出れば、この車は嫌でも目立つ、中には“ちょっかい”を掛けてくる車もあるだろう。だから、なるべくお前たちは離れ離れにならずに慎重に運転しろ」と言った後、付け加えるようにつぶやいた。
「とは言え、離れてしまった場合は仕方ない。それぞれ単独で本牧へ迎え。スピードを出せるところは出しても良いが、絶対に事故だけは起こすな。信じているぞ」
我々5台は、繋がって工場の外に出、やがて国道1号線を横浜に向かって走り出しました。
さすがに、派手な外観のスポーツカー、それも輸出仕様(左ハンドル)の432Zが5台繋がって走っているのです。注目を浴びないわけはありません。
まだ夜の8時頃、国道を走っている車だけでなく、歩道を歩いている人たちが何人も、こちらを指さして何かを話しています。
交差点の信号が赤になり我々は止まりました。
もちろん、信号無視などしません。
左ハンドル車ですから、左隣の一般車の助手席のすぐ横に並びます。
少々、お調子者の仲間の一人は、隣接した車の助手席に乗っていた若い女性に「こんばんは」と声を掛けました。
声を掛けられた女性はびっくりして、まじまじと彼と車を見ていました。
私の車の左横もカップルの車でしたが、私は声を掛けるなんて出来ません。
でも、その車の運転席の男性が隣の女性に話している声が聞こえました。
「その横の車、輸出用のフェアレディZで日本では走っていない車だよ。まじかで見られてラッキー」
女性が『へ~、スゴイ車なんだ』という表情で、こちら(と言っても、私ではなく車)をまじまじと見つめました。
当時20歳だった私は、妙に誇らしいような、逆にみじめなような複雑な気持ちでした。
国道1号線での運転は順調でしたが、やがて5台はバラバラになり、横浜市内に入る頃は単独で走っていました。
国道での運転は楽でしたが、横浜市内で、大きくカーブを切るようなところでは緊張を強いられました。
なにしろ、この車、ノーズ(前の部分)が異様に長く、運転席は車の真ん中付近になります。
ゆえに、90度カーブを曲がる場合、運転席からは、曲がる方向の様子が完全には見えないのです。
信号のない交差点では、交差点に入った段階では、曲がる方向の様子はまったく見えません。
ヘッドライトをアッパーにして、エンジンを“空ぶかし”して存在を知らせてから、恐る恐る交差点に入ります。
狭い道の曲がり角では、曲がる方向の壁に鼻先をこすりそうで、極度に緊張しました。
ようやく目的地の本牧ふ頭で5人が合流した時、お互いに「432Zを操縦できたのは良いけど、疲れたよな」と言い合い、「カネを4倍もらえるのはうれしいが、長くはゴメンだな」と異口同音に言うのでした。
次回は、また別の初体験の話をしましょう。
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<編集後記>
2075年の景色をみることは、残念ながら無理ですが、できる限りその予測をお届けする所存です。
引き続き、本メルマガをよろしくお願いします。
※追記
建設会社向けに新しいサイトを始めました。
「儲かる建設会社になろう」で検索してみてください。
まだプロローグを掲載している段階ですが、順次内容を充実させていきますので、ご期待ください。
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