2017年5月15日号(国際、政治)

2017.06.01

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2017年5月15日号
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発行日:2017年5月15日(月)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2017年5月15日号の目次
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★韓国の新大統領の前途に待つものは
★韓国の若者の現状認識
☆安倍首相と憲法改正
 
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
北朝鮮と米国間の戦争は予想通り回避された格好ですが、今後はどうなるのでしょうか。
今回は、トランプ米大統領がほめちぎるように、中国の習近平政権が北朝鮮に圧力を掛けた結果でしょうか。
それとも、米空母艦隊による脅しの効果でしょうか。
いずれにしても、「やれやれ」な状態は、まだ続くようです。
 
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┃★韓国の新大統領の前途に待つものは               ┃
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韓国では、予想通り、親北派の文在寅(ムンジェイン)氏が新大統領に当選しました。
しかし、北朝鮮はミサイル発射という姿勢で、これを迎えました。
メンツ丸つぶれとなった新大統領ですが、次の手はあるのでしょうか。
 
韓国情勢について、日本のマスコミは連日、同じような顔ぶれの評論家や学識者を招き、代わり映えのしない憶測を垂れ流しています。
”うんざり“と消化不良を感じ、半島情勢に詳しい人の話を聞きました。
その中で、一つの事実に注目しました。
それは、新大統領が就任後、真っ先に電話をかけた相手です。
その相手とは、韓国軍合同参謀本部の李淳鎮(イスンジン)議長です。
残念ながら話の内容まではわかりませんが、新大統領が一番心に掛けているのが国軍との関係であることが証明されたわけです。
国軍は、国民と違い、北朝鮮の軍事攻撃を現実の問題として捉えています。
親北派の大統領が北に取り込まれると判断すれば軍事クーデターを起こす可能性が高いのです。
文大統領はそのことを最も危惧し、まず国軍との関係を持とうとしたものと思われます。
 
次に、日韓関係を専門とする大学教授を呼んで話を聞いたということです。
教授は2015年末の日韓合意の重さを強調し、北朝鮮との軍事衝突が起きるかもしれない情勢の中、
「日本との関係を悪化させるのは得策ではない」と説明したそうです。
 
文大統領の本心は、日本と再交渉し、せめて「改めて安倍首相が元慰安婦に謝罪の意を表明する」というような追加譲歩を得ることにあるようです。
安倍首相との電話会談で「国民が”情緒的”に納得していない・・」という回りくどい言い方をしたのも、合意自体を反故にするつもりはないので「せめて追加の謝罪をくれないか」というところなのでしょう。
しかし、釜山の慰安婦像を容認した時点で日本国民は韓国に絶望してしまいました。
韓国に好意的な野党にしても、この国民の意識を無視はできません。
まして安倍首相が韓国の土俵に乗ることはありえない話です。
 
また、外交的に考えても日本が再交渉に応じるメリットはありません。
いたずらに喧嘩をする必要はありませんが、関係改善を急ぐ必要もありません。
そもそも慰安婦問題は、最初から韓国自身が解決すべき問題だったのです。
それを日本のせいにしたことが過ちでした。
もっとも、その動機を作ってしまったのは朝日新聞ですが・・
 
引き継ぎもなく発足した韓国の新政権に再交渉を持ちかける余裕はないでしょう。
そのくらい、今の韓国は政治も経済も混迷状態にあります。
若者の失業率の高さが新大統領を産んだと言ってもよい状況の中では、若者の雇用改善は待ったなしです。
文大統領は選挙戦で「公共部門で81万人の雇用創出」を打ち出していましたが、本当に断行するのでしょうか。
公務員を増やして失業者を救う・・、こんな政策が通用すると思っているのでしょうか。
抜本策が無いことを露呈しています。
 
また選挙期間中、文大統領は「財閥改革」も唱えていました。
これもまた、多くの人の怒りが財閥や一部の特権階級に向かっていたので、選挙運動には効果的だったかもしれませんが、出来ないことは明白です。
韓国のGDPの7割を10大財閥が生み出している現状を無視できないからです。
大半の中小・零細企業は財閥の傘下に組み入れられていて、自力で生きていける力はありません。
日本のように、独自技術を持ち、真に独立している中小企業はほとんど無いのです。
財閥改革の方向性は正しいのですが、急激に断行すれば韓国経済自体が奈落の底に落ちる危険性が高くなります。
 
こうした改革の失敗は、国民の怒りが新政権に向かうことを意味します。
新大統領は、5年の任期をまっとうすることも難しいかもしれません。
 
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┃★韓国の若者の現状認識                     ┃
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トランプ米大統領が「かつて韓国は中国の一部であった」と発言しました。
この発言、実は中国の習近平主席がトランプ大統領に教えたのだとか・・
 
この話題、日本ではスルー状態でしたが、韓国では大騒ぎだったようです。
知り合いの韓国の若者は、興奮してトランプ大統領の発言を非難していました。
「日本に占領された36年間を除けば、韓国は他国の支配を受けたことはない」というのです。
 
私が「たぶんトランプは、高句麗が一時中国の版図に組み入れられたことや元が韓半島を支配下に置いたことを指してそう言ったのだろう」というと、
驚いたことに彼は「そんな事実はない。日本に一時不当に占領されたことがあっただけだ」と言い張るのです。
彼は、決して偏狭な国粋主義者ではなく日本が好きな若者なので、余計に驚きました。
さらに「学校でもそんなことは教わっていない。あなたもウソを言うのか」と興奮して突っかかってくるのです。
さすがにムッとして、「君は日本に占領されたと言ったが、あれは条約による併合であって占領ではない」と言うと、
彼は「それもウソだ。日本は不当にも軍事侵略で韓国を占領したのだ。そして韓国の教育制度を破壊し、それが原因で文盲が増えた。そのせいで戦後の復興が遅れたのだ」とびっくりするようなことを言うのです。
私が「君の通っていたソウル大学は日本が作った大学だよ。初等教育機関(小学校)を地方の隅々にまで作ったのも日本だよ」と言っても、もはや聞く耳を持たずの状態でした。
(注釈:ソウル大学は、1924年に日本が創設。敗戦で米軍により閉鎖されたが、すぐにアメリカ人の校長を頂く大学として再開された)
 
彼に腹を立てるというより、韓国の教育がここまで歴史を捏造していることに唖然としました。
彼はそうした教育の犠牲者なのです。
韓国人の「度を超した自己主張+激高しやすい民族性+事大主義」という情緒面のマイナスを制御できるようにすることも教育の目的であったはずなのに、その真逆の教育を施した結果、未来ある若者に「日本に併合されたせいで発展が遅れた」との被害者意識を増大させてしまったのです。
 
韓国人にとって自国の歴史は、中国に隷属するしかなかった辛い歴史です。
その傷ついた自尊心を修復するために、戦後、韓国は歴史を改ざんしてきました。
しかし、それがウソだということを一番知っているのは韓国政府自身です。
それをごまかすために「日本が歴史を改ざんした」との批判を繰り返すのです。
ただ全く根拠がないとマズイので「挺身隊⇒慰安婦⇒強制連行⇒少女」というストーリーをでっち上げたのです。
挺身隊と慰安婦は実在の存在ですが、両者には何の関係もなく、強制連行と少女は完全なでっち上げです。
それでも、偏った論述を繰り返し引用し、教科書にまで載せることで「常識」として定着させてしまったのです。
誤った固定観念に囚われている韓国の若者はそうした犠牲者なのです。
その反省もない韓国が正常になる道は遠いようです。
 
しかし、そのような思いで日本の教育を振り返ってみると・・
韓国ほどではありませんが、似たような状態が存在すると思いました。
ただし韓国とは真逆で、戦前の歴史を「すべて日本が悪い」と教えていることが問題なのです。
そもそも歴史には良い悪いはなく、単純な正義も単純な悪もないのです。
戦前のすべてを「悪」として切り捨てることも、また歴史の捏造です。
だから、その反動で、森友学園に見られるような「戦前をすべて肯定する教育」が現れてくるのです。
両方とも間違えているとは思いませんか。
 
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┃☆安倍首相と憲法改正                      ┃
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安倍首相が「2020年に憲法改正を」と発言したことで、与党内からも批判が出る事態になっている。
しかし、「与党内での議論が深まっていない」とか「時期尚早」とする批判理由には、どこか違和感がある。
まして、野党の「安倍首相のもとでの改正には反対」というような意味不明な批判は論外というしかない。
 
憲法改正を口にするだけで批判されるという風潮は民主国家としては異様である。
改正反対も改正内容に対する批判も当然許されるべきであるが、同様に改憲を主張することも許されるべきである。
野党といえども、そこは理解する必要がある。
 
ところで、共産党の志位委員長が党内での勉強会で、「資本家による資産保有を禁止し、国民の保有とする」という旨の見解を述べた。
つまり、資本主義を否定する発言である。
共産党が共産主義を標榜する以上、委員長の発言自体は驚くべきことではない。
しかし、その理想を実現するためには現行憲法を変えなければならない。
ゆえに、共産党は憲法改正自体に反対はできないはずである。
たしかに共産党のポスターをよく見ると「9条を守れ」を強調し、「改正反対」ではなく「改悪反対」と書かれている。
かなり巧妙な主張になっているのである。
実際、政権を取った暁にはすぐに憲法改正を行うつもりであることは、知り合いの共産党員から直に聞いたことがある。
つまり、共産党は「護憲」を主張するわけにはいかないのである。
 
ここで、読者の皆様には釈迦に説法ではあるが、憲法9条を以下に記す。
 
〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕
第9条日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
 
1項は当然のことを書いているだけだが、2項の「戦力の不保持」と「交戦権の放棄」が問題になる。
それで、安倍首相は、1項、2項はそのままにして、3項に「自衛隊の存在」を追加しようと提案したわけである。
「なるほど」の案といえるが、こうした提案に与党内からも批判が出ている。
しかし、こうした提案自体は非難されるべきではない。
また、それに対する批判も許されるべきなので、それを騒ぐマスコミのほうが”おかしい”のである。
 
とは言うものの、私は首相とは違う意見である。
2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」を文字通り解釈すれば自衛隊は違憲となる。
しかし、1項の「国権の発動たる戦争および武力行使」を「自衛の場合を除く」と解釈すれば、2項前段の「前項の目的を達するため」も「自衛の場合を除く」と解釈できる。
つまり、現行9条のままでも自衛隊は合憲というように解釈できるのである。
 
この意見に反対する方は、「9条の主旨を捻じ曲げている」と言われるであろう。
たしかに国語的な解釈からすれば「捻じ曲げた」解釈である。
しかし、政治的な解釈はそう単純なものではない。
現行憲法を作ったGHQの意図は、日本の武力を“完全”に葬り去ることにあった。
その意図からすれば、自衛権も放棄したことになる。
だが、戦争が国際的に「悪」とされたのは、第1次世界大戦後の「パリ不戦条約」である。
憲法9条の下敷きになったのは、この不戦条約と言われている。
そして、国際的な解釈では、パリ不戦条約には「自衛戦争は除かれている」ということになっている。
その解釈に従えば「自衛隊は合憲」となる。
 
まあ、しかし、こう解釈が入り乱れてしまうのも良くないので、日本の未来を考え、改正に踏み切ったほうが良いとは思います。
ただ、国会中継での安倍首相の答弁姿勢はよくないですね。
たとえ腹が立つ質問でも野党の挑発に乗るようでは首相として軽すぎます。
正面から改憲の必要性を論じていけば良いのです。
大事な問題です。与野党による「がっぷり四つ」の論戦を期待します。
 
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<建設ビジネスサロン>
5月は連休もあり、予定が立て込んでいるため、オフサイトのサロンは開催致しません。
(6月は開催する予定です。)
それでも、ご希望があれば、お気軽にご連絡ください。
ぜひ、茶飲み話を楽しみたいと思います。
お待ちしています。
 
 
 
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