2024年10月31日号(経済、経営)
2024.11.01
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2024年10月31日号
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発行日:2024年10月31日(木)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2024年10月31日号の目次
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◇今後の日本経済は、雨になったり曇ったり
☆水商売からビジネスを学ぶ(その3)
◇2024年からの展望(4):責任あるAIってなんぞや?
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
衆院選で自公は少数与党に転落しました。
しかし、石破首相は辞めないようです。
さりとて、立憲民主党・野田首相の野党連合になるかというと、それは無理。
この選挙、立憲が頑張ったわけではなく、自民党のオウンゴールだからです。
政治に対する見解は次号(11/15号)で、今号は経済への影響を解説します。
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┃◇今後の日本経済は、雨になったり曇ったり ┃
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我が国の経済は、当面、パイロットのいない飛行機となりそうです。
いや、操縦席で操縦桿を奪い合う事態となるでしょう。
早期に首相を指名する特別国会を開く必要がありますが、どうなることやら。
首相を指名した後、能登復興の補正予算を成立させることが急務ですが、石破首相が再選される可能性は不透明な状態です。
こうした状況を影でコントロールすることを財務省が画策しています。
となると、財政出動の規模は期待できません。
この問題は、与野党が一致して国会主導の予算とすることが望ましいのですが、与野党とも「それどころじゃない」で、意識すら希薄です。
こうした災害復興ですら曇り空状態であれば、積極財政などへの期待は消え去っていくでしょう。
怖いのは、その中で国民全体が萎縮し、企業の投資意欲が減退することです。
そうなると、日本経済は土砂降りの雨になる恐れがあります。
経済情報を眺めると、企業の破綻や業績後退のニュースが増えてきています。
コンビニのセブンイレブンを擁するセブン&アイ・ホールディングスへ買収工作が仕掛けられていることに驚いた方も多いでしょうが、仕掛けたカナダの投資会社は「今がチャンス」と判断したわけです。
実際、ネットでは、セブンイレブンの上げ底弁当などへの非難投稿が増えています。
私もコンビニにはよく行きますが、コーヒーの味は落ちているし、弁当は「高くてマズイ」と感じていてセブンを敬遠しています。
余計な話をしましたが、コロナ後に少し上向き出した日本経済の先行きが不透明になってきていることは確かです。
政治の混乱が、経済を不透明状態から下降に落としていくことが懸念されます。
こうした経済情勢は、企業経営にとっては不安材料ですが「ものは考えよう」です。
政治の劣化が経済、そして企業経営に与える悪影響を排除できませんが、その影響を極小化する経営はできるはずです。
弊社も同様の波に翻弄されるでしょうが、冷静に混乱を予想し、その混乱をマイナスではなくプラスに変える経営を実践していくチャンスと考えています。
そうしたことも頭の隅において、次の「水商売からビジネスを学ぶ」シリーズをお読みください。
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┃☆水商売からビジネスを学ぶ(その3) ┃
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前号は、従業員全員の首切りを宣言したところまででしたね。
数々の証拠を突き付け「辞めていただくか、警察に行くか」と脅した(?)私の態度に本気を感じたのか、
しばらくして、支配人は「こんな店、すぐに潰れるさ。こっちから辞めてやる」と凄み、他の従業員たちを引き連れ、店を出ていきました。
しかし、その少し後、ホステスの一人がそっと戻ってきて「これから、どうするの」と聞いてきました。
実は、全員に「辞めてもらう」と宣言する日、店を開ける前に、このホステスを呼び出し、全員クビにする話をした後、こう言ってあったのです。
「僕は、全員の行動をチェックしていて、不正の証拠を揃えていたんだ。でも、貴女はそうした不正をまったくしていない。どうか残って僕を助けて欲しい」
戻ってきたそのホステスは、容姿は中の下(失礼な表現だが、ご容赦を)でしたが、お客の人気者でした。
明るく気立ての良い性格がお客との会話を弾ませていて、美人のホステスより受けたのだと思います。
そっと戻ってきた彼女は、私に笑いかけながら、一冊の手書きの冊子を渡しました。
「?」とした私に、こう言いました。
「これ、バーテンの星野さんが、あなたに『渡してくれ』って言って渡したのよ」
その手書きの冊子をパラパラっとめくった私はびっくりして、改めて詳細に見ました。
そこには、種々のカクテルの作り方が絵とともに丁寧に書かれてあったのです。
そのバーテンも、支配人の友人が来ると“ただ酒”を出していましたが、さすがに気が引けていたのでしょう。
私は「ありがたい。これがあれば何とかカクテルを作れる。これで星野さんの不正はチャラだな」と心の中で感謝しました。
そして、彼女にこう言いました。
「明日の朝、店に来て、ママ(私の母親)と一緒に僕の計画を聞いてくれませんか」
彼女は真剣な表情で頷きました。
翌朝、母と彼女に私の計画を話しました。
母には「僕は大学の授業が終わってから店に来るので、母さんはそれまで店を切り盛りしていてくれないか。
で、最後は僕がその日の勘定をまとめて家に持ってかえるよ。母さんは翌朝、おつりのおカネを持って店を開けてくれないか」
母は「分かった。急いで来なくても大丈夫だよ。お前が来るまでお客様の相手はしているから」と明るく言ってくれました。
そして、彼女には「あなたは僕と一緒にカウンターの中に入って、お酒や“おつまみ”を出すのとカウンターのお客様の相手をお願いしてもらえますか」
彼女は「それはいいけど、客席で接待する女の子はどうするの?」と、当然の質問。
私は「たしかにね。でもお金が底を付き、家賃などの経費で目いっぱいなんで、新たな子は雇えないんです」と、正直に話した。
彼女は「それなら、私が中と外の両方やるよ」と、うれしい提案。
私は「ありがとう。でも、策はあるんだ」と、二人に話した。
これは“はったり”ではなかったが、その策を聞いた母も彼女も「え~、大丈夫?」とびっくり。
その策は次号のお楽しみとします。
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┃◇204年からの展望(4):責任あるAIってなんぞや? ┃
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このシリーズを2回休みましたが、その間、米国の株式市場は大きく乱高下しました。
その中心にAI向けの半導体メーカー株の売却と買い戻しがあったと言われています。
7月から8月にかけて発生した最初の暴落のきっかけは、著名な業界アナリスト2人が「人工知能(AI)を取り巻く熱狂は行き過ぎだ」と懸念を提起したことにあります。
このように、AIはその実態以上に経済に影響を及ぼし始めています。
「AIが世界経済を劇的に変えることは困難」という見方が業界アナリストの間に浸透してきているのです。
日本には、そうした警句が届いていないようですが、危ないですね。
その背景には、AIの致命的な欠陥が浮き彫りになってきていることがあります。
簡単に説明すると、こういうことです。
AIに、ある問いかけを行うと、様々な解答を返してきます。
簡単な問題であれば、簡単な答えしか返してこないので害はないです。
しかし、ビジネスで使う場合は、問題があります。
複合的で深い問いかけを行うと、AIは驚くほど多様な解答を返してきます。
しかし、その膨大な解答のすべてに対し「法的に問題はないか」、「自社に損害を与える可能性はないか」の検証を行う必要が出てきます。
そうでないと、とんでもない事態を引き起こすかもしれないからです。
実際に使ってみると分かりますが、「スゴイな」と感心する解答ほど使うリスクが大きくて、ビジネスで使うことはできません。
(闇バイトの詐欺集団には最適なシステムかもしれませんが・・)
つまり、AIが返す膨大なバリエーション解答をすべて正当だと判断するのは現実には不可能という大きな弱点があるのです。
ここで、少し前の解説に戻ります。
AIとは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)の略称で、日本語では「人工知能」と訳されています。
その意味では、コンピュータそのものがAIなのです。
1946年に登場したENIAC(エニアック)が、世界初のコンピュータと言われていますが、最初はGiant Brain(巨大頭脳)と呼ばれました。
この頃から「人間の頭脳の代わりになる」と言われていたわけです。
このENIACの最初の成果は「水素爆弾に関する計算結果」でしたが、米国の敵対国であった旧ソ連にも同様のマシンがあったと思われます。
そして、そのわずか7年後の1953年8月に旧ソ連は水素爆弾の実験に成功し、7か月後の1954年3月1日に米国は太平洋のビキニ環礁での水爆実験に成功しています。
話が脱線しました。
つまり、誕生の時からコンピュータそのものがAIだったわけであり、かつ「悪魔の申し子」だったのです。
この概念設計はENIACの誕生前、「アラン・チューリング」と「ジョン・フォン・ノイマン」という2人の天才によって1941年に完成されていたのです。
ノイマンのことは、以前、本メルマガで取り上げましたので、本メルマガのアーカイブスでご覧ください(HALのHPから検索できます)。
ノイマンの晩年が惨めであったと同様、チューリングも41歳の若さで自殺しています。
「悪魔に魅入られ、翻弄された人生」だったと言えます。
かれらが計算で解き明かしたとおり、コンピュータの性能は大きく向上し、機械であるコンピュータが「学ぶ」ことができるようになり、それが現在のAIに発展してきているわけです。
ただし、半導体素子自体が人間の頭脳化したわけではなく、その点の進化はまだまだです。
現実は、ハードの高速・膨大な計算能力を活かしたプログラミング技術による機械学習の段階にあります。
それでも、この機械学習によるAI技術により、翻訳や自動運転、医療画像診断が劇的に進化しているわけです。
囲碁や将棋といった限られた盤面やルールのもとでは、人間の能力を超えたと言われています。
(藤井聡太さんらの若手棋士はAIに育てられたのかも・・)
このように、人間の知的活動において、既にAIが大きな役割を得ていますが、同時に危険性が増しているのです。
次号では、企業活動にもたらすAIの光と影をもう少し解説していきます。
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<編集後記>
弊社HALは、独立したコンピュータソフト会社です。
自社開発した基幹業務系のパッケージソフトが主力商品ですが、現在のALDE(アルデ)は、4代目の商品になります。
2年後の発売を目指し5代目を設計中ですが、ある程度のAI機能を組み込む計画です。
ですが、当然、今号で解説したようなAIリスクが付きまといます。
そのリスクをお客様に負わせることはできないので、リスク回避機能を合わせた開発を進めています。
<追伸>
「儲かる建設会社になろう」のサイトを全面的にリニューアルします。
年内のリリースを目指して進めていますので、ご期待ください。
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