2025年9月15日号(国際、政治)

2025.09.17


HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2025年9月15日号
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発行日:2025年9月15日(月)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2025年9月15日号の目次
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◇次の自民党総裁は誰か?
◇抗日戦争勝利80年
 ◇トランプvs DEI(その4)
 
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
 
総理総裁の椅子に”異常な”執着を見せてきた石破首相ですが、とうとう辞任に追い込まれました。
しかし、自民党総裁は降りても首相の座は次の国会の首班指名までの間、安泰(?)です。
この間に「戦後80年談話を出す」と息巻いているとか。
往生際の悪さだけは歴代1位かもしれません。
 
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┃◇次の自民党総裁は誰か?                 ┃
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石破氏を辞任の袋小路に追い詰めた直接の原動力は、もちろん自民党議員たちの悲鳴に近い声です。
「近い」と言われる選挙に怯える衆院議員はもちろん、地方議員たちも死活問題です。
典型的な世襲議員で“お坊ちゃま”の石破氏には、そうした“下々”の切実な声は聞こえないようで、まったく辞める気はなかったようです。
そうした石破氏の気持ちを支えていたのは、オールドメディアと言われる報道各社の世論調査の結果です。
読者の皆様がご存じのように「石破辞めるな」ワードの上昇という“不思議な”世論調査です。
 
こうした世論調査に違和感を持たれた方は多いと思いますが、1回1000人程度の、しかも電話調査主体の調査です。
まだ固定電話がある我が家に、この種の電話がかかってきたことがあります。
私は、自分の信条を答える義務はないと回答を拒否しました。
私とは逆に、丁寧に答えた知り合いには、その後もこの種の電話がかかってきたということです。
報道各社には「こんな調査はもう意味がない」と言う人はいないのでしょうか。
 
さて、本題の自民党総裁選の話です。
現在、5名の名前が挙がっていますが、本命は高市早苗氏と小泉進次郎氏に絞られています。
このお二人、育ちも政治信条も正反対なので、この結果が日本の近未来の行く道を決めるといっても過言ではないかと思います。
小泉氏については、今さら解説する必要はないでしょう。
若いということと小泉元総理の子供という以外に思いつくことは、数々の意味不明な「小泉構文」だけです。
コメ問題の解決をと勢い込んで就任した農水大臣の仕事も、備蓄米の放出以外の策はなく、9月に入って出てきた新米は前年度の2倍前後という金額です。
結局、「小泉構文」と揶揄される通りの、発言も中身も“薄~い”人という印象しかありません。
おそらく、投票日が近付くにつれ、呆れるような発言が増えるだけではないでしょうか。
 
一方の高市氏は、好き嫌いがはっきりと分かれる政治家です。
保守派の強い支持を集める一方、リベラル派からは蛇蝎のごとく嫌われています。
私の印象としては、「なかなか心の奥底を見せない人」です。
他の候補は、総理総裁になったら「このような政策を行うだろう」と予測できるのですが、高市氏は予測が難しいです。
憲法改正や安全保障の強化を推し進めていくとの予測がありますが、連立相手との調整が必要なことから、かなり慎重になるだろうと予測しています。
また、選挙方法が党員を含めたフルスペックで行われることは高市氏にとって追い風ですが、決選投票になった場合の予測は、正直難しいです。
 
他の3人にまったく可能性がないわけではありませんが、次の総選挙での顔となると、茂木氏や林氏は「いかにも自民党」といった印象で分が悪いです。
50歳の小林鷹之氏は、名前から「コバホーク」などとあだ名が付けられるように若い人の票が期待できるとして、ダークホース的存在です。
もっとも、後ろに財務省の影がちらつくようだとどうでしょうか。
 
ただ、新総裁が誕生しても首相は石破氏です。
臨時国会での首班指名までは首相の座に座り続けるわけです。
その首班指名は一波乱ありそうな気配です。
中国と蜜月状態の公明党は、高市氏の場合は連立解消だとブラフを投げています。
自公連立は「創価学会票欲しさ」という自民党の“さもしい”根性に「美味しい果実(中国との利権)欲しさ」の公明党が乗った利権連立であり、近年の日本政治を歪めてきた元凶のひとつです。
特に国交大臣という国のインフラ整備の要のポストが公明党の独占になっている現状は健全とは言えません。
釧路湿原の中にも現れたメガソーラーなどは、中国利権に食い荒らされる日本の姿の一つです。
この一点だけでも自公連立は終わらせる必要があると思います。
このように歪んだ連立解消と財務省のコントロールを断ち切ることが、自民党の再生には欠かせない要素だと思っています。
最後に、私個人の意見を言います。
「小泉氏以外なら、だれでも良い」です。
さて、どうなりますやら。
 
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┃◇抗日戦争勝利80年                    ┃
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9月2日、中国は「抗日戦争勝利80年」と題して、親中の国々を招いて軍事パレードを実行しました。
ひな壇に習近平、プーチン、金正恩の3人が並んだ構図は、戦前の三国同盟(日独伊)を彷彿させる光景でした。
しかし、そこには中露が切望したインドのモディ首相の姿はありませんでした。
インドは、ウクライナ戦争で疲弊しているロシアから原油を安く買い、第三国に転売して巨額な利ザヤを得ています。
また、上海協力機構を通じて中国とも一定の距離を保つという多極主義に徹しています。
 
一方、貿易摩擦が激化している対米関係はインドにとって頭の痛い問題で、日本との関係強化で乗り切る策を模索しています。
インドの政府関係者は、中国の軍事パレードを「中国が対日戦勝を祝う行事」と認識していると発言し、「抗日」の言葉を避けました。
さらに「インドには日本を傷つける意図はない」とした補足説明をわざわざ付け加えました。
その言葉どおり、モディ首相は、訪中前に日本を訪れ、半導体、重要鉱物、医薬、AIなどで日本との新しい枠組み作りを協議し、新幹線にも試乗しました。
その直後の訪中で、SCO(Shanghai Cooperation Organization=上海協力機構)の首脳会議には出席しましたが、軍事パレードには参列しませんでした。
間違いなく日本への配慮を行動で示した形であり、中国の狙いは崩れたと言ってよいでしょう。
 
戦後80年が過ぎた現代でも、ロシアは対独戦勝利を、中国は対日戦勝利を声高に叫んでいますが、
100年後も200年後も続けるつもりでしょうか。
そもそも、大陸の戦場で日本と戦ったのは中国共産党ではなく、今は台湾に逃れた国民党です。
しかも、当時の戦況は日本軍が圧倒していました。
終戦の年でも、中国軍は重慶まで追い詰められていました。
兵法研究の武岡先生は、当時は若手将校として、大陸の最前線で中国と戦っていました。
そこに、日本の降伏という青天の霹靂のような事態が生じたわけです。
部隊内では「勝っているのに、なんで降伏なんだ」の空気だったそうです。
中国戦線は、太平洋戦線で米軍と戦っていた私の父たちとは真逆の状況だったということです。
 
つまり、日本は米国に負けたのであり、中国に負けたわけではなかったのです。
現代でも、「中国に負けた」と思っている日本人は皆無に近いのではないでしょうか。
だから、習近平政権は、ことさら派手に「抗日戦勝利」と叫ぶわけです。
それだけではありません。
「抗日」という中国のプロパガンダである歴史の正統性を利用して、現代では「アメリカの同盟国」たる日本を攻撃し、間接的にアメリカを攻撃している「気分に浸っている」わけです。
大掛かりな軍事パレードの実施も、国民に対し「中国はアメリカと対峙する能力を持っているぞ」というメッセージを発信しているわけなのです。
もちろん、次の戦争のターゲットは台湾であり、台湾併合は諦めていないという姿勢のアピールです。
実際、軍事パレードに登場した極超音速ミサイルや新型の長射程弾道ミサイルなどは、台湾有事の際に台湾周辺への展開が予想される米空母打撃群や日本の基地に対し迅速に打撃を与えられるという宣伝に他なりません。
 
日本は、このような宣伝戦は無視しつつ、淡々と防衛力の強化を進めることが一番です。
中国にとっては、そうした姿勢が一番いやなはずですから。
 
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┃◇トランプ vs DEI(その4)                 ┃
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DEIという言葉が、Diversity(多様性), Equity(公平性), Inclusion(包括性)の頭文字をとった言葉だということを、各回の冒頭で“しつこく”説明してきました。
日本では「当然だろう」と軽く扱われるような言葉ですが、米国では国論を二分する面倒な言葉になっています。
トランプ大統領はその反対派の急先鋒ですが、メインの攻撃対象はDiversity(多様性)です。
つまり移民排撃です。
DEI廃止に対する米国の世論調査では、回答者の過半数が廃止に反対していますが、共和党支持者に限ると反対は30%まで減ります。
だが、政党支持に関係なく企業の60%は「DEIは必要である」と回答しています。
 
世論調査における賛否は回答の責任を問われる恐れがないため、個人個人の心理の奥底を発露した結果になり勝ちです。
しかし、企業はそうはいきません。
対応を誤ると、業績や企業の存続に関わる問題に発展しかねない危険があります。
それゆえ、このような回答にならざるを得ません。
さらに、企業にしてみれば、合法であろうがなかろうが、移民に頼らざるを得ない雇用事情があります。
同様に、女性やマイノリティを差別することも自社の首を絞めることになり兼ねません。
こうした点からも、多くの企業にとりDEIプログラムは必要となっているのです。
 
トランプ支持者の中核である保守白人が反対しても、トランプ政権が不法移民を強制送還しても、またトランプ氏が強硬にDEIを否定しても、アメリカにおける多様性がなくなることはないでしょう。
トランプ政権は、このような事実が自分たちにとって不都合な未来につながると感じ、「保守白人が中心であった、かつての“美しい米国”を取り戻そう」としている人たちが動かしています。
これがMAGAの本質です。
 
こうしたMAGA派の動きに煽られる形でトランプ政権の運営方法がどんどん過激になっています。
大統領令を乱発して州兵まで動かすことは、とても民主国家とは言えない所業です。
当然、無理やり鎮圧される側の反発も暴動化してきます。
先日、保守派の活動家でトランプ氏の熱烈な支持者であるチャーリー・カーク氏が銃撃されて亡くなりました。
左右に関係なく結局は暴力で決着を付けるという米国社会の暗部が色濃くなってきています。
 
好むと好まざるに関係なく、米国は、高度に多様性に富む社会になっています。
指導者である大統領は、そのようなモザイク国家であることを自覚し、一方に偏るのではなく、それぞれが、どう協力して社会を安定的に発展させていくかに注力すべきなのです。
トランプ政権のMAGAが単純な保守白人の揺り戻しや少数白人による支配のためであるならば、米国の未来は絶望的に暗いでしょう。
 
だが、79歳のトランプ大統領は、いまさら自分の意見を変えることはないでしょう(変えられたらスゴイですが)。
ということは、米国の未来は2028年の次の大統領選にかかっていることになります。
「あと3年と3か月」ですが、その前の2026年秋の中間選挙がその前哨戦です。
見守っていきたいと思います。
 
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<編集後記>
静岡県伊東市の田久保眞紀市長の卒業証書の偽造問題の紛糾が、市議会の解散という前代未聞の事態になっています。
最初に、市長が「市の広報にある大学卒業はミスです。卒業はしていません。すみませんでした」と言えば済んでいる問題なのに、引っ込みがつかなくなり、居直っているわけです。
そのメンタルの強さだけは見習いたいですが、私には無理だな・・
 
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