2020年3月15日号(国際、政治)
2020.03.18
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2020年3月15日号
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発行日:2020年3月16日(月)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2020年3月15日号の目次
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★コロナウイルス禍が浮き彫りにしたこと
☆民主主義が続くために
★第一列島線の攻防(7):最終回
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
新型コロナウイルス禍にかこつけて編集委員が不適切なツイートをしたとして、朝日新聞が謝罪しました。
同社の謝罪は、「自社の報道姿勢と相容れない内容・・」となっていますが、米国大統領を揶揄したと思われる内容は、同社の報道姿勢そのものだとして、ネットで批判が集まっています。
当の編集委員は50代とありますから、新聞社の姿勢と取られても仕方ありません。
一般の会社だったら懲戒免職ものですが、さて、同社の処分は・・
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┃★コロナウイルス禍が浮き彫りにしたこと ┃
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目下の人類共通の敵は、このコロナウイルスですが、肝心のウィルスそっちのけで、国どうし、人間どうしの争いが顕在化しています。
冒頭の朝日新聞の編集委員も、「コロナウイルスは、人間の醜さを浮き彫りにしている」とでも書けば良かったのでしょうが、自らの人間としての醜さを露呈する結果となったわけです。
日本でも、マスクやトイレットペーパーの買い占め、それを高値で売りさばくといった呆れる行動が連日、報道されています。
その醜い商売の場と成り果てたネットオークションの酷さ、などなど、上げれば切りがありません。
当初、欧米メディアは、発生源となった中国への非難だけに飽き足らず、日本も汚染国だとして中傷記事を連日配信していました。
そこには、欧米の有色人種に対する差別意識の根深さが見て取れます。
残念なことですが、この意識は現代人に共通の意識といえます。
「白は美しいが、黒は醜い」とする意識です。
美白を売りにする化粧品の氾濫、人気になるハーフタレントの多くは白人との混血です。
犯罪を意味する色は黒ですし、正義の色は常に白です。
もちろん、人間の奥底に潜む感情を否定することはできません。
私自身、抜けるように白い肌の女性を見れば「美しい」と思います。
ですが、それがその女性の人間性そのものと思うことはありません。
では、「白が美しい」と思う、こうした意識は、どう作られていったのでしょうか。
生まれながらのはずはありません。
小さな子ども時代、そんな感情を抱くことはなかったからです。
つまり、成長過程の中で周りから植え付けられた後天性の感情なのです。
ならば、変えることは難しくても、自分自身の中で制御できるはずです。
それで、いつも考えていることがあります。
人種差別をする国に住む有色人種の人たちのことです。
その人たちは、そうした差別を日常的に受けているのです。
その苦しみを考えれば、単純に「白が良い」とは思えなくなります。
実際、海外での経験では、酷い差別を目の当たりにしてきました。
そして、何も出来なかった自分の勇気の無さを、今でも恥じています。
今回のコロナウイルス禍が浮き彫りにしたのは、こうした人間の醜さかもしれません。
それと同時に、必死に立ち向かっている各国の医療関係の人たちの勇気と気高さには胸を打たれます。
反対に心配なのは、各国の指導者たちの姿勢です。
人類の未来より自分の政治的立場を優先しているようにしか見えないのは私だけでしょうか。
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┃☆民主主義が続くために ┃
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ここまで「民主主義に軍事力は不要?」のシリーズのあと「民主主義の欠陥」と続けてきました。
なぜ、このようなシリーズをと思われた方もいらっしゃると思います。
また、「平和が何よりも大事」とお考えの方には不快な内容だったかもしれません。
もとより、私は、今の時代、民主主義が最も優れた政治形態であると思っています。
しかし、世界を見渡せば、民主主義の広がりは限定的であり、強大な共産主義国家中国は、世界の覇者となることを狙っています。
そして、民主主義はもろく、簡単に壊れてしまいます。
民主主義発祥の地は、古代ギリシャのアテネだと言われています。
しかし、軍事国家スパルタとの抗争を通して衰退し、歴史から姿を消しました。
それ以来、近代になるまで民主政治は姿を現しませんでした。
こうした歴史を俯瞰して、なぜに民主主義は世界に根付かないのかを考えました。
私がたどり着いた結論は、「あらゆる事象(生物も、科学も、経済も、その他すべても)に共通している『永続するための条件』は、進化し続けること」ということです。
つまり、民主主義にも進化が必要ということです。
「当たり前の結論だろ」と笑われるでしょうが、大事なのはさらに思考を深く続けていくことです。
前号の最後に、日本の民主主義の停滞と打破について、以下のように書きました。
「健全な対立軸の存在が民主主義には必要なのですが、それが育たないのです。
こうなると、健全な民主主義のためには、与党が分裂して政権交代の受け皿を作るしかありません。
そのためには、今の野党が選挙で壊滅的打撃を受ける必要があります。
それが、日本の民主主義の本当の出発点ではないでしょうか」
しかし逆説的ですが、民主主義を壊す最大の要因は「激しい国内対立」です。
「相手を抹殺しなければ自分がやられる」となり、報復合戦となります。
そして、互いに外国勢力を引き入れてでも相手に勝つことを選択します。
日本による朝鮮併合は、その果ての結果です。
幕末の日本も似たような状況でしたが、幕府はフランスの、薩長は英国の助勢を断わりました。
今の韓国は、大統領に権限を集中させているいびつな民主主義であり、その大統領は中国に媚び、日本を敵視するという対外依存の姿勢が顕著です。
さらに、保守派を徹底的に弾圧し、自らの保身を最優先する政治姿勢です。
これでは、健全な対立軸が育たず、「激しい国内対立」を繰り返すのみです。
日本が同様の状態にならないためには、ひとつの思考に染まるのではなく、多様性を認める社会に進化させることです。
本シリーズでは、民主主義にも武力が必要なことを書いてきました。
空想物語に思えるでしょうが、人類が宇宙に出て活動範囲が広がれば、どんな知的生命体との遭遇があり、どんな戦争が起きるかまったく予想がつきません。
やがて、そうした危機を想定した新たな武力が必要となってくるでしょう。
その武力を制御するためにも民主主義の進化が必要なのです。
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┃★第一列島線の攻防(7):最終回 ┃
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今回の物騒なタイトルが嫌で、読み飛ばされた方もいらっしゃると思いますが、この最終回だけは読んで欲しいと思います。
新型コロナウイルスの蔓延は、ウィルスという生物による人類に対する無差別攻撃です。
いま、各国は必死になって、この攻撃に対する防衛戦を戦っているわけです。
中国は、発生源である大都市の武漢市を封鎖したり、わずか10日間の突貫工事で大病院をいくつも作ったりしています。
人権などお構いなしに何でもできる独裁国家ゆえの強みといえるでしょう。
他方、日本は、その武漢から帰国した日本人にウィルス検査を拒否されても、検査を強制できないという国です。
民主主義国家ゆえ、人権が何よりも上位に来るからです。
例のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の対応のまずさで、日本政府は内外から散々批判されました。
たしかに、イギリス船籍のこの船の寄港を拒否して追い返せば良かったのかもしれません。
それを「人道的に」受け容れ、かつ各国に感染者を送り返さないという人道的処置を選択したわけです。
その結果、汚染者の大量発生という泥沼に陥り、欧米から非難の嵐になってしまいました。
やはり、中国のようにすべきだったのでしょうか。
そこに正解はありません。
コロナウイルスにとっては、人種も政治体制も関係ないからです。
ひとつだけ言えることがあります。
こうした災禍に備えるためには、そうした病原菌やウィルスを徹底的に研究する機関や研究所が不可欠だということです。
つまり、それらの脅威に対抗するための防衛組織および防衛力を整備するということなのです。
私が何を言いたいのかは、もうお分かりだと思います。
護憲派を始めとする平和勢力の人々は、軍事的防衛力の整備に反対しています。
その人たちの主張は「戦争をできないようにすることが戦争をせずに済むことだ」というものです。
これを今回のウィルス禍に置き換えると「ウィルス対策をしないことがウィルスに汚染されないことだ」となります。
こんなことを言うと「人とウィルスを一緒にするな」と反論されるでしょう。
では、人はそんなに高級な生物なのでしょうか。
もし、そうだったら、人類の歴史に世界大戦のようなことは起きなかったはずです。
結局、人間もウィルスと同様の生物であり、自らを生きながらえさせることを最優先する本能が備わっているのです。
「自らが戦争を出来ないようにすること・・」は、古代中国の莊子の教えであり、「相手が戦争を仕掛けられないように、防衛に備える」は、孫子の教えです。
マキャベリや韓非子も、それに近い思想です。
どちらを取るかは、人それぞれです。
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<編集後記>
米国民主党の大統領候補者選びが大詰めに近づいているようです。
サンダース候補有利の状況が、ここにきてバイデン候補有利へと流れが変わってきました。
そのポイントは、カネです。
大統領選から撤退したブルームバーグ氏がバイデン候補支持に回ったからです。
カネが無いことがバイデン候補の最大の弱点でした。
ブルームバーグ氏の豊富な資金が、白人穏健派を望む米国人の気持ちと合体したことでバイデン氏への流れができたということです。
弱点は77歳という年齢ですが、サンダース氏も78歳ですから弱みとはなりません。
さて、トランプ陣営はどう見ているのでしょうか。
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