2026年4月30日号(経済、経営)
2026.04.30
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年4月30日号
┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
H A L 通 信
┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ http://www.halsystem.co.jp
発行日:2026年4月30日(木)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026年4月30日号の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇「責任ある積極財政」の意味を読み解く
◇SNSの危険性とNECの顔認証技術(その1)
◇新車陸送の世界(12)
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
固定資産税や自動車税など、5月は様々な税金を納める月です。
また、3月決算の会社は法人税の納付もあります。
義務とはいえ、5月は憂鬱さを感じる月です。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇「責任ある積極財政」の意味を読み解く ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
学問の世界では、経済学は文科系に分類されています。
現に、大学の大半は経済学部を文科系に位置付けています。
しかし、経済の基礎理論は数学にありますから、その意味では理科系といえます。
現に、理科系に属する数学科出身の経済学者や評論家は何人もいます。
ということで、ここからは数学(算数レベルですが・・)で考えます。
経済は緊縮財政で縮み、積極財政で伸びる、これは数学を持ち出さなくても当然の理屈です。
江戸時代、八代将軍に就いた徳川吉宗は「質素倹約」を旨とする緊縮財政を進めました。
歴史の時間で習った記憶もあると思いますが、有名な「享保の改革」です。
江戸幕府が開かれてから100年以上が経ち、幕府の台所は火の車に陥っていました。
吉宗の緊縮財政への転換は当たり前と思われるでしょうが、この改革の断行で日本の経済全体は大きく落ち込みました。
幕府は、財政緊縮だけでなく、芝居などの遊興の禁止や華美な服装を取り締まるなどの「質素倹約」を極端なレベルまで押し進めたからです。
ところが、この吉宗の政策に真っ向から逆らったのが、御三家筆頭の尾張藩でした。
藩主の徳川宗春は、積極財政を唱え、芝居や音曲などを積極的に奨励したのです。
結果、日本全国が不況に沈む中、尾張だけは好景気を謳歌したのでした。
と、これは中学生レベルの話ですね。
では、話を現代に戻します。
高市首相は、就任以来「責任ある積極財政」を唱えています。
しかし「責任ある」は緊縮財政的な言葉で、「積極財政」とは矛盾する要素をはらんでいます。
果たして、首相の軸足はどちらに乗っているのでしょうか。
それが重要です。
マスコミや経済評論家は、以下のような論調で首相発言を解説しています。
「積極財政とは、景気対策のための支出を増やし、場合によっては国債発行も増やす政策です。
一方、『責任ある』の表現は、財政再建は堅持する、借金を増やさない、PB(プライマリーバランス)の黒字化を目指すという“引き締め政策”を意味します」。
この程度の解説で経済評論家を名乗らないで欲しいと思いますが、それは横に置きます。
一言で言えば「将来世代へのツケは増やさないで経済を活性化させる」ということのようですが、
理想論過ぎて、あえて「意味不明」な政治スローガン的な言葉と言わせてもらいます。
国民が聞きたいのは、「責任ある」と「積極財政」という相矛盾する2つのテーマをどのようにバランスさせるのかという具体的な政策です。
しかし、現在に至るまで首相からそうした具体的な説明はなく、掲げた「責任ある積極財政」は「意味不明」な政治的スローガンのままです。
首相自身の口から明確な説明が成されることを期待していましたが、その前に世界経済がトランプ米大統領によって引っかき回され、予測不能な状態になってしまいました。
そして今、その影響による原油価格の高騰で円安が進行しています。
現在、米ドルが159円から160円、ユーロが187円台で推移していて、対ドル以上に対ユーロの上昇が懸念されます。
また、人民元が23円台となっていることは、もっと気がかりです。
世界の金融マーケットが、経済減速が明らかな中国より「日本はもっと悪い」と見ているということだからです。
海外投資家は「日本は、物価高騰の中で、利上げができない、積極財政で財政規律が緩む、貿易赤字が拡大している、というように悪材料だらけ」と見ています。
その結果、「日本は中国より悪い」と考え、日本国債の購入機会をうかがっているのです。
もちろん「日本を助けよう」ではなく「日本から利益をむしり取ろう」ですが・・
高市首相は、こうした事態に、どのような策を打っていくのか、今後の政策が注視されます。
その一方、このところ税収の上振れ(年度末の税収増)が続いています。
4月27日の国会で、国民民主党の上田清司議員が「4年間で税収の上振れが23兆円強ある」と指摘し、
この上振れを活用した国民への富の返還として「基礎控除の所得制限の撤廃」などを提案しました。
これに対し、高市首相は
「すごく上振れた場合、補正予算の財源として活用するなどをこれまでしてきました。しかし、来年度から予算編成を変えますので、最初から補正予算ありきにはしません。予見可能性を高めるためにできるだけ必要なものは当初予算で措置をします」と明言し、
「緊急事態などの場合には補正も必要になることもあるので、税収の上振れについてはそういった形で対応していきます」と回答しました。
つまり、以前のメルマガで言及したように、6月に予定されている新しい「骨太の方針」を見てくれということなのです。
では、その内容を詳細に見てから、「責任ある・・」を評価することにします。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇SNSの危険性とNECの顔認証技術(その1) ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
脆弱性が放置されたまま、SNSに代表されるネット世界があっという間に広がり、拡大を続けています。
その結果、当然の如く犯罪の有力手段としての使用が拡大かつ悪質化してきています。
私の毎朝の最初の仕事が、夜間・早朝に大量に届く不必要なメールやネット売り込みの削除になっています。
月曜や連休後は、特にひどいです。
年間にすると、相当な無駄時間です。
もちろん、そうしたメールを自動的に排除する処置を設定していますが、その効果も一時的で、再び増え出すという“いたちごっこ”です。
同じような方が大勢いるのではないかと思うと、この時間損失は日本中でバカにならない損失になっているはずです。
こうした迷惑メールを自動で大量に送り付けるサーバの多くは海外にあって、根本的に取り締まることが難しいのです。
ネットが一般に普及する前から、こうした事態になることを危惧していましたが、それが現実化し、さらなる悪化が進行しているわけです。
本メルマガで何度も書いていますが、私は60年前からコンピュータを使ってきた人間です。
当時は、スマホはおろかパソコンすら無く、厳重に管理された大きな部屋に鎮座していた大型の汎用コンピュータしかなかった時代です。
もちろん、インターネットは影も形もない時代です。
コンピュータと端末は、専用回線で結ばれていたため、外部からの侵入は物理的に不可能でした。
そのコンピュータ本体および端末との対話はこうでした。
マシン及び端末に固定されているキーボードで指令や質問を送ると、キーボードの前に据え付けられているライン・プリンタ(1行ずつ打ち出すプリンタ)で、マシンは回答を打ち出してきます。
これが、当時のコンピュータとの会話でした。
ところが、その数年後、米国でパソコンの原型モデルとインターネットの実証実験を相次いで目撃する機会を得ました。
パソコンの原型モデルへの指令はキーボードからでしたが、パソコンからの応答はライン・プリンタではなく、現代と同じ画面でした。
そして、その画面には、現在のwindowsのすべてがありました。
マウスもあり、現代では当然すぎるGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)での応答でした。
私は、そのとき、初めてその画面を目にして、初めて操作しました。
画面の中にはゴミ箱までありました。
そうです。たしかに今日のすべてが50年以上も前の試作モデルにあったのです。
画面がカラーでなく白黒だったことを除いて。
自分の偏見ですが、現代のwindowsより、はるかに洗練された画面だったと記憶しています。
それから50年、パソコン自体は、大容量となり、速さは格段に進化しましたが、アーキテクチュア(核心の機能)に関してはあのときからほとんど進化していません。
SF映画で見るような世界は、いったい、いつ来るのでしょうか。
基本の技術は、半世紀前から停滞したままなのです。
一方のインターネットは、当時の米国国防総省が開発した通信規格です。
当時の国防総省は、核戦争後に生き残る人類の数を1000万人と試算しました。
しかし、その1000万人が世界中にバラバラに存在したままでは、やがて人類は滅亡するとの試算が出たのです。
つまり、人類が種をつないでいくには、その1000万人が1ヵ所に集まる必要があると考えたのです。
しかし、核戦争後の世界は破壊されつくされ、稼働できるシステムは僅かしかないであろう。
でも、生き残ったシステムをつなぐような通信手段があれば、それを通じて、お互いの存在を知り、新たなコミュニティーを築くことが可能となるであろう。
そこで、当時の技術者たちは考えたのです。
生き残っているマシンや通信回線を自動で見つけて、それらをつないでいけば、生き残った者同士が互いの生存が確認できて、やがて集まれるだろうと。
それがインターネットなのです。
ゆえに、やり取りする情報を守るセキュリティは無用どころか“邪魔”だったのです。
しかし、核戦争が起きる前に、インターネットは異常な広がりのまま膨張し、ビジネスや個人の生活のほぼすべてを仕切るようになってしまいました。
情報を守るセキュリティを置き去りにしたまま。
この話、次号以降に続けます。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃◇新車陸送の世界(12) ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
このバイトは3年も経つと、立派なベテランです。
その間、一度も事故を起こしませんでしたが、安全運転の結果ではないことは、ここまで読んでくださった方にはお分かりですね。
また、運転が格別上手かったわけでもなく、ただただ幸運に恵まれただけの結果に過ぎません。
雨の夜の派手なスピンで「一巻の終わり!」と思ったこともありますが、奇跡的に潜り抜けました。
バイト先の運搬会社は最末端の下請け会社でしたが、一つ上位の会社全体では、毎月30~40件の事故が起きていました。
夏場のピーク時に事故が80件を超えたということで、傘下の下請け各社に厳しい通達が出されたこともあります。
そうした通達が出た月は、会社から「運ぶ台数を落としてもスピードを落とし、信号無視はするな」という注意が我々に課されました。
しかし、確実に稼ぎが落ちますから、1週間も持たずに、いつものような走りに戻っていました。
弟から「そのバイト、僕にも紹介して」と言われたとき、私は「ダメだ」と強く拒絶しました。
自分は幸運に恵まれたが、その災禍は弟に降りかかると本気で思ったからです。
そんなある日、また社長から特別な仕事を依頼されました。
ある大手会社の会長の自家用車を軽井沢の別荘まで運ぶという仕事です。
私は「楽な仕事、ラッキー!」と思いましたが、表情には出さず「はい」とだけ答えました。
社長は「帰りの旅費だ」と、財布から数万円のおカネを出し無造作に机に置きました。
ずいぶん乱暴な話と思われましたか。
でも、当時は、そんな時代でしたね。
指定された住所には、300坪はあろうかと思う、まさに豪邸が建っていました。
インターホンを押して、会社名と運搬人であることを名乗ると、玄関に会長自らが現れました。
初老の気さくな印象の方で、裏にあるガレージに案内してくれました。
そこは、楽に3台は納められるような大きな屋内ガレージでした。
会長がボタンを押すと、自動で大きな扉が上に上がり、中の車が姿を現しました。
そこには2台の大型のベンツと1台のポルシェ・カレラが並んでいました。
会長は、私に1本のキーを渡しながら「あれが運んでもらいたい車です」と、銀色のベンツを指指しました。
それは当時の最高グレードのタイプ600Sでした。
心の中で『カネをもらって、こんな車を運転できるなんてラッキー」と思いましたが、顔には出さず、「別荘地の敷地図はもらっていますので、本日中に運んでおきます」と言いました。
すると、会長はもう1枚の紙を取り出し、こう言いました。
「ここに寄って、荷物をひとつ、別荘に運んでもらいたいんだけど」
その紙に書かれていた住所は、杉並区のマンションの1室でした。
私は、二つ返事で引き受け、まずはそのマンションに向かいました。
そこは、かなりの高級マンションでした。
広いエントランスの壁のインターホンで部屋番号を押すと、すぐに女性の声で応答がありました。
私は、名乗った後に会長の名前と「別荘に運ぶ荷物の受取りにきました」と告げました。
すると、インターホンから笑い声が聞こえ、エントランスのゲートが開きました
私は「はて?」と思いながらも、エレベータで上階に上がり、目的の部屋の前でインターホンを押しました。
ほどなくしてドアが開き、姿を見せたのは、私より年上と思われたが、若い女性でした。
私が「会長から荷物を軽井沢まで運ぶように言われたのですが、どの荷物でしょうか」と言うと、その女性は、ケラケラと声を出して笑い出しました。
私は何も言えず、唖然とするだけでした。
すると、笑いが収まった女性は「パパが荷物って言ったの? ひどい」と、笑い顔のまま、怒ったように言いました。
そして、私に向かって「荷物は、わ・た・し」と言うのです。
茫然とした私をのぞき込むように下から見上げた彼女は、さらに「意味分かるでしょう」と畳みかけてきました。
思いがけない事態に唖然とした私でしたが、さすがに意味を理解しました。
正直、くるりと引き返したいと思いましたが、そんなことしたら「クビになる」と思い、「分かりました」とだけ答えました。
彼女は「ちょっと待ってて」と奥からスーツケースを引きずってきました。
私は慌てて、「失礼します」と部屋に上がり、そのスーツケースを運び出しました。
彼女は「ありがとう。優しいのね」と、相変わらず、からかうような口調で言いました。
こうして、私は、“とんでもない”頼まれ荷物を積んだベンツを軽井沢の別荘地へと走らせたのでした。
この顛末は1か月後の次号で・・
妙な期待はしないで、お待ちください。
----------------------------------------------------------------------
<編集後記>
今号は、少し長い文章になってしまいました。
次号は、もう少し簡潔にまとめるよう努力しますので、引き続き、よろしくお願いします。
----------------------------------------------------------------------
◎[PC]配信中止、変更の手続きはこちら
http://www.halsystem.co.jp/mailmagazine/
このメールは送信専用です。お問い合わせはこちらからお願いします。
http://www.halsystem.co.jp/contact/
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
【編集・発行】
株式会社ハルシステム設計
https://www.halsystem.co.jp
〒111-0042 東京都台東区寿4-16-2 イワサワビル
TEL.03-3843-8705 FAX.03-3843-8740
【HAL通信アーカイブス】
https://magazine.halsystem.co.jp
【お問合せ・資料請求】
email:halinfo@halsystem.co.jp
tel:03-3843-8705
Copyright(c)HAL SYSTEM All Rights Reserved.
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵

