2026年4月15日号(国際、政治)

2026.04.17

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年4月15日号
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発行日:2026年4月15日(水)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2026年4月15日号の目次
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◇イラン情勢とトランプ
★トランプ大統領の頭の中は? (その2)
◇台湾の歴史(その3)
http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
有人月探査計画の「アルテミス2」は、10日間の月の周回飛行を終えて無事帰還しました。
アポロ計画から53年余の空白をものともせず、この飛行を成功させた米国には称賛しかありません。
しかし、その同じ米国による突然のイラン攻撃。
そして、膠着状態に陥った末に突然の2週間停戦。
ですが、交渉は1日で行き詰まり、見通しは霧の中。
世界は、この身勝手なトランプ劇場に振り回され続けています。
今号は、この話題から。
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┃◇イラン情勢とトランプ ┃
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米国とイスラエルによるイラン攻撃が1か月を過ぎ、膠着状態に入ったところで、4月7日に突然の2週間の停戦。
ですが、この停戦は予想されていました。
それは米国内の事情です。
米国の法律では、大統領は議会の承認なしに戦争を始められますが、その戦争は60日間が限度となっています。
それ以上続けるには議会の承認が必要です。
つまり、トランプ大統領は現在の膠着状態に焦っているわけです。
米国がイランに攻撃開始したのは2月28日なので、4月7日時点では38日間が経過していて残りは22日間(15日現在は14日間)。
60日間の期限は4月29日に迫っています。
多少の延長は出来るかもしれませんが、それにも限度があります。
当然、イランはこのことを知っています。
ですから、停戦協議に応じたのは仲介者のパキスタンの顔を立てたことと時間稼ぎに過ぎません。
ゆえに、協議の行方は最初から絶望的でした。
それでも、米国はバンス副大統領が出席するとのことで、世界は一縷の望みを抱きました。
仲介者のパキスタンを挟んだ両国の直接協議は11日から始まりましたが、両国の主張の隔たりはまったく埋まらず、バンス副大統領は、たった1日で帰国してしまいました。
この協議に何らかの妥結を期待していた世界は、「はあ~?」と、呆れるしかありません。
仲介役のパキスタンは「諦めていない」と言っていますが、絶望的といってよい展開です。
案の定、トランプ大統領はホルムズ海峡を米艦隊が封鎖するという強硬手段に出ました。
時間的制約の少ないイランは、60日間という制約が迫る米国政府の足元を見て、直接協議では強硬な姿勢を崩さなかったと言われています。
そのイランの態度にぶち切れたトランプ大統領は、焦りからイランの原油輸出を止めて、一気にイランの首根っこを締め上げる手段に出たというわけです。
トランプ大統領は、「イラン人は動物なので殺しても戦争犯罪にはならない」と、相変わらずの言動ですが、本音は今の状態から抜け出したいのです。
イランは思ったより強かったし、この底なしから抜け出せないと石油価格は高騰し米国民の生活は苦しくなり、中間選挙で敗北することが必至の状況です。
しかし、メンツ丸つぶれの撤退などできるはずはありません。
米国、イランの両国は、本音ではどこかで妥協する道を探っているのですが、互いのメンツが邪魔をし、また互いを信用できないのです。
次の節目は、5月の米中首脳会談です。
トランプ大統領は、イランと関係の深い中国の習近平主席に裏から協力してもらいたいと思っているはずです。
今回の米軍によるホルムズ海峡の封鎖は、イランから石油を大量に購入している中国が一番困ります。
つまり、中国への間接的な締め付けに他なりません。
トランプは、この締め付けで中国にイランへの働きかけをさせようとの魂胆です。
さて、習近平主席はどう応じるでしょうか。
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┃★トランプ大統領の頭の中は? (その2) ┃
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トランプ大統領の話題が続きますが、今の世界でまちがいなく最も言動が注目されている人物であることは確かです。
あまり良い意味ではありませんが・・
大統領自身が「AIに作らせた」と言ってSNSに投稿した画像が物議をかもしています。
自身をイエス・キリストになぞらえ、病に伏す人の額に手をかざし光を与えているような画像です。
熱心なキリスト教徒であれば、おそらく腹の底から怒りが込み上げるような画像です。
キリスト教には無縁な私でも不快感が込み上げてくる画像で、本人も“さすがにマズイ”と思ったのか、すぐに投稿を削除し、
「あれは医者が病人を診ている絵だ」と、幼児にも通じない言い訳を言っています。
しかし、画像はまたたくまに全世界に拡散してしまっています。
下手な言い訳は、火に油を注いだだけのようです。
彼は、現ローマ教皇のレオ14世にも”ケンカ“を吹っかけ、問題を起こしています。
彼の強力な支持団体の一つである「キリスト教福音派」は、プロテスタントの一宗派ですから、カソリックの総本山のローマ教皇とは相いれないという側面があります。
今回のトランプ大統領が投稿した画像も、そうした背景とは無縁でないように思います。
ただ断っておきますが、福音派のすべてがトランプ支持者ではなく、反対派もかなりいるようです。
こうした“イエス・キリストの冒涜”とも捉えられかねない投稿を考えもなしに行うトランプ大統領の頭の中が心配です。
もともと問題だらけの人物ですが、今の彼の頭は、自信を持って行った関税政策が米連邦最高裁判所に違憲と断定されてから、完全に“イカレ”てしまったように思えます。
彼は、連邦最高裁判から関税が違憲とされるや否や、50年以上も前の1974年に制定されて以来、ただの一度も使われたことのない「通商法122条」に基づいて10%の関税を課す大統領令に署名し、
すぐに上限一杯の15%に引き上げました。
この122条は、資金の米国外への流入・流出に関する懸念に対処するため、短期的に米国に輸入される製品に関税を課す権限を大統領に与える規定ですが、問題はこの「懸念」の内容です。
この懸念は、法律が定める「大規模かつ深刻な米国の国際収支赤字」や「差し迫った重大なドル安」に限定していて、安易に使えないような歯止めがかかっています。
しかし、今回の発動の根拠はあいまいで、この発動自体が違憲となる可能性があります。
この122条は関税を課すために利用できる複数ある選択肢の一つで、他の策もあります。
ただし、どの仕組みにも発動にはかなりの制約があるのは当然です。
大統領は1月に発動した関税の法的根拠として、1977年に制定された「国際緊急経済権限法」を使いましたが、これにも制約があり、政権内では制約の回避はほぼ不可能と考えているようです。
今回の122条は、他の手段と異なり連邦機関による関税の正当性を判断する調査の完了を待つことなく発動できるので使ったようですが、関税率は15%が上限で、期間も最長150日に限られています。
その後もこの関税を維持するには、議会の承認が必要ですが、まず不可能と言われています。
今年11月の中間選挙での敗北予想が濃くなる中、トランプ大統領はとにかく「連邦最高裁判所に負けた」という印象を支持者に与えたくなかったのでしょう。
しかし、それがうまくいきそうにないので、イラン攻撃で成果を出そうとしたのでしょう。
さらに、大統領はもう一つの爆弾を抱えています。
それは関税収入の還付です。
今回の関税が最終的に違法として確定した場合、トランプ政権は徴収した1340億ドル(約20兆円)の関税収入を輸入業者に還付しなければなりません。
そうなると、予算に大きな穴が開き、トランプは「完全な敗者」とみなされるでしょう。
それゆえ、トランプは還付については“ごね”続けると思われています。
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┃◇台湾の歴史(その2) ┃
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前回述べた鄭成功は、日本では「国姓爺合戦(こくせんやかっせん)」という人形浄瑠璃や芝居の演題として知られているだけですが、彼は中国人と日本人のハーフです。
しかし台湾では、中華民国の国父である“孫文”、初代中華民国総統である“蒋介石”と並んで「三人の国神」の一人として尊敬されている人物です。
また、興味深いのは、鄭成功は大陸中国でも英雄と見なされていて、福建省には鄭成功の巨大像が台湾の方を向いて立っていることです。
こうした歴史上の事実から見えるのは、台湾(中華民国)、共産中国、そして日本の3ヶ国の関係の複雑さです。
戦前の台湾は、誰もが知るように、日本の統治下にありました。
日本が軍事侵攻したわけではなく、清国(当時の中国)との間の日清戦争の結果、国際連盟の議決により国際法上合法で1895年に日本の統治に組み入れられました。
ここまでは誰もが知っていることで、関係各国も否定していない事実です。
現在の事態を難しくさせているのは、1945年の日本の敗戦後の経緯にあります。
日本は、1952年のサンフランシスコ平和条約および日華平和条約(この段階での中国は国民党政権)において、台湾の領有権を正式に放棄しました。
しかし、両条約のどこにも『台湾の中華民国への返還(割譲)』は明記されていません。
つまり、日本が領有を放棄した台湾および周辺の諸島は、宙ぶらりんの状態のままなのです。
そのため、現在での国際法上の正しい解釈は以下のようになります。
『台湾は中華民国(つまり台湾政権)によって実効支配されているが、最終的な帰属は未定状態のままである』
これが“台湾地位未定論”と言われているもので、「台湾は従来の中国とは別の独自国家だ」とする台湾独立論の根拠になっているわけです。
日本の敗戦直後、大陸中国の支配権は蒋介石率いる国民党にありました。
そこへ毛沢東率いる中国共産党が軍事行動を起こし国共内戦となり、結果として国民党は破れ、台湾に逃れ、現在のあいまいな状況になりました。
中国共産党軍が国民党軍を破った背景には、旧満州に残った関東軍の航空機や軍需物資の存在が大きく、また、大陸に残った日本軍の将校のかなりの数が共産党軍に加わっていました。
専門の軍事教育を受けたうえ、実戦で多くの経験を積んだ彼ら旧日本軍将校の貢献度は大きく、後に毛沢東が「日本に感謝する」と言った言葉が、そのことを物語っています。
大陸を制覇した共産党の中国は、台湾に逃れた国民党軍を攻撃する台湾上陸作戦の準備に入っていましたが、そこに朝鮮戦争が勃発し、それどころではなくなりました。
その戦争で、中国軍は50万人と推定される戦死者を出したことで、台湾進攻どころではなくなったわけです。
その後の大陸中国は、共産党の経済政策の失敗や人権抑圧問題などで台湾進攻どころではなくなったわけですが、そこに助け舟を出したのが日本でした。
もちろん軍事的な支援ではなく経済支援ですが、ODAによる経済支援だけでなく大切な技術やノウハウの多くを官民一体となって中国に供与しました。
若かった当時の私も、中国の現場で中国の技術者や作業員に懇切丁寧に教えたことがありました。
しかし、その結果が現在の残念な状況になっているとしたら、本当に残念でなりません。
言えることは独裁国家への支援は平和の害になるということで、イソップ童話の「太陽と北風」の話は“おとぎ話”なのかなと思うだけです。
次回からは、台湾をめぐる現在の状況、および近未来の予測を述べたいと思います。
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<編集後記>
3/31号で、「農協による買い付け金を上げる」と書きましたが、正しくは、「JA農協が概算金(仮払金)の払い額を上げる」です。
素人目には同じようなものに思えますが、専門家が見れば違うのですね。
今後は、正しい言葉遣いを心がけます。
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