2026年3月15日号(国際、政治)
2026.03.16
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年3月15日号
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発行日:2026年3月16日(月)
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2026年3月15日号の目次
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★トランプ大統領の頭の中は?
◇予算案が衆院通過、次は参院での論戦?
◇台湾の歴史(その1)
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米国は、イランに対し電撃攻撃を行い、最高指導者のハメネイ氏を含む幹部たちを殺害しました。
その結果は、予想通り、ホルムズ海峡閉鎖による原油価格の高騰となって跳ね返っています。
トランプ大統領は「戦闘は早期に終わる」の強気発言を繰り返していますが、「オオカミ少年」ならぬ「オオカミ爺さん」になっているようです。
今号は、この話題から。
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┃★トランプ大統領の頭の中は? ┃
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「唐突」と表現するしかない米国によるイラン攻撃。
それも最高指導者を含む政権および軍事指導者40名を殺害したとされる報道には、さすがに言葉を失いました。
トランプ大統領はベネズエラへの電撃攻撃の成功(?)体験に味を占めたのか、イラン相手に、より過激な手段に出ました。
この突然のイラン攻撃は、敗北が濃厚と見られている米国の中間選挙の情勢を一気に覆そうとしたのではないかと言われています。
実際、今年秋の中間選挙において、下院での民主党勝利の確率は高いと思われます。
仮に、民主党が下院で過半数を制すれば、大統領弾劾決議を出す可能性があります。
上院は共和党がなんとか過半数を維持するのではと言われていますが、共和党の中から弾劾に賛成する議員が出る可能性があり、トランプ大統領の心理は穏やかではないでしょう。
こうした危機的状況を覆す手段が戦争であることは、古今東西の歴史が物語っています。
もちろん、大統領自身あるいは側近がそのような発言をしない限り、「そうだ」との断定はできませんが、その疑いは濃厚と言えるでしょう。
しかし、トランプ大統領の、この戦争判断には疑問符が付きまといます。
第一に、ベネズエラと違いイランは人口9000万人を抱える大国であり、古い歴史を持つ中東での存在感の高い国です。
最高指導者のハメネイ師の死亡はたしかに痛手ですが、これで政権が瓦解することはありません。
多数が殺害されたとはいえ、幹部が全滅し、指揮命令系統がなくなったわけではありません。
実際、ハメネイ師の次男のモジタバ師が後継者となりました。
彼の人物像は不明ですが、あの革命防衛隊の指導者だとする情報が流れています。
そうだとすると、前任者以上の強硬派と言えそうです。
しかし、暗殺攻撃を恐れて、未だに消息は不明で、肉声もありません。
イスラエルの情報機関モサドの諜報能力は世界一と言われていますから、その探索を恐れ、当分は深く潜伏したままだと思われます。
それでも、政権の指揮命令系統が瓦解していないことは確かなようです。
トランプ大統領は、イランの反体制派に蜂起を呼びかけましたが、現代をフランス革命が起きた中世の時代だと錯覚しているのではないでしょうか。
その昔と違い、国家が保有する軍事力が圧倒的に高くなった現代では、民衆が蜂起で政権を倒すことは、まったく不可能と言ってよいでしょう。
トランプ大統領が本気でこんな能天気なことを言っているとすると、彼の頭の中が心配になります。
この大統領の性格を考えれば当然なのでしょうが、「まもなくイランは降伏する」などと根拠のない強気一辺倒の発言を繰り返しています。
しかし、その時期はというと、発言は二転三転し、何の具体策も持ち合わせていないことを露呈しています。
イランの一般国民や周辺国での死者も増えてきて、少ないとはいえ、米兵の死亡も出ています。
それでも大統領の性格を考えると、「作戦は失敗だった」とは口が裂けても言えず、このままの状態がズルズルと続くことが予想されます。
19日からの訪米で開催される日米首脳会談で、高市首相はイラン攻撃に対する支持を求められ、自衛隊の派遣まで要求される可能性がありますが、曖昧にはぐらかす手腕を期待します。
日本とイランとの関係は良好で、エネルギー確保の面からもイランを敵に回すことは何としても避けるべきでしょう。
「猛獣使いのごとく・・」とは言いませんが、うまく切り抜けてくることを期待します。
米国のThe Economist誌が「戦略なき戦争」という記事を掲載しました。
その記事には、ブッシュ・ジュニア政権で国務長官を務めたコリン・パウエル氏が提唱した軍事ドクトリンのことが詳細に述べられていました。
ベトナム戦争では少佐として実戦を経験するなど、戦後の米国の戦争の多くに参戦した経験を持つパウエル氏の定義は明確です。
その代表的な例と挙げられるのが、以下の4カ条です。
(1)Clear Objectives (明確な目的)
(2)National Consensus (国民的同意)
(3)Massive Forces (圧倒的な兵力)
(4)Exit Policy (出口戦略)
パウエル氏は、この4カ条を満たしていれば、兵士たちは後顧の憂いなく戦えると言っています。
1991年、彼は「統合参謀本部議長」という軍トップとして湾岸戦争を指揮しましたが、この戦争は彼のドクトリンに沿って遂行されました。
それに基づき、当時のブッシュ大統領は国連決議を取りつけて多国籍軍を編成し、国際世論を味方に付けてからイラクに攻め込みました。
そしてサダム・フセインを倒す直前で兵を引きました。
結果として、戦争は短期で終わり、兵力の犠牲も民間人の犠牲も少なかったのです。
まさに、この4か条のお手本のような戦い方でした。
「それに比べて・・」と言いたいわけですが、この話、次回に続けます。
次回は、関税政策が米連邦最高裁判所に違憲と断定されてから、トランプ大統領の頭の中は、完全に“イカレ”てしまったかも・・という話を送ります。
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┃◇予算案が衆院通過、次は参院での論戦? ┃
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13日、衆院で与党の賛成多数により2026年度予算案が可決されました。
これで、16日からは参院での審議に移るわけです。
与党は2025年度内(つまり3月末)の成立を目指していますが、野党は審議時間が不十分だとして批判を強めています。
ただ、「時間不足」と言うわりには、衆院での野党からの質問は予算審議と関係ない項目が多く、単なる妨害工作にしか見えなかったのは私だけでしょうか。
衆院では、中道改革連合、国民民主、参政、チームみらい、共産の野党5党は予算案に反対しました。
一応、中道は予算の組み替え動議を提出し、中東情勢から来るエネルギー価格の高騰対策や防衛増税の撤回、赤字国債発行額の減額などを主張しましたが、当然のように否決前提での動議に過ぎません。
一方、衆院では「赤字国債を5年間発行できる特例公債法案」も可決されましたが、同法案には国民民主党や参政党、チームみらいが賛成しました。
つまり、これら3党は参院で賛成に回る可能性があるということです。
憲法の規定によれば、予算案は参院で否決されても参院送付後30日で自然成立しますが、その場合、成立は4月14日となり、年度内成立はできないことになります。
その場合、暫定予算の編成となりますが、高市首相は本予算の年度内成立にこだわっているので、どうしても野党の一部の協力が不可欠となります。
当然、衆院で特別公債法案に賛成した3党が政権の視野に入っているわけです。
一方、この3党には、それぞれに思惑があります。
最後までの反対はせず、何らかの条件を飲んでもらい自党の存在感を示そうと考えています。
その反面「与党にすり寄った」との批判を受ける可能性を考えて“考えあぐねている”というところでしょうか。
与党の第一ターゲットは、もちろん国民民主党です。
ガソリンの暫定税率廃止や「103万円の壁の引き上げ」とかの実績もあり、水面下での交渉(軽油税の臨時軽減など)は既に始めていると思われます。
しかし、年度内ギリギリまで、この駆け引きは続くことでしょう。
その間隙を縫い参政党やチームみらいが“抜け駆け”を狙って動くことも当然、考えられます。
今回、高市政権が国民民主党からの「衆院決議を16日に延ばせば・・」の秋風を蹴ったということは「勝算あり」と踏んだということであり、その結果に注目です。
本メルマガの次回(3月31日号)は、経営・経済の話題をお送りする予定ですが、参院での顛末を中心に、この続きをお送りしようと考えています。
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┃◇台湾の歴史(その1) ┃
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台湾は東京から飛行機で2時間半ぐらいの近場にあり、料金も往復で25,000円ぐらいというリーズナブルなこともあり、訪れた方も多いのではないでしょうか。
その台湾の領有権を中国が主張して、軍事侵攻すら否定していません。
しかし、共産中国が台湾を領有した事実はなく、現在の台湾は民主主義の独立国家だといえます。
もちろん、台湾国民が共産中国に併合されることを望むのであれば、反対する理由はありませんが、民主主義を享受している国民が共産党一党独裁の政治を望むことは、ほぼ無いといって良いでしょう。
では、歴史上、台湾が中国本土の政権の支配下に入ったことは無いのかというと、そうではありません。
中世の明の時代、そして近代の清の時代に版図に組み入れられたことがあります。
ただ、それを理由にしたら、現代の韓国も北朝鮮も中国のものとなってしまいますし、米国も英国のものだとなってしまいます。
国連に議席を持っているのは共産中国だからと言う意見もありますが、国連の議席を持たない独立国は他にもありますから、それも無理があります。
国家体制が水と油ぐらい違うのですから、現代の台湾は一つの独立国家だと呼ぶのが妥当ではと思います。
それで、台湾の歴史を少し調べてみました。
すでにご存じの方には、復習と思って読んでいただければと思います。
台湾は、中国において、古くから『東海にある島』として認識されていました。
ここで言う「東海」は東シナ海のことであり、韓国が日本海を「東海」と呼んでいることとは違い、歴史的な根拠があります。
この島(以降、台湾と呼びます)が中国の版図に編入されたのは、確実な記録では明朝の時代で16世紀ごろです。
しかし、当時の台湾は倭寇の根拠地の一つであり、明朝の支配下にあるとは言い難い状況でした。
そうしたこともあり、明朝から放置された状態でした。
17世紀に、オランダの東インド会社が勝手に台湾に進出しましたが、明朝政府は相変わらず放置したままでした。
「台湾(Taiwan)」という名称は、その頃誕生したと言われています。
17世紀の中頃、日本の歴史にも登場する鄭成功(てい せいこう)が台湾からオランダを駆逐し、政権らしきものを打ち立てました。
彼は日本の長崎・平戸の生まれで父は中国人でしたが、母は日本人でした。
つまり、日中の混血児だったわけですが、7歳で父の故郷の福建に移りました。
その頃の中国は、弱体化していた明が滅び、順という国が立っていましたが、北方の満州民族の清に攻められ、順はあっけなく滅んでしまいました。
ただし、中国は広大です。
福建がある南方では清の支配力は弱く、漢民族である明の末裔が亡命政権を作り清に抵抗を続けていました。
成人した鄭成功は、この明の亡命政権であった隆武帝に謁見し、国姓である「朱」を送られました。
しかし鄭成功は、自身の性にこだわり、その名前は使いませんでした。
それでも、彼は「国姓を賜った人」という意味で、巷からは「国姓爺」と呼ばれました。
江戸時代、近松門左衛門が書き人形浄瑠璃や歌舞伎の演題になった「国姓爺合戦(こくせんやかっせん)」は、この時代の鄭成功のことが描かれていて、現代まで上演されています。
つまり、彼は台湾のみならず現代の中国でも英雄として扱われているのです。
このように、彼は日本との関係も深い人物なのですが、続きは次号で。
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<編集後記>
高市首相は、難しい国際情勢の中での米国訪問そしてトランプ大統領との首脳会談です。
外交に精通している茂木外相との連携で、この難しい状況をどう乗り切るかに注目です。
この結果は、我々中小企業にも影響する大事ですから、野党も足を引っ張るのではなく協力して欲しいものです(無理か?)。
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