2019年3月31日号(経済、経営)

2019.04.01

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2019年3月31日号
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発行日:2019年3月31日(日)
 
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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           2019年3月31日号の目次
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★英国の迷走に考える(政治の話ですが・・)
★物理法則を無視する「再生可能エネルギー」に明日はない
◇外国人受け入れで犯罪大国になる?
☆企業における社長の力(9)
 
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
 
今年の4月~5月は10連休とか。
通常の年より休みが3日増えるわけで、稼ぎに直結する中小企業にとっては、歓迎とはいきませんね。
私も、そうした中小企業の“オヤジ”なので、「仕方ない」が正直な気持ちです。
 
自分個人は、溜まっている仕事を一気に片付ける時間が出来たと割り切り、頑張ります。
子供の頃から身に付いた「貧乏性」は、一生治ることが無いようです。
「働き方改革=休むこと」には、どうしても馴染めない自分がいます。
 
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┃★英国の迷走に考える(政治の話ですが・・)            ┃
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EU離脱で迷走している英国を見ていると、民主主義の制度疲弊を感じます。
かと言って、独裁政治や共産主義が良いとは、とても言えません。
なんとか民主主義を進化させる道を模索していくしかありません。
 
英国の制度疲弊は「議会制度」の疲弊ですが、トランプ大統領を生んだ米国は、「自分だけ良ければよい」という「わがまま民主主義」に“はまり込んで”しまっています。
 
どちらも、大統領や議会という政治のリーダー層の質の低下がもたらした現象です。
(イコール選挙民の劣化といえますが)
顕著なことは、経済を無視した政治になっていることです。
 
日韓関係を最悪な状態に落としめている韓国も同様、経済を無視した政治で迷走しています。
前大統領を引きずり下ろし、獄舎につないだ「ローソク・デモ」を「あれこそ民主主義」と評価した日本の評論家もいましたが、そうでしょうか。
たとえ、100万人のデモであろうが、人口の2%です。
それで政権が覆ることが民主主義とは、とても思えません。
その昔、日米安保条約改定の反対デモが国会を十重二十重に囲んだ時、当時の岸首相が有名は言葉を吐きました。
「私は、国民の声なき声を聞く」
岸首相を評価するわけではありませんが、あの言葉は名言と言っても良いと思います。
 
民主主義は経済的にはプラス面が大きい制度です。
ですが、富の偏在を招き、それが政治への不満に発展します。
そして、民主主義の旗印は、簡単に大衆の暴力に結びつく欠陥を包含しています。
誤解されるでしょうが、私はデモが嫌いです。
たとえ、整然とプラカードを掲げ行進するだけのデモでも、居合わせると威圧感を感じます。
その威圧感が狙いだとすると、それも暴力的行為だと思うのです。
選挙という手段で一人ひとりの意思を表明することが民主主義ならば、その選挙を待つしかないのです。
 
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┃★物理法則を無視する「再生可能エネルギー」に明日はない      ┃
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2017年度の統計ですが、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、バイオマス)の全発電量に占めるシェアは8%です。
水力(7.6%)を含めれば15.6%となります。
火力が圧倒的で81.6%、原子力は2.8%に過ぎません。
 
再生可能エネルギーのメインとされる太陽光は5.7%ですが、2014年が1.9%ですから、その伸びは突出しています。
しかし太陽光は、夜間は発電できないし、天候に大きく左右されます。
発電量が不安定な送電は、送電網を痛め停電につながるため、その調整のため、火力を常に稼働させるという二重化が必要になります。
 
さらに問題は、採算がまったく合わないことです。
2012年7月に始まった再生エネルギーの固定買い取り価格は42円/キロワット時という経済性をまったく無視した金額で始まりました。
案の定、この金額を維持できず、どんどん下がり、2019年度は14円になります。
しかし、42円で始めたソーラーシステムは10年間42円が保持され、さらに、下げられたとはいえ、段階的な下げだったため、その後も爆発的に増えてしまいました。
しかも、電力料金との差額は、一般家庭の料金に上乗せされています。
その一般家庭の負担額は、2012年には約1300億円でしたが、18年度には約2兆3700億円と跳ね上がっています。
問題は、いったい、どれだけの国民がこの事実を把握し、「それでも再生エネを推進すべし」との意思を持っているかです。
実態を知ったら、多数意見になるとは思えません。
 
太陽光発電は、太陽から届くエネルギー以上の発電はできません(当然ですが・・)。
また、物理的に100%の効率でエネルギーは取り出せないし、天候にも左右されます。
その結果、設備利用率は、計画出力の15%程度にしかならないのが実態です。
 
それを面積でカバーしようと、200~450ヘクタールという気の遠くなるような面積のメガソーラー計画が持ち上がっています。
広大な山林を切り開き、60~80mもの高さの尾根を削り取る必要があります。
「自然を壊して」作る自然エネルギー発電という「笑えない」話をどう考えたらよいのでしょうか。
 
ソーラー発電は、補助金と一般家庭の負担がなければ成り立たない、事業とは言えない代物です。
そんなこと百も承知の業者は「いま儲かればいい。あとは野となれ山となれ」と、欲望だけをたぎらせています。
法律が正常に戻れば、日本中に打ち捨てられたソーラー設備が無残な姿をさらすでしょう。
 
安倍首相が、国会で「あの悪夢のような民主党政権」と発言して野党の反発を招きましたが、この再生可能エネルギーの買取り制度を始めたことに限れば、首相の言葉どおりです。
しかし、この悪夢は、まだ終わっていません。
悪夢と認識しているならば、首相は、早急にこの悪夢を終わらせるべきではないかと思います。
 
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┃◇外国人受け入れで犯罪大国になる?             ┃
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「外国人をこれ以上受け入れると犯罪大国になる」と主張する人たちがいます。
欧米のテロ事件の報道に接すると、その悲惨な状況と恐怖に、そう叫びたくなる気持ちはわかりますが、短絡的な思考は危険です。
 
ここで、逆のことを考えてみました
先の戦争中、米国の日系人たちは「反米行動に走る危険が大きい」として、財産を没収された上、強制収容所に隔離されました。
米国籍を持つ二世たちも同様の扱いを受けました。
いかに戦争中とはいえ、理不尽だったということで、1988年レーガン大統領が通称「日系アメリカ人補償法」に署名し、連邦議会が日系アメリカ人へ謝罪し、生存者への損害賠償を行いました。
その後に追加賠償も行われ、1999年に最後の支払が実施され賠償は終わりました。
 
ここで言いたいのは、そうした補償のことではなく、次の2点です。
まず1点目。
日系人の隔離は、日本とアメリカが戦争になったことで始まりました。
当時の米国人の多くが「日系人が手引きして日本軍が米国に上陸してくる、あるいは破壊活動を行う」と思ったのです。
米国のマスコミも国民を煽る報道を繰り広げました。
「日本は、天皇ヒロヒトをホワイトハウスの椅子に座らせようとしている」と一面に書いた新聞も現れました。
当時の日本で、そんなことを考えている人は一人もいなかったと断言しても良いくらいなのに、海の向こうではそんな話が“まことしやかに”流布していたのです。
その声に押される格好で、当時の米国政府が日系人の隔離を決めたのです。
時のルーズベルト大統領が、有色人種嫌いだったと言われていますので、そんなことも影響したのかもしれません。
その話は、今のトランプ大統領にも通じる話で、アメリカの深い病根ともいえます。
 
2点目は、いったん移民を敵視する方向に動けば、その修復に長い時間がかかるということです。
日系人の隔離が始まったのは1942年ですから、その修復には50年の歳月がかかったことになります。
この愚を犯してはなりませんが、今の日本には危うい点が随所に見られます。
 
外国人を単なる労働力としてではなく、日本人と同等の存在として処遇する企業も増えてきていますが、まだまだ少数派です。
 
また、送り出すほうの国々には人権に対する意識が低い国が多く、闇ブローカーが暗躍する土壌が問題になっています。
技能実習生の大量脱走の裏には、そうしたこともあると思います。
ただ、こうした問題への対処は企業には荷が重く、日本政府が送り出す側の国と連携して解決策を作っていくしかありません。
 
日本で働く外国人が増えれば、どうしても犯罪する者も出てくるでしょう。
でも、彼らは様々な思いを持って日本での就労を望んで来日してきたのであり、来ようとしているのです。
そうした思いを受け止め、健全な働きや生活を送れるようにすることは、雇う側の企業責任です。
外国人を犯罪者扱いの目で見るのではなく、積極的に受け入れる企業として成長していきたいと願っています。
 
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┃☆企業における社長の力(9)                   ┃
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それは、まさに山の稜線からの転落でした。
いきなり売上が半減し、とんでもない赤字になり、翌年度も赤字は止まりませんでした。
銀行は手のひらを返し、融資どころか資金引き上げを通告してきました。
さすがに打つ手もなくなり、倒産を覚悟しました。
深夜、一人で会社に残り、考え続けました。
しかし、倒産以外の道は見つかりませんでした。
でも、「体を動かそう」と思い、会社の中を歩き回っているうちに、考えがまとまってきました。
 
「どう考えても倒産は免れない。だが、どんな事態でも最悪の策と最善の策がある。ならば、倒産にも良い倒産と悪い倒産があるはずだ。どうせ倒産するなら『良い倒産』をしてやろう」という考えが浮かんできたのです。
 
不思議と気持ちは落ち着いていました。
そして考え続けました。
「最悪の倒産とはなんだろう? それは自殺することだ。死を選択する経営者は多いが、残された者に計り知れない心の傷を与える最も悪い倒産だ」
「では、最善の倒産とはなんだろう。迷惑を掛ける相手を冷静に判断・選別し、倒産の影響を最小に抑えることではないか」
そう考えをまとめました。
 
まず、迷惑を与える相手を考え、優先順位を付けました。
これはすぐに決められました。
第一が「お客様」、そして第二が「従業員」です。
その二つだけを救う方策を考えました。
そして、こうした事態を誰に最初に話すべきかを考えました。
これも、すぐに決めました。
それは、一番取引きの多い販社でした。
 
そこまで考えをまとめたら急に眠くなり、そのまま朝まで寝てしまいました。
そこが自分の図太さかもしれませんが、ぐっすり寝ただけではありません。
販社に行く前に、新規の営業先に寄って、一生懸命売り込みの話をしたのです。
本気で営業したのですから、少々呆れる話です。
 
それから販社に向かい、担当の営業部長さんに倒産する話をしました。
さすがに部長さんはびっくりして、「自分では判断できないので、少し待ってください」と言い、中座されました。
やがて、営業トップの常務さんを伴って現れました。
 
社員数5千人以上の会社でしたから、常務さんとは初対面でした。
私は、持参した決算書や経営資料を見せ、資金繰りが詰まり、倒産するしか道はなくなったと言い、
次のような提案をしました。
「うちのお客様をすべて引き取っていただけませんか。また、使える社員がいたら雇っていただけませんか。見返りに、弊社のソフト商品の版権のすべてをお渡しします」
こうした提案でした。
 
さて、常務は何と言ったか。それは次号でライブ風にお送りします。
 
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<編集後記>
高校野球のサイン盗みが問題になっていますが、昔は当たり前の光景でした。
大昔、私も高校球児でしたが、誰も問題にはしていませんでした。
相手のサイン盗みを逆利用して、ニセのサインを出すなどの工夫もしていました。
高野連は1999年に禁止したということですが、やはり高校球児だった息子に聞いてみました。
彼は32歳なので、禁止通達以降に高校野球をやっていましたが、「どこでもやっていたよ」との返事。
実際、ランナーの動作で違反判定するのは困難です。
この禁止は意味が無いのではと思ってしまいました。
「高校野球が純粋」などとの幻想は、そろそろ終わりにしたほうが良いのでは。
 
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