2017年12月31日号(経済、経営)
2018.01.17
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2017年12月31日号
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発行日:2017年12月30日(土)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2017年12月31日号の目次
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★新東名の制限速度引き上げ、これはお笑いか?
★中国は底なし沼か
◇日本経済は新次元の入り口にある(その6)
☆短期的変動に備える経営へ(12)最終回
これからの商売(8):総括
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こんにちは、安中眞介です。
今号は経済、経営の話題をお送りします。
今年最後のメルマガになりますので、少し羽目を外してお送りします。
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★新東名の制限速度引き上げ、これはお笑いか?
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新東名の特定区間の制限速度が100km/hから110km/hに引き上げられた。
一瞬だけニュースになったが、それ以降、世間は無視。
そりゃ、そうだ。
引き上げといっても、わずか10km/h。
いかにも「日本的」で、笑っちゃうしかない。
自分も、新東名は何度も走ったが、道路の出来が良いのか全くスピード感がなく、気が付くとメーターは140km/h。
「危ない、捕まる!」と速度を抑えるのに一苦労。
それでも、感覚としては、せいぜい110km/h程度。
リミッターが働く180km/hに達しても走りは安定。
日本の道路施工の技術につくづく感心するばかり。
「もったいない」と、110km/hの制限速度にため息が出る。
自分の車のオートクルーズの設定上限は115km/hなので、この速度では、正直「かったるくて、気分が悪い」。
ベンツのS600でドイツのアウトバーンを走っている知人は、「自分の車のオートクルーズの上限は250km/hだよ」と平然と話す。
そんな言葉を聞くと、日本の現状に、かなり「みじめ」な気持ちにさせられる。
高速道の制限速度の問題は、「過保護大国」日本を象徴する話だ。
あらゆる面で日本はどんどん過保護な国になっているのに、国民の要求は「もっともっと」とエスカレートする一方。
「少しは、自分で努力しろよ」と言いたくなる。
そうした過保護の影で、本当に保護しなければならない弱者は見捨てられる。
国家の防衛すら「米国の過保護」の下に甘んじているのだから、救いようがない。
まず自力で防衛する力を付け、他国と対等な関係で同盟を結ぶという独立国家としての矜持が全くない。
沖縄の基地問題は、日本の防衛戦略を根本から変えない限り解決はできない。
そんなこと、分かりきったことではないか。
家庭は家庭で、ひ弱で頭でっかちな子にしようと、親はやっきになっている。
来るべき世は弱肉強食になると自覚して、子供を、そして若者を育てあげよ。
たとえ、無法が支配する世の中になったとしても、生き抜く力を付けさせるため。
日本で速度無制限のアウトバーンが出来る日を望んでいたが、しかし・・
永遠に来ないか(ため息)。
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★中国は底なし沼か
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★中国は底なし沼か
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神戸製鋼所などのメーカー製品の不正が騒がれているが、中国通はこんなことを言う。
「中国では鉄鋼メーカーがデータを改竄してもこんなに騒ぎになることはない。一方で『これは当社の検査で合格しました』と言ってきても眉唾ものばかり。極端な話、日本の製品は中国製品に比べて2倍安全だといっていい。特に人の命にかかわるような製品に関して、中国製が日本製にとって代わることは当分ない」
ところが、日本のマスコミや評論家は、以下のように言う。
「組織ぐるみの偽装が明るみに出たと思ったら、次の日も新たな不正のニュースが新聞紙面を賑わせる。大手鉄鋼メーカー・神戸製鋼所で発覚したデータ改竄事件は、まるで底なし沼だ」
さらに、こんな評論まで出る。
「中国の粗鋼生産量は日本の5倍強あり、深刻な“鉄余り”に陥っている。これまでにも実際にあったことだが、向こうの鉄鋼メーカーが神戸製鋼の不祥事のスキをついて売り込みをかけてくることは十分あり得る」
先の中国通の意見と、どっちが真実を突いているかは解説するまでもない。
ところで、中国のバブルが弾けると言われながら、もう何年も崩壊が起きない。
その理由は簡単である。
まず、国家が全てを統制していて、強引に崩壊を防いでいる。
さらに、14億人という想像を絶する市場の深さがある。
現在、中国経済発展の恩恵を受けているのは、このうちの3億人程度と言われている。
一方で、3億人が下層へと沈んでいっている格差社会である。
計算では、中間にいる8億人が完全に上下に分かれて超格差社会が出来上がった時が頂点で、そこから一気に崩壊へ向かって落ち込むことになる。
それがいつになるかはわからない。
そのくらい中国経済は底なし沼のように深い。
ゆえに、落ち込み始めたら、逆に底のない落ち込みとなるであろう。
習近平政権による大々的な腐敗撲滅運動は、単なる権力闘争ではない。
格差経済の頂点を強引につぶして、経済崩壊を防ごうとしているのである。
習近平政権が推し進めている「一帯一路」は、この底なし沼をアジア全域からアフリカや欧州にまで広げていこうとする戦略である。
そのことで、中国経済は永遠に発展すると確信しているのであろう。
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◇日本経済は新次元の入り口にある(その6)
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前号で、「新次元の経済に入るためには、出来る限り早く若い人たちに主導権を渡す必要がある」と書きましたが、「シニア世代は引っ込め」と言いたいのではない。
私とて、その世代なのであるが、まだまだ働きたい。
今の日本、「少子高齢化」で騒いでいるが、少し騒ぎ過ぎではないか。
やがて若い人一人が老人一人を支えなければならない「おんぶ社会」が来るとか、不安を煽る報道や論評ばかりが増えている。
ちょっと考えれば分かることだが、それらの現象を煽っているのは、人々の不安を「メシの種」にしている人たちである。
不安を煽るだけで、解決策や生きていくノウハウを教えてくれるわけではない。
たぶん、実際に親の介護で苦労している人もあまりいないのではないか。
何歳になろうが、病気にでもならない限り、働けばよいのである。
いや、たとえ病気になっても、気持ちを強く持ち、考え抜けば、働けるのである。
最近の「働き方改革」に違和感を持つのは、働くことを「悪」と捉えていることにある。
働くことを「強制されるイヤなこと」と決めつけていることにある。
明治以降の日本は、欧米を模範として追いかけてきたことで、いつしか欧米の価値基準が「善」であるとの錯覚を持ってしまった。
しかし、よく考えてみれば分かるが、欧米は奴隷制度によって経済を作ってきた社会である。
古くは、戦争で破った国の国民を奴隷として使い、帝国主義の時代は、植民地を奴隷とし、富を収奪してきた。
そして、近代は、開発途上国からの移民を奴隷として扱ってきた。
ゆえに、働くことは「奴隷の仕事」との意識が深く浸透しているのである。
だから、当然のように、自分たちの働く時間を短くすることが「善」なのである。
そして、それが可能なのは、植民地から簒奪した莫大な富の下敷きがあり、底辺労働を支えている移民がいるからである。
日本は、明治以降、そんな欧州を手本として必死に追いかけ、そして失敗した。
なのに、まだ欧州を理想の国家とするのか。
そこから解き放たれて、新次元の入り口に向かうことが、これからの日本である。
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☆短期的変動に備える経営へ(12)最終回
「これからの商売(8):総括」
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全く新しいビジネスを考えるのは難しい。
また考えついても実行するのは難しいし、成功させるのはもっと難しい。
IT時代に入って、GoogleやAmazonのように大成功したビジネスが出ていますし、YouTubeやツイッターのように、次々と成功例が生まれています。
しかし、その成功確率は1%も無いのが現実です。
私は創業してから27年経営をしていますが、なんとか成功したと思えるビジネスは、ほんの僅かです。
逆に失敗例は数え切れないくらいです(本当は、数えるのがイヤで、数えたくないのですが・・)。
幾つかの会社を自社の傘下に置いたりもしてきましたが、全て失敗と言ってよい結果に終わっています。
そんな私が経営の話をするのは少々気が引けますが、「失敗は成功の母」という言葉を信じて書き続けてきました。
この連載の最後に話したい「これからの商売」は、既存ビジネスの複合化です。
ある程度成功した既存ビジネスは、それなりに市場を捉えたはずです。
それらを組み合わせた商売は、まったくの新規商売より成功率は高くなると、単純に考えたのです。
実は、この複合ビジネス構想は、創業前から考えていたことです。
しかし、現実は食べることに精一杯で、その時々で食える商売を行ってきました。
とても、複合化を考える余裕はありませんでした。
ただ、ある先輩経営者に言われたことがずっと心に引っかかっていました。
「20年ぐらいやらんと、経営はわからんよ」
本当に20年ぐらい経った頃、複合ビジネスのことを考えられるようになってきました。
というと「経営も順調になってきたので・・」と思われるかもしれませんが、実際は反対です。
経営は悪化の一途を辿り、最悪な状態でした。
「こんな時に考えられるとは。ビジネスとは不思議なものだな」と他人事のように思いました。
その時までやってきた多様な仕事は、多くはサラリーマン時代の技術や経験がベースでした。
さらに、独立後の20年間で行なってきた新たな仕事がミックスしたことで、複合ビジネスを構想できるようになってきたのです。
でも、その時から7年が過ぎて、ようやく実現への目処が見えてきたのです。
「私が天才だったら、今頃は成功の美酒を・・」と思いますが、凡人は一歩一歩しか前に進めません。
いつしか、この年令になってしまいましたが、成功の日まで天が生かしてくれることを信じて歩き続けます。
構築中の複合ビジネスは、まだ公表できませんが、来年は公表できると思います。
その時まで少しお待ち下さい。
<編集後記>
2年前の慰安婦合意を覆そうとする韓国に、日本人は怒るというより呆れ返っています。
私は韓国とも仕事をしてきましたが、最後は、いつも約束を反故にされてきました。
彼らの基準では、約束とか合意とかは、その時の事情や感情によって、重さが変わるようで、約束を守る意識は低いと確信しました。
数年前、契約を反故にされたことで、私は、韓国とのビジネスは二度としないと決めました。
国家間の付き合いも同様になりそうですね。