2026年6月15日号(国際、政治)
2026.07.01
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年6月15日号
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発行日:2026年6月15日(月)
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2026年6月15日号の目次
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◇イラン情勢と中東の行く末
◇米中首脳会談、その後
◇平和は商売道具なのか(後半)
<HAL通信アーカイブス>http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は国際問題、政治問題をお送りします。
トランプ大統領は、日本時間15日に「イランと戦争終結の合意が成立した」とSNSで発表しました。
数日前から「和平覚書を14日に署名」と言い続け、日本時間今朝早くの電話インタビューでも「2、3時間以内に署名される」と執念を燃やしていました。
どうしても自分の誕生日(14日)に「署名した・・」と言いたかったようで、その執念には感心するばかりです。
今号は、中東の行く末から始めます。
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┃◇イラン情勢と中東の行く末 ┃
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米国による突然の攻撃で始まったイラン戦争ですが、トランプ大統領がイスラエルに背中を押されたことが今では明らかになっています。
しかし、「だからイスラエルが悪い」とは言えません。
共和党の後ろにはユダヤ系の大富豪たちがいます。
同党は、彼らの莫大な資金力がなければ選挙を戦えません。
しかし、彼らはMAGA派のような熱烈なトランプ信者ではありません。
彼らは、自分の商売がすべてです。
民主党のほうが有利だと考えたら、すぐに鞍替えします。
現在の彼らはトランプの奔放さと無責任な言動には辟易し出しています。
そのことが選挙の予想に出てきて、トランプはかなり焦っています。
一方、イスラエルは周囲を敵対する国に囲まれている小国です。
ハリネズミのように強力な軍事力で武装し、核兵器を所有していると言われていますが、同国の立場に立って考えれば「無理もない」と言わざるを得ません。
現在、周辺国で同国を承認しているのはエジプトだけですから。
もう「過去のこと」のようになりつつありますが、
イスラエルの野外音楽フェスティバルをガザ地区を支配していたイスラム組織ハマスが襲撃し、360人以上の死者と多数の民間人が拉致された悲劇が起きたのは2023年10月です。
あの襲撃の背景にハマスを支援するイランがいることは誰もが知るところです。
当時のイランは焦っていました。
「サウジアラビアがイスラエルを承認する」という情報がイランにもたらされたからです。
イランは「それはマズイ、阻止せねば」となり、ハマスを動かしたのがあの惨劇の背景です。
表面的には、この“たくらみ”は成功し、サウジの腰は引け、イスラエル承認は白紙になりました。
その反対にイスラエルは、サウジの承認で同国への脅威が減ると油断したことを悔いましたが、逆に利用することに考えを切り替えました。
そして、“やり過ぎ”といえるほどの猛攻撃をガザ地区に対して行いました。
また、ハマスだけでなくイスラエルに敵対する勢力への無差別ともいえる攻撃を激化させました。
しかし、軍事強国とはいえ、イスラエルにイランとの全面戦争を遂行できるだけの力はありません。
そこで、背後からトランプ大統領を動かした結果が突然のイラン攻撃だったわけです。
イランは当然反撃し、イスラエルだけでなく湾岸諸国にある米国の軍事基地まで攻撃しました。
ただ、我々が注目すべきは、これらイランによる一連の攻撃はポーズである意味合いが強く、
軍事的効果はほぼ無いという事実に対してです。
現在の実情は、米国とイラン双方とも疲れ切っています。
米国ではガソリン価格をはじめとする物価高騰でインフレ懸念が強まってきています。
トランプ大統領が指名したFRB(連邦準備制度)のウォーシュ新議長は、利上げを期待する債券市場と利下げを要求する大統領との板挟みに苦しんでいます。
こうした経済事情が秋の中間選挙で与党共和党への悪影響を及ぼすのは当然です。
一方のイランは、もちろん軍事・経済の両面で相当に疲弊しています。
こうした両国の事情から今回の合意が成ったわけですが、この合意の実効性にはかなりの疑問符が付いています。
でも、世界は両国の実行を注視していくしか手はありません。
まずは、イランによるホルムズ海峡の解放ですが、機雷が残っていればその除去が第一の課題となります。
日本の機雷除去能力の高さは世界が認めるところですが、日本への要請があるかどうかは、現在のところ全く分かりません。
もう一つ、イランの核開発計画が大きな課題となっていますが、その話は次の機会に。
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┃◇米中首脳会談、その後 ┃
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歴史的な首脳会談だったはずですが、1か月ですっかり色あせてしまった感があります。
習近平主席は、トランプ大統領に「トゥキディデスの罠」の話をして、「衰退した米国に代わって中国が取って代わる」という示唆を匂わせたようです。
しかし巷の噂では、トランプは「トゥキディデスの罠」の話を知らなかったようで、習近平の空回りだったと言われているようです。
「トゥキディデスの罠」の話をご存じの方は多いと思いますが、簡単な注釈を。
この話は、既存の覇権国に対し、急速に台頭してきた新興国が力を付け、やがて互いの恐怖や猜疑心がエスカレートしていき、避けられない戦争に陥いる現象を指す国際政治学上の概念です。
中国(というより習近平)の思惑は単純です。
今や格下となったロシアを従え、米国を共通の敵と明言し、ついでに日本を「脅威」と名指しして牽制する。
つまり、東アジアの安全保障環境から米国を遠ざけ、中国が主導する地域だと世界に認めさせることにあります。
その戦略の一番の邪魔者は日本です。
岸田、石破内閣当時の日本は、こうした中国の思惑の協力者(手下?)として機能していました。
しかし、高市首相になって日本の態度は180度変わりました。
その象徴が台湾有事発言だったわけです。
なぜ、中国があれだけ執拗(というより異常)に高市首相を攻撃し続け、日本の野党を使ってまで発言撤回を要求し続けたのか。
それを冷静に分析すれば、中国の焦りの程度が分かります。
中国が台湾進攻を諦めていないことは明白であり、不安定なトランプ大統領を揺さぶる手を緩めることは、これからもないでしょう。
中国側からすれば、台湾進攻の最大の障害は米国であり、次が日本です。
トランプ大統領は、米中首脳会談において台湾への武器売却の実行を明言せず、保留するとまで発言しました。
台湾側の衝撃は大きく、同国の政局が不安定化する兆しすら表れています。
議会の過半数を握る野党の国民党は、中国へのすり寄りを加速させています。
同党の鄭麗文(ジェンリーウェン)主席は6月初旬に訪米しましたが、トランプ大統領だけでなく政権の要人にも会えずに目論見は外れました。
米側は彼女を「中国の代理人」と受け止めたようです。
一方の頼清徳(ライ・チントー)総統も米国をつなぎ留めることに必死ですが、その過程で日本にかなりの期待を寄せています。
日本は、高石政権に代わってから自らの立ち位置を明確にしています。
頼清徳総統にとって、高市首相の台湾有事発言は苦境の中での光と映っているはずです。
さらに武器輸出三原則の見直しも力になっているはずです。
中国の習近平主席にとっての悪夢は、米国と日本が共同で台湾進攻を止めるというシナリオが現実化することです。
であれば、その悪夢を「正夢」にすることが、台湾海峡および日本の平和にとって何よりも大事であることは明白です。
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┃◇平和は商売道具なのか(後半) ┃
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前半で述べたように、戦争で犠牲になるのは若い兵士や一般国民です。
ゆえに、戦争は避けるべきなのですが、強大な敵国が軍事攻撃してきた場合は、どうするのか。
平和を商売道具にしている方々の思考は単純なようです。
侵攻してきた相手に対し「戦争はいけないよ」と説得することに尽きるようです。
しかし、相手が納得しなければ、黙って殺されるか奴隷になるしか道はないわけです。
16世紀、南米で繁栄していたインカ帝国は、わずか160名のスペイン軍によって滅ぼされました。
スペイン軍は皇帝に謁見中、いきなり皇帝を人質に取りました。
そして、宮殿の衛兵たちに「武器を捨てろ、さもないと皇帝を殺す」と脅し、武器(といっても槍や刀だけでした)を捨てさせました。
さらに皇帝解放の条件として莫大な金銀財宝を要求しました。
平和だったインカの人々は、それで皇帝は解放されると思ったようですが、すべてを手に入れたスペイン軍は、皇帝を殺し、インカの人々の虐殺を始めました。
壮麗な文化を築いた帝国は、たった160名の重武装のスペイン軍によって、この地球から消え去ってしまったのです。
近代でも、同様の例は枚挙に暇がありません。
ウクライナ戦争において、無抵抗でロシア軍に蹂躙され、惨殺されたウクライナの人々の悲劇はつい最近のことです。
ロシアに連れ去られた子供たちのことを世界は忘れかけているが、彼らの中には将来、故国ウクライナを攻める兵士に仕立て上げられる子供がいる可能性を考えると、その悲惨さには言葉がありません。
今の中国を、平和を希求する国家だと主張する人は少数派でしょうが、皆無ではありません。
中国は、2500年後の現代でも通用する「孫子の兵法」を生んだ国であり、卓越した戦略思考を育ててきた国でもあります。
習近平主席に、そうした聡明さはまったく感じませんが、幹部には優秀な者が大勢います。
願わくは、彼らが孫子の思想を正しく解釈し、無意味な侵略戦争を起こさないで欲しいと考えます。
しかし、現在の中国が侵略を諦める可能性はほぼゼロです。
平和団体に所属する人たちがすべてそうだとは言えませんが、「平和」を商売道具にしている人や団体もいます。
他に収入や資産をお持ちで、本当にボランティアで活動されている人が私の知人にもいます。
それは確かに崇高な意思で尊敬しますが、その一方で、平和活動を商売にしている人や団体がかなりあることも事実です。
でも、彼らも人間ですから「霞を食べて生きる」わけにはいきません。
なので、合法の範囲内であれば、何も言えません。
私の学生時代、学生運動の嵐が吹き荒れ、一時、全国で8割の大学が休校状態となりました。
私が通っていた大学も例外ではなく、暴力も起きていました。
あの運動も最初は「平和」や「民主」を唱えていましたが、やがて暴力の萌芽が見られるようになってきました。
中心にいた学生たちは「平和のためなら暴力行為も許される」という矛盾する理論を正当化するようになり、犯罪行為や暴力に走っていきました。
家でテレビを観ていた時に「内ゲバ殺人で指名手配」というナレーションとともに高校時代の友人の顔が画面に映ったときの衝撃は忘れることができません。
正義感の厚い人間で平和の大事さをよく語っていましたが、どこかで裏返ってしまったようです。
「平和」という言葉は「戦争」と同等に危険な言葉なのです。
ここまで人生を歩んできて、トルストイが「戦争と平和」で語りたかった意味を考えるようになっています。
戦争と平和も「二律背反」の典型的な事例なのですね。
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<編集後記>
サッカーワールドカップ初戦のオランダ戦、ドローを予想していましたが、当たりました。
点数までは当たりませんでしたが・・
結局、この2チームが決勝トーナメントに進むでしょう。
日本は、2回戦のラウンド16までは行くと思いますが、さすがにその先は分かりません。
なんとかベスト4をと思っていますが、難しいかな・・
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