2026年9月30日号(経済、経営)

2026.09.30

HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年9月30日号
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発行日:2026年9月30日(水)
いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2026年9月30日 号の目次
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◇AIは人類を滅ぼすか?
◇骨太の方針2026の中身(2)
◇新車陸送の世界(17)
http://magazine.halsystem.co.jp
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
私は以前から、世界は最終的にターミネータの世界(ロボットが人類を駆逐する)になるか、マトリックスの世界(人類はすべて深層睡眠状態の仮想現実に閉じ込められている)になると言ってきました。
それが現在、「AIの発達で人類は滅びる」という声が出始めているようです。
世界的に名を知られる識者たちも、同様の発言やSNS投稿を繰り返しています。
我々の世界は、いったいどうなっていくのでしょうか。
AIは大きなテーマですので、今回だけでなく本メルマガで適宜取り上げていく予定です。
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┃◇AIは人類を滅ぼすか?                                                                 ┃
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2026年現在、人間の脳細胞のような半導体チップはまだ生まれていません。
ですから、現時点でAIと言われているのは、ソフトウェア(つまりプログラム)の世界の話に留まっています。
ゆえに私は、AIツールとかAIソフトと呼んでいます。
つまり、AIは、まだソフトウェアのアルゴリズムの世界に留まっているわけです。
将来、人間の脳細胞のような半導体チップが生まれた時に「ついに真のAIが生まれた」となるでしょうが、私が生きている間は「無理だ!」と断言します。
そこで、漫画家の手塚治虫が描いた「火の鳥」という未完の大作が予言した世界から、考えてみようと思いました。
この作品は、ストーリー構成からして異次元でした。
第1巻「黎明編」は、日本の黎明期、邪馬台国から始まります。
そして、第2巻は、いきなり人類滅亡の世界という展開です。
その後、第3巻は邪馬台国の次の時代、第4巻は人類滅亡の少し前の時代、人類が宇宙へ広く展開している時代、そして第5巻は仏教伝来の時代というように、過去と未来を行ったり来たりしながら物語が進行するという独創的な展開でした。
今号で取り上げるのは、人類の終末を描いた第2巻です。
この世界では、人類は東西2つの陣営に分かれて激しく対立しています。
そして、両陣営とも最高権力は、人ではなく巨大なコンピュータが握っています。
この両首脳(AIコンピュータ?)は、ほぼ同時に相手への核戦争を命令しますが、人間に止める手立てはなく、全面核戦争に至ります。
そして人類は、たった1名を残して絶滅するのです。
その後、偶数回の物語は、フィルムを逆戻しするように時間を遡って展開していきます。
一方、奇数回の物語は、大和の時代から平安、さらに源平合戦と時代を上っていきます。
その両方の物語がぶつかる現代(いつになるかは不明)が最終回なのだと思いましたが、残念なことに原作者の死と共に永遠の謎となってしまいました。
作者が、この構想を描いた動機は分かりませんが、科学の発達の行く末は第2巻で描いた「核戦争で人類が滅ぶ未来」だと認識させ、「その悲劇を止めることは可能なのか」を描きたかったのかもしれません。
今の人類に現在の科学技術の発達を止めることはできませんし、それが良いとも言えません。
ゆえに、AIが人間社会に深く浸透していく未来を考えると、「火の鳥」第2巻の悲劇を止めることは出来ないのではと、私は悲観的になります。
私は、60年間、様々な種類のコンピュータと付き合い、今も付き合っています。
その間に作成したプログラムは数え切れません。
若い頃は、自分の作成したプログラムが拓いていく世界に夢中でした。
今でも現役としてシステム開発を行い、当然AIも使っています。
その発達速度の速さと拡大に危惧を抱きながらも、事業としての取り込みは後退させられないジレンマを感じます。
そして、結局70年前に発表された手塚治虫の世界に近づいているのではという恐怖を感じます。
もっとAIを使いこなしてから続編をお送りしたいと思います。
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┃◇骨太の方針2026の中身(2)                                                     ┃
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2027年度当初予算に向けての国交省の概算要求が出ましたが、前年度比44.4パーセントの大幅増です。
最終的に、このまま認められるとは思いませんが、井林辰憲国交相は「国土強靱化は事項要求となっている。さらなる上積みを目指す」と強気の発言をしています。
昨今の災害増加を考えると、国土強靭化計画そのものは国民の支持を得られていると思います。
ですが、概算要求どおりの増額が通るとは思えません。その中身に注目です。
一方、長い間、横ばいだった日本の名目GDPは上昇し、数年前の500兆円台から2025年度には600兆円を超えるレベルになりました。
このままの成長が続けば2030年には700兆円を超えると思われます。
一方、「国の債務返済+利払い」費は2025年度で31.3兆円と、予算総額の26%を占めています。
これが「財政健全化」派の主張の基になっています。
ですが、米国のように債務は借り換えを前提として利払い費だけにすると11%となります。
米国の場合、予算に占める利払い費の割合は14%ですが、これは利息の収入を差し引いたネット(つまり、「利払い-利息収入」の差し引き金額)の割合です。
日本の11%は利払いだけの数字ですから、ネット金額だと6%になり、米国よりはるかに低い値になります。
ならば、「日本は借金大国で潰れかかっている」という主張はどうなのでしょうか。
石破前首相は「日本経済は破綻した時のギリシャより悪い」と言っていますが、一時的とはいえ残念な方を総理大臣に戴いていたものだと思い、情けない限りです。
この一点だけでも、現在の高市首相のほうがマシとなるわけです。
ですが、この比較は対象相手が“あまりにもお粗末”なので、現首相の合格点とはなりません。
2026年の骨太の方針に対する高市政権への評価は、来年度の予算編成の結果が出てからです。
高市首相は、これまでのような「当初予算は抑えて補正予算でつじつまを合わせる」という手法は止めると明言しました。
この方針に、各省庁は“ここぞ”とばかり大幅に増やした概算要求を出してきています。
中身は、まっとうなものもあれば、便乗としか思えないものありと、まるで子供の「おもちゃ箱」のような有様です。
まずは、各担当閣僚の力量が試されます。
自分の管轄下で生ずる便乗案件をどう排除するか、それが出来るかが問われるわけです。
そして、その結果に対しトップたる首相がどう最終判断を下すか。
このトップ判断に対し、官僚組織のみならず国民各層からの不満や反発が出るのは当然です。
これをどのように差配しても不満や批判が減ることはないでしょう。
ドラマではないので“大岡裁き”など出来るはずもないのです。さて・・
焦点の一つは国債発行額ですが、予算規模によっては新規発行せざるを得ないことになります。
そうなると当然批判が出るでしょうが、単純に批判する者はそもそも経済を分かっていません。
国家も企業も、そして個人事業も「経済は借金で伸びていく」ものです。
ただし、その借金が「将来の資産形成や収益となっていく」という条件が付きます。
国家の場合は、建設国債がその典型で、10年、20年、いや30年以上先の経済発展に寄与するかどうかが判断の分かれ目です。
ゆえに、国民には赤字国債と投資国債とを分けて判断することが求められます。
東日本震災の復興財源として、これまで国民は毎年2.1%の税負担をしてきました。
それが、2026年から復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%へ引き下げる一方、2027年1月から防衛特別所得税(つまり防衛費)の1%が徴収されることになります。
そうなると、復興財源の総額がその分減ることになるので、2037年までとなっていた復興財源の徴収を、2047年まで10年間延長することが決まっています。
防衛特別所得税のほうは、昨今の中国・ロシアによる圧迫が2047年までに収まるのであれば消えるかもしれませんが、それでも横ばいが続き、増額される可能性も大きいと思います。
こうした国民負担に対しては、絶対賛成と絶対反対で不毛な議論をするのではなく、国際情勢を含めた大きな枠組みの中で、国民に納得がいく議論をして欲しいものです。
そして、こうした対応をマスコミにも求めたいところですが、それは無理そうなので、ネットで交わされる情報を見て判断していくしかなさそうです。
本メルマガでは冷静な論評をと思っています。
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┃◇新車陸送の世界(17)                                                                 ┃
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ある日の夕方、出勤すると同時に社長に呼ばれた。
そして、先に出勤していた同僚と二人で説明を受けた。
それは、新発売前の「覆面カー」を運ぶ仕事であった。
読者の皆様は、雑誌やニュースで見かけたことがあると思いますが、上からすっぽりと黒い布で覆われて走っているあの車である。
社長から説明を受けたのは、当時の車雑誌にスクープされた未発表の新車、それを運ぶ仕事だった。
雑誌の記事には写真はなく、予想イラストの絵が載っているだけだった。
社長からは、
「工場でメーカーの担当者から詳しい説明があるだろう。その指示に従ってくれ。事故はもちろん、マスコミとの厄介事もご法度だ。法定速度を遵守しろとは言わんが、慎重のうえにも慎重を期して走れ」
と言われた。
同僚が社長に質問した。
「分かりましたが、運ぶ単価はアップとなりますか?」
同僚の直球質問に、私は少しびっくりしたが、思いは同じで、同調の頷きをした。
社長は「もちろんだ、いつもと同じとはいかんよな」と言い、通常の3倍の単価を提示した。
「そのかわり、万が一にも事故るなよ」と念押しのように言った後、「それから、スクープを狙うやつらに注意しろ。自動車マスコミだけでなく、素人にもだ。絶対に覆面の下を見せるな。出発前の点検も念入りにしろ。途中で車を離れることも厳禁だ。出発前に必ずトイレに行っとけ」と、厳重な注意を受けた。
我々二人は、この日はチームから離れ、課長の車で藤沢工場に行き、そこでメーカーの担当者から細かな指示を受けた。
「車に被せる黒いカバーが走行中に緩まないよう、出庫の担当者と一緒にしっかりと緊縛するように。走行中、どちらかの車のカバーが緩んだら、二台とも直ちに停車して協力して締め直すように」というように細かな注意を受けた。
さらに「スクープを狙う車が寄ってくるでしょうから、徹底して無視してください。中には危険なほど寄ってくる車があるかもしれませんが、あなた方の技量があれば事故を起こすことなくやり過ごせるでしょう」と、なぜ二人が担当することになったかをそれとなく含ませる。
同僚は「3倍の単価だ。しかも、通常の速度で藤沢からだと2回で終わりだな。いつもより早く終われるし、楽勝だな」と言ったが、私は「一瞬の油断もできないので、2回が限界だよ」と思った。
こうして二台は工場を出たが、黒カバーを掛けた車からの視界は想像以上に悪く、運転には相当の緊張を強いられた。
しかも、すぐに沿道から注目を浴び、車道に飛び出しカメラで撮影する者も現れ、先が思いやられた。
そして、案の定、スクープを狙って待ち伏せしていた自動車マスコミの車が追いかけてきた。
『ご苦労なこった』と思ったが、向こうも必死なのであろう。
前に行ったり後ろに下がったりと、コバエのようにうるさく付きまとう。
接触するほどに近づいた車には、クラクションを鳴らし、手で「離れろ!」と合図したりもした。
ようやく目的地に着いたときには、ぐったりだったが、二人で「もう1回だ、気持ちを切らさないで頑張ろう」と励まし合った。
課長の車で工場に戻るとき、同僚が課長に尋ねた。
「なんでトレーラーで運ばず、こうして単騎で運ぶのですか? もしかして車雑誌に、走っている写真を撮らせるという意図もあるのですか?」と直球質問。
私は『それもあるだろうな。だが、この輸送で万が一事故ったら、逆の大スクープになってしまうではないか』と思ったが黙っていた。
課長は、苦笑しながら「オレからは何も言えんよ。会社がこの輸送を引き受けた理由もな。ただ、社長が君たちを選んだのは、事故歴が無いからだ」と言った。
しかし、二人が無事故だったのは単に運が良かっただけだったということは読者の皆様にはもうお分かりであろう。
二人とも黙るしかなかった。
2回目の輸送先は1回目と違っていて、今度は高速道を使った。
メーターパネルにも黒いカバーが掛かっていたが、速度メータではなく、タコメータ(エンジンの回転数を表示するメータ)だけが見えるようになっていた。
工場を出るとき、メーカーの担当者から「3000回転以上には上げないように」と言われていた。
エンジンの回転数で速度は分かるし、ハンドリング操作などで、車の性能はだいたい想定できた。
到着した先で、いろいろ質問されたが、そのやり取りで、なぜ我々二人が選ばれたかが分かった。
二人ともレーシングライセンスを持っていたからである。
つまり、この輸送は「公道テスト」の一環だったのである。
同僚もそれが分かって、二人で「もっと、高い割り増しを要求すべきだったな」と笑い合った。
高度成長期という時代は、こうした時代だったのである。
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<編集後記>
昨今、AIに対する関心が急速に高まり、日常的に使われている方もいらっしゃるでしょう。
一方、「何が何だか分からない」、あるいは「恐いもの」、はては「世界を破滅に導く・・」と思っておられる方もいるようです。
来年から弊社のHPなどでAI解説の連載をと考えていますが、本メルマガでも適宜、送ろうと思っています。
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