2026年7月31日号(経済、経営)
2026.07.31
HAL通信★[建設マネジメント情報マガジン]2026年7月31日号
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H A L 通 信
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発行日:2026年7月31日(金)
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いつもHAL通信をご愛読いただきましてありがとうございます。
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2026年7月31日 号の目次
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◇骨太の方針2026
◇長期金利の上昇(後半)
◇新車陸送の世界(15)
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2026年7月31日 号の目次
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◇骨太の方針2026
◇長期金利の上昇(後半)
◇新車陸送の世界(15)
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こんにちは、安中眞介です。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
今号は、経済、経営の話題をお送りします。
一方的なトランプ関税が連邦裁判所に違憲とされ、その執行が停止される前日の24日にトランプ大統領は10~12.5%の新関税を課すと発表(日本は12.5%)しました。
この身勝手な政権は後2年続きますが、中間選挙の結果次第では死に体となるでしょう。
そのことはもう少し先で論じるとして、今号は高市政権の「骨太の方針」から解説します。
この身勝手な政権は後2年続きますが、中間選挙の結果次第では死に体となるでしょう。
そのことはもう少し先で論じるとして、今号は高市政権の「骨太の方針」から解説します。
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┃◇骨太の方針2026 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
7月21日、高市政権による初めての「骨太の方針」が、経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。
目を引いたのは「財政運営目標」の中心がPB(プライマリーバランス)という「歳出を歳入の範囲内に抑える」という“家計”のような考え方から、「政府債務残高対GDP比」という、「経済の発展で政府財務のバランスを取ろう」に代わったことです。
┃◇骨太の方針2026 ┃
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7月21日、高市政権による初めての「骨太の方針」が、経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。
目を引いたのは「財政運営目標」の中心がPB(プライマリーバランス)という「歳出を歳入の範囲内に抑える」という“家計”のような考え方から、「政府債務残高対GDP比」という、「経済の発展で政府財務のバランスを取ろう」に代わったことです。
PB(プライマリーバランス)を「家計のような」と書きましたが、もう少し専門的に解説すると、以下の等価式になります。
「税金などの歳入総額-国債の発行によって得られた歳入(つまり借金)」=「社会保障や公共工事などの歳出総額-国債の利払いや償還費」
つまり、歳入と歳出をバランスさせるという、家計のような考え方です。
しかし、歳出を削るのは簡単ではありません。
かつての民主党政権は「コンクリートから人へ」というキャッチコピーで公共工事を削減し、「事業仕分」なる予算削減政策を行いましたが、大失敗に終わりました。
結果として、「PBは増税で達成することが本筋」とする財務省が力を得て、増税路線が既定路線となってしまい、今日の重い税負担の国になってしまいました。
民主党政権の後、歳出増加で経済発展を促すというアベノミクスの時代になりましたが、民主党政権最後の野田内閣が残した消費税10%への増税を安倍内閣は変えることが出来ず、経済の復活はできませんでした。
たとえ政権が交代しても「政策の継続」という重しは重たく、安倍首相も増税時期を延ばすことしかできなかったのです。
日本国首相は、大統領のように国民投票で選ばれるわけではなく、国会議員の投票で指名される制度ですから、トランプのようなことは不可能なわけです。
「税金などの歳入総額-国債の発行によって得られた歳入(つまり借金)」=「社会保障や公共工事などの歳出総額-国債の利払いや償還費」
つまり、歳入と歳出をバランスさせるという、家計のような考え方です。
しかし、歳出を削るのは簡単ではありません。
かつての民主党政権は「コンクリートから人へ」というキャッチコピーで公共工事を削減し、「事業仕分」なる予算削減政策を行いましたが、大失敗に終わりました。
結果として、「PBは増税で達成することが本筋」とする財務省が力を得て、増税路線が既定路線となってしまい、今日の重い税負担の国になってしまいました。
民主党政権の後、歳出増加で経済発展を促すというアベノミクスの時代になりましたが、民主党政権最後の野田内閣が残した消費税10%への増税を安倍内閣は変えることが出来ず、経済の復活はできませんでした。
たとえ政権が交代しても「政策の継続」という重しは重たく、安倍首相も増税時期を延ばすことしかできなかったのです。
日本国首相は、大統領のように国民投票で選ばれるわけではなく、国会議員の投票で指名される制度ですから、トランプのようなことは不可能なわけです。
さて、民主党政権の行った歳出削減策ですが、歴史的に見ても、この手の歳出削減策はほとんど失敗しています。
徳川8代将軍吉宗の「享保の改革」などが有名ですが、惨憺たる結果に終わっています。
その後、老中となった田沼意次が積極財政に転換し、江戸の経済は発展しました。
彼は「賄賂政治家」として歴史に名を残しています(?)が、彼が言ったという有名な言葉には納得です。
「賄賂を持ってくる奴の金は受け取ればよい。だが、そいつの思惑とは全く別の“世のためになる”使い方をすれば良いのだ」
賄賂の良し悪しは別にすれば、「なるほど!」な考えだと思いませんか。
最終的に彼は失脚しましたが、日本の経済は発展しました。
それでも幕府財政は火の車でしたが、それは武家政権ゆえの限界でした。
武家政権の財政基盤は、農業(それもコメ)に依存していました。
しかし、元禄以降、商業が盛んになり、商い経済が農業経済を圧倒してきましたが、コメに基盤を置く武家政権は、コメの収穫には重い税をかける(コメの収穫を取り上げる)一方、商人の儲けは無税でした。
つまり、法人税が無かったのですから、商売人は笑いが止まりません。
徳川8代将軍吉宗の「享保の改革」などが有名ですが、惨憺たる結果に終わっています。
その後、老中となった田沼意次が積極財政に転換し、江戸の経済は発展しました。
彼は「賄賂政治家」として歴史に名を残しています(?)が、彼が言ったという有名な言葉には納得です。
「賄賂を持ってくる奴の金は受け取ればよい。だが、そいつの思惑とは全く別の“世のためになる”使い方をすれば良いのだ」
賄賂の良し悪しは別にすれば、「なるほど!」な考えだと思いませんか。
最終的に彼は失脚しましたが、日本の経済は発展しました。
それでも幕府財政は火の車でしたが、それは武家政権ゆえの限界でした。
武家政権の財政基盤は、農業(それもコメ)に依存していました。
しかし、元禄以降、商業が盛んになり、商い経済が農業経済を圧倒してきましたが、コメに基盤を置く武家政権は、コメの収穫には重い税をかける(コメの収穫を取り上げる)一方、商人の儲けは無税でした。
つまり、法人税が無かったのですから、商売人は笑いが止まりません。
正確にいうと、江戸時代の商売には運上(うんじょう)や冥加(みょうが)という営業税や営業免許税が課されていましたが、売り上げに掛かる税金ではなく一定額を納めれば良かったので、大商人ほど負担は軽かったのです。
話が脱線しましたが、高市政権の「骨太の方針2026」は、それまでのPB(プライマリーバランス)重視の「増税+歳出削減」政策から「投資の促進でGDP(国内総生産)を拡大し、結果として政府債務残高のGDP比率を下げていく」という「発展型の経済」への転換を意味しています。
それゆえ、徳川吉宗の緊縮財政から田沼意次の積極財政への転換に近いものを感じたのです。
(もっとも、賄賂は厳しく取り締まるべきですが)
それゆえ、徳川吉宗の緊縮財政から田沼意次の積極財政への転換に近いものを感じたのです。
(もっとも、賄賂は厳しく取り締まるべきですが)
ただし、懸念もあります。
そのことも含めて、次号で、この方針の中身を見ていきます。
そのことも含めて、次号で、この方針の中身を見ていきます。
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┃◇長期金利の上昇(後半) ┃
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日本は30年に及ぶ長いデフレの後も、その残滓を引きずりゼロ金利の世界が続きました。
2024年3月にようやく17年ぶりの利上げとなり、それから2年経って、現在の1%になりました。
ここから、バブル期の昔話をさせていただきます。
若い方は経験していない「昔話」ですが、35~40年前に実際にあった世界です。
┃◇長期金利の上昇(後半) ┃
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日本は30年に及ぶ長いデフレの後も、その残滓を引きずりゼロ金利の世界が続きました。
2024年3月にようやく17年ぶりの利上げとなり、それから2年経って、現在の1%になりました。
ここから、バブル期の昔話をさせていただきます。
若い方は経験していない「昔話」ですが、35~40年前に実際にあった世界です。
政策金利が6.0%まで上がったバブル期、建設会社の管理職だった私は、傘下の工事の調達資金の金利が8%ぐらいに上がった経験をしました。
もちろん、資金調達の実務は経理部や資金部の仕事ですが、現場を預かる一部門の責任者として借入の利息分を含めた利益確保が至上命題でしたから、傘下の現場の利益管理には必死でした。
粗利が20%でも金利を考えると12%ぐらいに落ち、部門経費や本社経費などで赤字工事と断定され、部門長の責任とされました。
私は、粗利35%を目指し、傘下の工事を管理するだけでなく、自らを営業の最前線に置き、とにかく入り口での利益確保に努めました。
もちろん、資金調達の実務は経理部や資金部の仕事ですが、現場を預かる一部門の責任者として借入の利息分を含めた利益確保が至上命題でしたから、傘下の現場の利益管理には必死でした。
粗利が20%でも金利を考えると12%ぐらいに落ち、部門経費や本社経費などで赤字工事と断定され、部門長の責任とされました。
私は、粗利35%を目指し、傘下の工事を管理するだけでなく、自らを営業の最前線に置き、とにかく入り口での利益確保に努めました。
また、私は20代の頃から、会社の仕事とは別に、個人で株や債券投資を行っていました。
「45歳までには起業しよう」の目標で資金を貯めていたのですが、経済成長の恩恵もあって、年収の数倍の資金を貯めることが出来ました。
そうした時代を経験している私からすると、政策金利1%は「安いな」と思ってしまいます。
もっとも、自社の新しい借入の金利が2%を超えてくる現状を考えると、今以上の資金管理の徹底が大事と気持ちを引き締めています。
「45歳までには起業しよう」の目標で資金を貯めていたのですが、経済成長の恩恵もあって、年収の数倍の資金を貯めることが出来ました。
そうした時代を経験している私からすると、政策金利1%は「安いな」と思ってしまいます。
もっとも、自社の新しい借入の金利が2%を超えてくる現状を考えると、今以上の資金管理の徹底が大事と気持ちを引き締めています。
ただ日本全体を考えると、現在の長期金利の上昇は財政危機を意識する状況にはないと思います。
政府の債務残高の多さを理由に「金利上昇が財政破綻を招く」と主張する評論家はいます。
しかし政府は、予算案の作成段階で国債の利払いにかかる費用をかなり慎重に見積もっています。
さらに、2026年度予算では、利払い費のベースとなる想定金利(10年物国債利回り)を3%と、やや高めの設定をしています。
また、現在抱えている国債の多くは、過去の低金利時代に発行した分が多いため、実際の利払い費は政府の想定よりもかなり少なくなるはずです。
つまり、現在は財政危機を意識する状況にはないのです。
食料品の消費税減税に関する高市首相の強気な発言は、このあたりのことを意識していると思います。
政府の債務残高の多さを理由に「金利上昇が財政破綻を招く」と主張する評論家はいます。
しかし政府は、予算案の作成段階で国債の利払いにかかる費用をかなり慎重に見積もっています。
さらに、2026年度予算では、利払い費のベースとなる想定金利(10年物国債利回り)を3%と、やや高めの設定をしています。
また、現在抱えている国債の多くは、過去の低金利時代に発行した分が多いため、実際の利払い費は政府の想定よりもかなり少なくなるはずです。
つまり、現在は財政危機を意識する状況にはないのです。
食料品の消費税減税に関する高市首相の強気な発言は、このあたりのことを意識していると思います。
しかし、金利上昇の局面に入った現在、今後の日本の経済・財政がどう推移するかの予測分析は必須です。
スイスの金融グループUBSが提供する経済・投資分析レポートによると、個人資産10万$(1$=163円で、1630万円)以上を有する人数の中央値で、日本は世界3位で、日米の差は2倍に過ぎません。
(平均値だと日米の差は3倍に広がりますから、米国は超高額所得者の割合が日本よりかなり高いことが分かります)
スイスの金融グループUBSが提供する経済・投資分析レポートによると、個人資産10万$(1$=163円で、1630万円)以上を有する人数の中央値で、日本は世界3位で、日米の差は2倍に過ぎません。
(平均値だと日米の差は3倍に広がりますから、米国は超高額所得者の割合が日本よりかなり高いことが分かります)
現在の株価上昇は海外投資家が主役と言われており、国内投資家に大きな動きは見られません。
短期の利益確保を重視する海外の投資家が、「日本の財政不安」や「インフレに対する日銀の金融政策が緩い」として、日本国債を売っていることが長期金利上昇の一因と言われています。
短期の利益確保を重視する海外の投資家が、「日本の財政不安」や「インフレに対する日銀の金融政策が緩い」として、日本国債を売っていることが長期金利上昇の一因と言われています。
ただ、トランプ大統領に起因するイラン情勢の不安定化による原油高が続けば、当然インフレに拍車がかかり、長期金利が一段と上昇し、日本の経済・財政に悪影響を与える可能性はあります。
そうなると、この先もモノの値段が上がり続け「安いうちに買おう」という消費者心理が働いてインフレが加速する可能性はあります。
しかし、消費者マインドが上がらない現在の日本では、値段が上がり続ければ、消費者が「もう買えない。我慢しよう」と財布のひもを締め、インフレ圧力が低下する可能性のほうが大きいと思いますし、総務省の家計調査報告には、その兆候が見て取れます。
今後の焦点は、日銀のさらなる利上げですが、そのことは次号で。
そうなると、この先もモノの値段が上がり続け「安いうちに買おう」という消費者心理が働いてインフレが加速する可能性はあります。
しかし、消費者マインドが上がらない現在の日本では、値段が上がり続ければ、消費者が「もう買えない。我慢しよう」と財布のひもを締め、インフレ圧力が低下する可能性のほうが大きいと思いますし、総務省の家計調査報告には、その兆候が見て取れます。
今後の焦点は、日銀のさらなる利上げですが、そのことは次号で。
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┃◇新車陸送の世界(15) ┃
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今回は、とても嫌な話です。書くのを躊躇しましたが、実際に経験した話です。
当時の日本が置かれていた悲しい現実ですが、現代にも通じる話です。
それでは。
┃◇新車陸送の世界(15) ┃
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今回は、とても嫌な話です。書くのを躊躇しましたが、実際に経験した話です。
当時の日本が置かれていた悲しい現実ですが、現代にも通じる話です。
それでは。
所属していた陸送チームは、全員で15、6名。
工場を出てしばらくは数台が固まって走るが、やがてばらばらになり単独走行になることが多かった。
その夜は、深夜になるにつれ霧が立ち込めてきた。
「いやな天気だな。気をつけて走ろう」と、単独走行になっていた私はいつもより慎重に走っていた。
国道はやがて左手に広い米軍基地を見る直線道路に入った。
基地は広大な広さで、有刺鉄線で道路と仕切られていた。
いつも“嫌な感じ”がする、このエリアを早く抜けたくて、私はアクセルを踏み込んだ。
その瞬間である。
基地エリアの有刺鉄線が破れている箇所から、何か白い物体が車の前に飛び出してきた。
驚いた私は急ブレーキを踏み、ぎりぎり、その物体との衝突を避けた。
薄霧の中、止まった私の車のヘッドライトに、その白い物体が浮き上がった。
最初『白ブタ?』と思ったその物体は、何も身に着けていない裸の女性であった。
唖然として車を降りた私に近づいてきたその女性は「MP(米軍の警察)のところに連れて行って」と懇願する。
そのときになって私は、その女性が髪を金髪に染めているが日本人であることに気づいた。
しかし、この現実を理解することができない私は、何も言うことができず、立ち尽くすだけ。
工場を出てしばらくは数台が固まって走るが、やがてばらばらになり単独走行になることが多かった。
その夜は、深夜になるにつれ霧が立ち込めてきた。
「いやな天気だな。気をつけて走ろう」と、単独走行になっていた私はいつもより慎重に走っていた。
国道はやがて左手に広い米軍基地を見る直線道路に入った。
基地は広大な広さで、有刺鉄線で道路と仕切られていた。
いつも“嫌な感じ”がする、このエリアを早く抜けたくて、私はアクセルを踏み込んだ。
その瞬間である。
基地エリアの有刺鉄線が破れている箇所から、何か白い物体が車の前に飛び出してきた。
驚いた私は急ブレーキを踏み、ぎりぎり、その物体との衝突を避けた。
薄霧の中、止まった私の車のヘッドライトに、その白い物体が浮き上がった。
最初『白ブタ?』と思ったその物体は、何も身に着けていない裸の女性であった。
唖然として車を降りた私に近づいてきたその女性は「MP(米軍の警察)のところに連れて行って」と懇願する。
そのときになって私は、その女性が髪を金髪に染めているが日本人であることに気づいた。
しかし、この現実を理解することができない私は、何も言うことができず、立ち尽くすだけ。
やがて、私の後ろを走ってきた若手の車も止まったが、その彼も裸の女性を見て硬直状態。
少し時間をおいて、いつも最後尾を走るリーダーが追いついた。
降りてきたリーダーは、冷静な声で「お前ら、気が利かない連中だな」と言いながら、自分のジャンパーを脱ぎ、その女性の肩に掛けた。
そのときになって、硬直を解かれた私と同僚は「すみません」と謝るしかなかった。
同時に、こうした事態に動揺する“かけら”すら見せないリーダーに『すごいな』と思った。
少し時間をおいて、いつも最後尾を走るリーダーが追いついた。
降りてきたリーダーは、冷静な声で「お前ら、気が利かない連中だな」と言いながら、自分のジャンパーを脱ぎ、その女性の肩に掛けた。
そのときになって、硬直を解かれた私と同僚は「すみません」と謝るしかなかった。
同時に、こうした事態に動揺する“かけら”すら見せないリーダーに『すごいな』と思った。
リーダーは、くだんの女性と少し話していたが、やがて、我々に「どうやら米兵に強姦されたらしい。警察に行こうと言ったんだが、MPに連れていけの一点張りだ。MPなんかに行ったら“もみ消される”と教えたんだが。仕方ねえ、MPへ行くと言って、警察に強引に連れていくさ。お前らは、急いで埠頭に走れ、そして、次の回は俺を飛ばして工場へ戻れと伝えてくれ」と指示した。
私と同僚は、その場を後にして埠頭に向かい、待っていたサブリーダーにリーダーの言葉を伝え、工場に戻った。
当然、その後、合流したリーダーにその後の顛末を聞いた。
リーダーは、「あの女を強引に警察に連れていったさ。そしたらな、警察の連中、『これはMPの範疇だから、そっちへ行け』と言うじゃやないか。オレは『被害者は日本人なんだ。だから日本の警察で扱うべきだろう』と言ったんだが、『犯罪場所は基地の中だから、あっちの管轄だな』と無責任丸出しだ」
私が「それでMPに連れていったんですか?」と聞くと、「しょうがねえだろ。被害者本人もMPへと言うんだからな。でもな、もみ消されて終わりだよ」と吐き捨てるように言う。
私は『これが今の日本の置かれている現実なんだな』と思うしかなかった。
当然、その後、合流したリーダーにその後の顛末を聞いた。
リーダーは、「あの女を強引に警察に連れていったさ。そしたらな、警察の連中、『これはMPの範疇だから、そっちへ行け』と言うじゃやないか。オレは『被害者は日本人なんだ。だから日本の警察で扱うべきだろう』と言ったんだが、『犯罪場所は基地の中だから、あっちの管轄だな』と無責任丸出しだ」
私が「それでMPに連れていったんですか?」と聞くと、「しょうがねえだろ。被害者本人もMPへと言うんだからな。でもな、もみ消されて終わりだよ」と吐き捨てるように言う。
私は『これが今の日本の置かれている現実なんだな』と思うしかなかった。
後で、先輩たちから「おまえ、裸の女と分かって興奮したんじゃねえか」とからかわれたが、反論する気持ちにはとてもなれずに、黙っていた。
先輩たちも、それ以上は何も言わず、マイクロバスの中は重い沈黙に包まれた。
先輩たちも、それ以上は何も言わず、マイクロバスの中は重い沈黙に包まれた。
この話、メルマガに書くのは、はばかれたが、忘れることが出来ない暗く陰鬱な記憶である。
あのとき、被害者の女性が自分に近づいてきたとき、米兵のものと思われる精液の匂いが鼻を突き、吐きそうになった。
ニュースで性犯罪の記事を目にすると、今でも、あの光景や鼻を突く匂いが思い出され、吐き気を催すと同時に、被害者の気持ちの辛さを考えて辛くなってしまう。
とても興味本位の気持ちなど起きようもない、今でも残るトラウマの一つなのである。
あのとき、被害者の女性が自分に近づいてきたとき、米兵のものと思われる精液の匂いが鼻を突き、吐きそうになった。
ニュースで性犯罪の記事を目にすると、今でも、あの光景や鼻を突く匂いが思い出され、吐き気を催すと同時に、被害者の気持ちの辛さを考えて辛くなってしまう。
とても興味本位の気持ちなど起きようもない、今でも残るトラウマの一つなのである。
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<編集後記>
「在日米軍は“びんのふた”」と発言した米軍司令官がいました。悔しいですが、その通りです。
つまり、在日米軍は日本の再軍備を抑えるための“ふた”として駐留していて、日本を守るためではないという発言なのです。
このように、米国からは日本を見下すような発言や行動がときおり出ています。
今号に載せた「新車陸送」の話もその一つです。
現代でも、沖縄などで同種の犯罪は根絶されていません。
<編集後記>
「在日米軍は“びんのふた”」と発言した米軍司令官がいました。悔しいですが、その通りです。
つまり、在日米軍は日本の再軍備を抑えるための“ふた”として駐留していて、日本を守るためではないという発言なのです。
このように、米国からは日本を見下すような発言や行動がときおり出ています。
今号に載せた「新車陸送」の話もその一つです。
現代でも、沖縄などで同種の犯罪は根絶されていません。
こうした現状から脱したければ、日本は正規の軍事力が必要となります。
中国やロシアなどの敵対国に囲まれている日本は、現在の軍事力では国民を守れません。
「外交や話し合いで・・」と言われますが、外交とてバックに強い力が無ければ無力ですし、話し合いが通用する相手ではありません。
中国やロシアなどの敵対国に囲まれている日本は、現在の軍事力では国民を守れません。
「外交や話し合いで・・」と言われますが、外交とてバックに強い力が無ければ無力ですし、話し合いが通用する相手ではありません。
しかし、自衛隊ではなく国軍として真に国を守る軍隊を持つためには、憲法改正や防衛費の増額など、相当に高いハードルを越える必要があります。
その議論の提起すらできない現在の日本は、米国の下に置かれる現状に甘んじるしかないのです。
その議論の提起すらできない現在の日本は、米国の下に置かれる現状に甘んじるしかないのです。
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