(5)ギリシャ迷走の終着駅はどこ?

2015.07.06 12:00:00

とにかく、ボールはEU側に蹴りこまれた。
EU、とりわけ中心になるドイツは、どう動くのか。
実は、ユーロの通貨統合で一番得をしたのはドイツである。
当時の実力以下の通貨安を享受して外貨を貯めこんだのである。
そのドイツが、ギリシャに緊縮財政を要求しているのだから、皮肉としか言いようがない。
 
ドイツのショイブレ財務相は、投票前に、先週までのトロイカの改革案は既に無効になっているという意見を表明した。
つまり、これからの交渉は白紙状態からのスタートになり、条件は更に厳しくなるという考えである。
このドイツの姿勢が緩和されない限り、トロイカは具体的な提案はできない。
 
仮に、ドイツのいないユーログループであれば、ギリシャの執拗な交渉の前にすでに折れていたであろうと一部メディアは報道している。
世界の経済学者らの意見は、ギリシャ国民はこれ以上の緊縮策を受け入れられないだろうと、ギリシャ寄りの意見が増えているという。
 
だがドイツは、メルケル首相が投票前に思い切った救援策を提示し、チプラス首相も条件付きながら受け入れを表明したのに、土壇場で裏切られたという不信感が強い。
容易にはギリシャからの誘いには乗らないであろう。
 
たとえEUからの支援策がまとまったとしても、社会保障費の削減や物価の高騰、高い失業率など、ギリシャ国民の「いばらの道」は果てしなく続く。
国民が耐えていけるとは思えない。
 
現在のギリシャのプライマリーバランス(歳入と歳出のバランス)は、ほぼ取れているという。
ならば、債務を大幅にカットして返済の負担を減らす以外に策はない。
国も企業も、再建策に本質的な違いはない。
 
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<編集後記>
日本は、ギリシャの轍を踏まないためにも、本気で財務バランスの是正に取り組む必要があります。
カギは社会保障費の抑制にあります。
国民も真剣に考えていかなければなりませんね。
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