中国の現状を読み違えるな(その3) ついに皇帝が誕生!
2018.03.15
中国は、ついに国家主席の任期を撤廃する憲法改正を行なった。
内外のマスコミが指摘するように、習近平主席が皇帝になるということである。
だが、一見盤石に見えるこの体制は脆(もろ)い。
習近平主席の権威が経済成長のおかげであることは誰もが知る所である。
しかし、日本以上に少子高齢化が進む中国経済の失速は、かなりの確率で確実である。
しかも、経済は習主席の苦手分野である。
どうしても、そこはNo.2の李克強首相の力が必要なのである。
それが分かっているから、全人代での習近平主席礼賛の中で、李首相が仏頂面でいられるのである。
しかも、李首相のバックには共青団が控えている。
習近平主席は、共青団を危険視しているが、しかし潰せない。
この2人の暗闇での闘争は年を追うごとに激しくなっていくものと思われる。
2人以外のトップ常務委員はあと5人いるが、うち3名は太子党派で習主席の言いなりである。
上海派の韓正氏は力がなく、脅威にもならない。
残る汪洋氏は、共青団派なので李首相に近いし、なによりも裕福な広東省を仕切っている。
また知日派でもあり、日本とのパイプも持っている。
当然、習近平主席は汪洋氏を警戒していると思うが、チャイナセブンに加えたということは、彼の力を無視できないということである。
日本は、重要なキーマンとして汪洋氏を扱っていくべきだと思う。