中国の現状を読み違えるな(その2)

2018.01.15


お笑い芸人の「沖縄は中国から取ったもの・・」との発言を中国の国営メディアが報じた。
たかがB級芸人の無知からくる発言を取り上げたのである。
これは、中国が沖縄を手中に収める戦略を練っている明らかな証拠といえる。
 
中国は最近、国営メディアなどを通じて『琉球回収』なる言葉を発している。
「沖縄を自分たちのものにする」という意味である。
ところが、こうしたことを、日本のメディアは全く報じない。
日本人全体が、こうした中国のプロパガンダに対して鈍くなり、また中国が醸し出している日中の雪解けムードも手伝って一切反論しないことも、中国が増長する一因になっている。
 
つい先日も、中国海軍のフリゲート艦と潜水艦が尖閣諸島の接続水域に侵入した。
領海までは入らなかったが、すれすれまで軍艦が入ってきたことの意味は大きい。
日本の海上保安庁にあたる「海警」の船舶の領海侵犯は日常化しているが、軍艦が接続水域まで入ってきたのは初めてである。
脅威レベルは格段に上がったと見るべきである。
こうした問題が再発するようであれば、日本も海上自衛隊を動員する必要が出てくる。
 
こう言うと、平和主義者からは「偶発衝突の危険があるので、自衛艦を出すべきではない」と抗議を受けるであろうが、逆である。
中国が軍艦を出してくるなら日本は一歩も引かないという強い姿勢を見せることが、結局は平和につながるのである。
くだんのお笑い芸人は、中国が攻めてきたら手を上げて尖閣を渡せばよい。沖縄だって渡せば良いと発言した後に「沖縄は中国から奪った・・」と発言した。
極端な意見だが、平和主義者の典型的な意見なのかもしれない。
 
私は、何も中国と喧嘩しろと言っているのではない。
小競り合い的なことであっても、武力衝突は両国にとって益はない。
しかし、話して分かる相手には対話で良いが、話が通じない相手には同盟を含む軍事力を背景にした“外交”で対応するしかない。
残念ながら、今の中国にはそうした外交で対応するしかないのである。