これからの商売(7):総括

2018.01.17

全く新しいビジネスを考えるのは難しい。
また考えついても実行するのは難しいし、成功させるのはもっと難しい。
IT時代に入って、GoogleやAmazonのように大成功したビジネスが出ていますし、YouTubeやツイッターのように、次々と成功例が生まれています。
しかし、その成功確率は1%も無いのが現実です。
 
私は創業してから27年経営をしていますが、なんとか成功したと思えるビジネスは、ほんの僅かです。
逆に失敗例は数え切れないくらいです(本当は、数えるのがイヤで、数えたくないのですが・・)。
幾つかの会社を自社の傘下に置いたりもしてきましたが、全て失敗と言ってよい結果に終わっています。
そんな私が経営の話をするのは少々気が引けますが、「失敗は成功の母」という言葉を信じて書き続けてきました。
 
この連載の最後に話したい「これからの商売」は、既存ビジネスの複合化です。
ある程度成功した既存ビジネスは、それなりに市場を捉えたはずです。
それらを組み合わせた商売は、まったくの新規商売より成功率は高くなると、単純に考えたのです。
 
実は、この複合ビジネス構想は、創業前から考えていたことです。
しかし、現実は食べることに精一杯で、その時々で食える商売を行ってきました。
とても、複合化を考える余裕はありませんでした。
ただ、ある先輩経営者に言われたことがずっと心に引っかかっていました。
「20年ぐらいやらんと、経営はわからんよ」
 
本当に20年ぐらい経った頃、複合ビジネスのことを考えられるようになってきました。
というと「経営も順調になってきたので・・」と思われるかもしれませんが、実際は反対です。
経営は悪化の一途を辿り、最悪な状態でした。
「こんな時に考えられるとは。ビジネスとは不思議なものだな」と他人事のように思いました。
 
その時までやってきた多様な仕事は、多くはサラリーマン時代の技術や経験がベースでした。
さらに、独立後の20年間で行なってきた新たな仕事がミックスしたことで、複合ビジネスを構想できるようになってきたのです。
でも、その時から7年が過ぎて、ようやく実現への目処が見えてきたのです。
「私が天才だったら、今頃は成功の美酒を・・」と思いますが、凡人は一歩一歩しか前に進めません。
いつしか、この年令になってしまいましたが、成功の日まで天が生かしてくれることを信じて歩き続けます。
構築中の複合ビジネスは、まだ公表できませんが、来年は公表できると思います。
その時まで少しお待ち下さい。