企業経営者は質素であるべき?(6)
2013.07.31
前号で結論を言ってしまいましたが、もう一度、言います。
「企業利益を損なわない範囲であれば、経営者は大いに消費すべき。質素は経済の縮小、ひいては自企業の業績を悪化させるから、すべきではない」
「企業利益を損なわない範囲であれば、経営者は大いに消費すべき。質素は経済の縮小、ひいては自企業の業績を悪化させるから、すべきではない」
利益が出ていない企業の経営者に対しては、
「利益を回復させること以外にカネを使うな。回復させる原動力になるならカネは使え」でした。
最後に補足を。
企業経営者のカネ遣いは、サラリーマンのカネ遣いとは根本的に違います。
完全歩合制でもない限り、サラリーマンは毎月、定額の給与支給が保障されています。
だから計画性をもって支出や貯金を行うことが、生活や将来のために大切なのです。
昇給はあっても大した金額ではないので、大勢に影響はありません。
単純に財布のひもを緩められないと思います。
それで良いのです。
しかし、経営者はそれでは失格です。
経営者の仕事は、カネを大きく、早く回すことです。
だから、「カネを貯める」経営者は無能といえるのです。
断言しますが、巨額の現預金を貯め込みながら、業績が落ち続けている任天堂は、最悪の会社と言ってよいと思います。
一説によると、従業員への支給給与の900年分もの預金があるとか・・
正直、“うらやましい”とは思いますが、それだけ投資に行き詰っているのかと“同情?”も感じます。
事業にとって効果のないカネの浪費は論外ですが、意味があるカネは多いに回す(つまり「使う」)のが良い経営です。
大いに稼いで大いに使う。
そして大いに税金を納める。
純粋な私生活が「質素」なのは、個人の信条なので、良いとも悪いとも言えません。
しかし、経営者としての「質素」は会社を衰退させるだけです。
これが、私の結論です。