中小企業の借金(7)TPPはアベノミクスの第三の矢?
2014.04.30
前号までの解説で、今は借金する企業にとって追い風であることはお分かりかと思います。
まあ、経営者のみなさまには“釈迦に説法”でしょうが、多少なりとも参考になれば幸いです。
まあ、経営者のみなさまには“釈迦に説法”でしょうが、多少なりとも参考になれば幸いです。
アベノミクスの第一、第二の矢の効果は、確実に中小企業にまで及んでいます。
しかし、自社に確実な戦略がない限りは、カネを借りる意味はありません。
中小企業の多くは「カネは幾らでも欲しい」が本音です。
しかし、政府が打ち出す「第三の矢の成長戦略」がボケていて、それが自社の成長戦略に繋がる保証が持てない。
これでは、怖くてカネを借りることが出来ないのです。
これが、多くの中小企業の気持ちです。
だから、日銀が大量に供給したカネの大半はだぶつき、政府の思惑通りには動いていないのです。
今の金融緩和の賞味期限は3年ぐらいでしょう。
安倍政権は、大胆な経済構造の改革に早く動く必要があります。
TPPの妥結は、一部の産業にとって劇薬でしょう。
しかし、そのくらいの劇薬でないと経済構造は変わりません。
昨年、中国共産党機関誌の人民日報は、ニュースサイトの「人民網日本語版」でこう述べました。
「アベノミクスの中核は構造改革であり、財政・金融政策は補助に過ぎない」
まさに、安倍政権の進むべき道をズバリと言い当てています。
感謝したいくらいです。
TPPの妥結のような劇薬的な政策こそが、国家が放つ「第三の矢」なのです。
そうすれば、具体的な戦略を持ち、新分野に進出しよう、新製品を開発しよう、新規事業を起こそうと企画している中小企業は、これに乗るでしょう。
その中から、青龍のごとく天空に駆け上がる事業や企業も出てくると思います。
将来、松下(現パナソニック)やホンダのようになる企業も出るかもしれません。
政府の政策を待つまでもなく、具体的な戦略をお持ちの中小企業は、借金をしてでも、その戦略を進めるべきです。
まだ持てていないが“持ちたい”と思っている企業は、早急に目指すべき成果を定め、そこへの道筋を描いた経営計画書を作成し、金融機関との交渉に入るべきです。
それも「第三の矢」なのです。