中韓両国の日本たたきの背景にあるもの (1)

2014.02.19

どうして中韓両国はこうまでして、日本叩きを続けるのでしょうか。
今までとは少し違う視点で論評したいと思います。

韓国紙・朝鮮日報の中国語版ウェブサイトに興味深い記事がありました。
「リーマン・ショック以降、世界の有識者からは『アジアの時代がやって来る』と言われ続けてきた。しかし、最近は中国と日本の争い事に世界中の関心が集まってしまっている。どうやら、『アジアの時代』は単なる蜃気楼だったのだろう」との内容です。
さらに続けて、
「今年は日本が19世紀末に発動した「中日甲午戦争(中韓では「日清戦争」をこう呼ぶのですね)」から120年、第1次大戦の勃発から100年を迎える節目の年だが、今も昔も、韓中日3カ国のリーダーはアジアを「共倒れ」させる道に導きたいようだ。これが恐らく『アジアの限界』なのかもしれない」とありました。

韓国では、日清戦争を「日本が発動した」と喧伝しているようですが、当時の朝鮮を支配下に置こうとする日本、清国の衝突というのが公平な見方です。
それはともかく、この記事の主旨は「アジアの時代が来るとの期待は蜃気楼だったのか」という「残念な気持ち」です。
「ほう~」と思った次第です。

次に、ある日本の記者が書いた「韓国での体験」の記事(抜粋)を読んでください。

「日本人を主な顧客とするタクシー運転手(54)の言葉も印象的だった。『現在の50代以上は日本が好きか、嫌いかは半々だろう。しかし20代、30代は7対3で日本が好きだというのが実感だ。時代は変わった』」

さらにある韓国紙(それも保守系)の記者は、こう言っています。
「北朝鮮の国家建設には正当性がある。金日成(キムイルソン)主席による建国だということが明白だから。しかし韓国は、米国が李承晩(イスンマン)を米国から連れてきて初代大統領に据えただけの国家。正当性に乏しいと言える。だから、常に「日本に対して抵抗する」ということが国家としての正統性を保つために存在している」
こう指摘しています。

続けて、「一方で、韓国人の日常生活には日本が深く染み込んでいる。この現状を重視し、私は、日韓関係の今後について悲観していない」

今度は、正直な気持ち「へえ~」と思いました。
もちろん、これで日韓が和解に向けて動き出すとは思いませんが、政治的に「過去最悪」の今の日韓関係の中でも「好日派」の存在は確実に増えていると思います。
だが、こうした情報は、日本にはほとんど伝わっていないのではないでしょうか。

日本は、主張すべきは主張し、韓国側の誹謗中傷は「事実無根」と正す広報をもっと強化すべきですが、いたずらに対立を煽(あお)る報道ではなく、相互理解のための報道が大事です。
この問題は次回も続けます。ぜひお読みください。