民主主義に軍事力は不要?(4)

2020.02.06

本シリーズの結論は、民主主義と軍事力は、まったく別の概念というところに行き着く。
民主主義は自国内の政治体制の選択であり、外交的な要素は少ない。
一方、軍事力は他国からの侵略に備える外交上の選択要素である。
ゆえに、この2つの概念は、直接的にはリンクしていない。
ところが、日本では現憲法のおかげで、「平和=民主主義=非軍事国家」という誤った図式が広まってしまった。
そして、この図式を掲げる政治勢力を平和・民主的な進歩派として評価してきた。
そろそろ、日本国民は、民主主義は国内問題であり、その国内の平和を守るため、軍事力が必要悪であることに気が付かなければならない。
今の日本は、憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して・・・」が通じない国々に囲まれている。
こうした現状を冷静に考え、日本の民主主義を守るための外交・軍事力を強化する必要がある。
 
有名な言葉がある。
「最も弱い存在は、悪を知らない善である。最も強い存在は、悪を知り尽くした善である」
しかし、悪を知り尽くして、なお善でいることは、とても難しい。
映画のスターウォーズに出てくる「ダースベイダー」は、かつては善の心の持ち主であったが、母を思う心のスキを突かれ、暗黒の平面に落ち、悪の権化と化してしまった存在として描かれている。
個人も国家も、正義の心の裏側には暗黒面が広がることを心すべきなのである。
歴史は、悪を知らなかった国家の悲劇を教えてくれている。