中小企業の借金(1)
2013.08.29
アベノミクスの第一の矢(金融緩和)で、金融機関はジャブジャブのカネ余りである。
しかし、経営危機の大企業以外は、カネを借りたがらない。
前章で述べた「強力な第三の矢」が放たれない限り、この傾向は続くと思われる。
しかし、経営危機の大企業以外は、カネを借りたがらない。
前章で述べた「強力な第三の矢」が放たれない限り、この傾向は続くと思われる。
業を煮やした金融庁は「中小企業に貸せ」と、金融機関への指導を強めていると聞く。
読者のみなさんの会社にも、金融機関の営業が来ているのではないかと思います。
しかしである。
金融機関は、中小企業への融資に対し、どこか及び腰である。
それは、中小企業の経営に不安があるというより、金融庁の姿勢に対する不安である。
無理もない。
金融庁は、「金融マニュアル」によって金融機関をがんじがらめにし、金融機関の独自性を奪ってきた。
特に中小企業融資に対しては、引当金の積立増しなどで、事実上、プロパー融資を不可能にしてきた。
現在残っている中小企業融資の大半は、信用保証協会の保証付き融資である。
それも、100%保証が多いと思われる。
そのため、借り手の中小企業は、金利だけでなく高額の保証料を払わされている。
これも事実上の利息(それも前払い利息)である。
今の金融機関は、金融マニュアルと信用保証協会の保証という二重の麻薬漬けで、企業の真の姿や経営の姿勢を見抜くという融資ノウハウを失ってしまっている。
社会現象にもなっている、今はやりの「半沢直樹」を見れば分かるであろう。
ドラマなので、たぶんにデフォルメされているが、「そうそう」と思いながら見ている方も多いであろう。
だが、残念なことに、今の金融機関に「半沢直樹」はいない。
もしかしたら、少しはいるかもしれないが、そういう人に当たったら幸運である。
もっとも、こちらにも「半沢直樹」を見抜く目が必要なのだが・・
中小企業への「プロパー融資」が大幅に増えてこそ、真の金融改革といえる。
今の第一の矢は、金融機関のところで止まっている。
これをどう動かすか、次号でその話を。