これからの近未来経済(14):山なり多重回帰曲線型経営(その5)
2022.02.17
1回空きましたが、本連載を続けます。
前回(11/30号)の最後から再開します。
私は、この経営分析で「危機領域」に落ちたならば会社を整理すると決めて経営データをプログラムに掛けました。
実際、「危機領域に落ちた」点数が出ることを確信して、会社整理の準備を始めました。
ところが予想に反し、ギリギリ「危機領域」に落ち込む寸前の点数が出たのです。
思わず天を仰ぎ、「これは、天が『まだ頑張れ』っていうことか」と思ったところまでお話ししました。
しかし、いくら「天の思し召し」と思ったところで状況はまったく変わりません(当然ですね)。
やはり会社を整理するしかないと決意して考えました。
まず、倒産にも「悪い倒産」と「良い倒産」があるはずと考えました。
「最も悪い倒産」とは「経営者の自殺」です。
実際、毎年の自殺者の多くは自営業者および中小企業の経営者だということです。
(昨年は自殺者がかなり減少しましたが、コロナ対策の補助金の効果で経営者の自殺が減ったからと考えます)
経営者が自殺する心理はよく分かります。
この時の自分も、頭の中には自殺の文字が浮かびましたから。
しかし、自殺は残された者に大きな心の傷を残し、関係者にも大きな迷惑を掛けます。
つまり「最低の解決策」なのです。
では「最も良い倒産」とは、どんな倒産なのでしょうか。
私は、この時、以下のように考えました。
一番大切なのはお客様です。
こんな状態の我社でも信じて付き合ってくださっているお客様への迷惑を最小限に抑える具体的な方法を考えました。
次は、給料遅配まで起こしているのに頑張ってくれている従業員の雇用です。
この2点に絞って、数字を基にした具体策を作成しました。
この具体策を誰に提示するかですが、資本力のある相手でなければ意味がありません。
メインバンクは、資本力はあっても弊社の本業への本質的な理解は無理です。
そこで、弊社製品の販売会社の中で最も大きな企業に、この案を持っていきました。
その後の経緯は、以前のメルマガで書きましたので、以下に結論だけを書きます。
私は、現状の経営データを前に説明した後、次の提案をしました。
「弊社のお客様をすべて引き受けて欲しい。そのために御社が必要とする弊社の社員を雇用して欲しい。その代わり、弊社ソフトの版権はすべて無償で提供します」
相手の常務は、そのときに初めてお会いした方でしたが、以下の質問をされました。
「残りの社員の方はどうするのですか?」
私は「彼らの就職先は私が見つけます」と答えました。
次に、常務はこう尋ねられました。
「あなたは、どうされるのですか?」
私は「自分のことは自分でなんとかできます。必ず再起します」と答えました。
この時の私の答えが的確だったかどうかは、今でも分かりません。
結果として、この会社は、何の担保も保証も取らずに、危機を乗り切るために必要な資金を2日後に振り込んでくれました。
ということで、この連載は終わり・・ではありません。
肝心なのはこの後です。
それは次号でお伝えします。
前回(11/30号)の最後から再開します。
私は、この経営分析で「危機領域」に落ちたならば会社を整理すると決めて経営データをプログラムに掛けました。
実際、「危機領域に落ちた」点数が出ることを確信して、会社整理の準備を始めました。
ところが予想に反し、ギリギリ「危機領域」に落ち込む寸前の点数が出たのです。
思わず天を仰ぎ、「これは、天が『まだ頑張れ』っていうことか」と思ったところまでお話ししました。
しかし、いくら「天の思し召し」と思ったところで状況はまったく変わりません(当然ですね)。
やはり会社を整理するしかないと決意して考えました。
まず、倒産にも「悪い倒産」と「良い倒産」があるはずと考えました。
「最も悪い倒産」とは「経営者の自殺」です。
実際、毎年の自殺者の多くは自営業者および中小企業の経営者だということです。
(昨年は自殺者がかなり減少しましたが、コロナ対策の補助金の効果で経営者の自殺が減ったからと考えます)
経営者が自殺する心理はよく分かります。
この時の自分も、頭の中には自殺の文字が浮かびましたから。
しかし、自殺は残された者に大きな心の傷を残し、関係者にも大きな迷惑を掛けます。
つまり「最低の解決策」なのです。
では「最も良い倒産」とは、どんな倒産なのでしょうか。
私は、この時、以下のように考えました。
一番大切なのはお客様です。
こんな状態の我社でも信じて付き合ってくださっているお客様への迷惑を最小限に抑える具体的な方法を考えました。
次は、給料遅配まで起こしているのに頑張ってくれている従業員の雇用です。
この2点に絞って、数字を基にした具体策を作成しました。
この具体策を誰に提示するかですが、資本力のある相手でなければ意味がありません。
メインバンクは、資本力はあっても弊社の本業への本質的な理解は無理です。
そこで、弊社製品の販売会社の中で最も大きな企業に、この案を持っていきました。
その後の経緯は、以前のメルマガで書きましたので、以下に結論だけを書きます。
私は、現状の経営データを前に説明した後、次の提案をしました。
「弊社のお客様をすべて引き受けて欲しい。そのために御社が必要とする弊社の社員を雇用して欲しい。その代わり、弊社ソフトの版権はすべて無償で提供します」
相手の常務は、そのときに初めてお会いした方でしたが、以下の質問をされました。
「残りの社員の方はどうするのですか?」
私は「彼らの就職先は私が見つけます」と答えました。
次に、常務はこう尋ねられました。
「あなたは、どうされるのですか?」
私は「自分のことは自分でなんとかできます。必ず再起します」と答えました。
この時の私の答えが的確だったかどうかは、今でも分かりません。
結果として、この会社は、何の担保も保証も取らずに、危機を乗り切るために必要な資金を2日後に振り込んでくれました。
ということで、この連載は終わり・・ではありません。
肝心なのはこの後です。
それは次号でお伝えします。