中小企業の借金(5)自社の論理と倫理(2)

2014.03.03

前回の内容は覚えていますか。
前々回は、「銀行の論理と倫理」を、銀行側からの視点で解説しました。
そして、前回は「自社の論理と倫理を理解すること」を解説しました。
そして、自社の業績を、常に事実として正確に捉まえておき、ペーパーに書いていく(パソコンでも、鉛筆でもOK)ことが大事という話をしました。
今回は、このペーパーを使って、銀行側に「半沢直樹を作る」話をします。

さて、このペーパーの作り方が問題なわけです。
自分にしか理解できない内容や見せ方では意味無いですね。
こう言うと、多くの経営者は「そんなこと分かっているよ!」と言います(口で言わなくても、心の中でそう思う人は多い)。
でも、やはり「わかっちゃいない」人が多い。
そういう経営者の資料を見せてもらうと、私でも分からないペーパーが多いのです。
質問をしていくと、結構得意気に説明をしてくれるのですが、質問を重ねていくうちに、だんだん怪しくなってくるのです。
矛盾点が出てくるのは常ですが、自分でも「分からない」ことがどんどん出てきます。
しまいには、「あんた、経営コンサルやってんだろう。こんなことも分からないのか」と怒り出す始末です。

「じゃ、どう作ればいいのか」ですか。
正解は簡単。
「銀行の書式そのもので書く」ということです。
拍子抜けしましたか。
でも当然でしょう。銀行向けの資料なんですから。

ということは・・、まずは、この「銀行の書式」を手に入れて、次に、この内容を細部に渡って徹底的に理解することです。
「え~、そんなの難しくて無理だよ」ですか。
そんなことを言っているからダメなんですよ。
あなたの会社の銀行の担当者に、聞けばよいのです。
「この意味を教えて」、「ここはどう書くの」、「ここは・・」
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というではないですか。

たいていの担当者は思ったより親切です。
このくらいのことなら、あなたに対して一生懸命になってくれますよ。

内容を理解したら、自社の経営データを分析して、ペーパーの各項目を埋めていくのです。
この時にも、銀行の担当者からアドバイスをもらうことです。
経験と知識のある担当者であればあるほど熱心に力になってくれます。
こうして、あなたの「半沢直樹」が出来上がるのです。
ポイントは、謙虚になって、見栄や虚栄を捨てることです。