台湾有事(その2)
2025.12.17
中国国営メディアは、400年前の明王朝時代の勅書の話まで持ち出し、琉球が中国の属国だったと主張しました。
呆れる話ですが、これは「我々の領土である台湾に日本が口を出すなら、我々は日本の領土である沖縄に口を出すぞ」という恫喝です。
しかし、単なる脅しだと軽く見ることは危険です。
習近平主席は、台湾はもちろん、尖閣や沖縄も自国領だと本気で考えている節があります。
主席は、若い頃、何度も沖縄を訪問していて、「沖縄は日本の領土ではない」は、その頃から抱いている信念のようです。
かつ「日本は中国の格下の国」との中華思想に凝り固まっています。
この中華思想は、主席個人だけでなく、多くの中国人の根底に潜む思想と考えるべきです。
もちろん、留学などで国際感覚を身に着けた中国人は、「人は平等」を理解しています。
しかし、そのような中国人は少数で、国民の多くは「中国が世界の中心」という中華思想に染まっているという認識を持ったほうがよいでしょう。
国民意識をこうした狭い「選民思想」に染め上げている習近平政権が続く限り、この独善的考えが煮詰まっていき、台湾に対する軍事攻撃に踏み切る可能性が高まると考えたほうが良いでしょう。
つまり、日本は「台湾と尖閣・沖縄(南西諸島も・・)はセット」と考える必要があるのです。
前回「政治体制がまったく違う以上、海峡を挟んで2つの国があると認識するのが当然」と書いたのも、中国による台湾併合は認めるべきではないとの趣旨からです。
『中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の戦争は、まだ決着が付いていない状態です。
朝鮮半島のような「休戦」でもありません。
あえて言えば、「交戦がいったん止まっている」状態に過ぎないわけです。
1949年10月、中国共産党軍は大陸と台湾島との間にある金門島に攻撃を掛けましたが敗北に終わっています。
金門島は、台湾島から大きく離れて、大陸のすぐそばにある島ですが、人民解放軍は完敗しました。
76年前の戦闘結果で現代を語ることはできませんが、この結果は人民解放軍のトラウマとなっています。
その後、中華人民共和国(中国)は外交戦略に転じ、外交的には台湾(中華民国)を国連から追い出すことに成功したので、中国が「勝った」と喧伝しています。
しかし、民主主義国家である中華民国(台湾)の存在は世界が認めるところです。
ゆえに、習近平主席としては、自分の代で決着を付け(つまり台湾併合を達成し)、「毛沢東も出来なかった偉業を成し遂げた英雄」となりたいわけです。
この考え、「ウクライナはロシアの一部」として侵略を始めたプーチン大統領と似たような考えです。
私は、両国の言い分のどちらも認めることは出来ないので、「台湾海峡を挟んで2つの国がある」と書いたわけです。
現実に台湾の後ろに日本と米国がいる限り、中国による軍事侵攻の成功率はほぼゼロです。
焦った中国は「国連憲章には『敵国条項』があり、日本やドイツに対して「常任理事国は安保理決議がなくとも単独で軍事攻撃できる」と主張しました。
しかし、本条項は1995年に無効化されていますので、中国外交部の焦りが見える一幕といえます。
次回、改めて台湾の歴史を掘り下げて解説したいと思います。

