日本経済は新次元の入り口にある(その5)
2017.12.19
今号から、「真面目な新次元のビジネス」の話をしたいと予告しましたが、まずは統計データから話しましょう。
バブル真っ盛りの1980年代、日本のGDPは世界の20%を占めていました。
今は5%ぐらいですが、日本のGDP値が1/4になったわけではありません。
30年間の横ばいの間に世界経済発展に取り残された結果なのです。
購買力平価(物価を考慮した基準)でGDPを換算すると、日本はすでにインドに追い抜かれているとのことです。
実質的にインドに抜かれ4位に落ちるのも時間の問題というわけです。
この傾向は止められず、トップ10から姿を消す日もそう遠くない事態になるかもしれません。
そうなったら、日本の国際発言力はゼロとなり、世界からそっぽを向かれるのではないでしょうか。
しかし、海外の経済通に言わせると、日本の潜在能力は今も世界トップクラスだと言うのです。
では、その潜在能力はどこに眠っているのでしょうか。
もちろん、それは若い世代に眠っているに決まっています。
それなのに、未だに団塊の世代とそのすぐ下の世代の「先の短い」世代が“でかい”顔をしていることが日本の“ガン”なのです。
退職して時間があるのか、デモ行進の中心が見事に団塊の世代であることがそれを象徴しています。
経済だけでなく政治の世界も同様の老害に溢れていますね。
団塊の世代は「社会正義」というものを至上命題と捉えている人が多い世代です。
「利益よりも公益が大事」と大真面目で主張しています。
さすがに経営者になると、そんなことでは潰れてしまいますから、心の中では「利益が一番」になっています。
しかし、圧倒的に少数ですから、大勢を変えることは出来ません。
つまり、新次元の経済に入るためには、出来る限り早く若い人たちに主導権を渡す必要があるのです。
だって、潜在能力を持っているのは、若い人たちなのですから。
その上で、若い方たちに言いたいことがあります。
まず、自分たちが持っている潜在能力が何かを分析することから始めて欲しいのです。
その上で、その能力が市場に通用するのか否かを客観的な物差しで見極めることです。
それで「行ける!」となったら、躊躇なく経営の道に入って欲しい。
「ダメだな」となったら、また考えれば良い。
あるいは、修行する場(企業)を探して移ればよい。
若いことの最大の武器は「時間を持っていること」である。
大丈夫。未来はあなたたちの味方だから。