これからの中小企業の経営(2)

2024.02.16


本メルマガの2022年12月~2023年2月の3回で「中小企業は儲かっていない」を掲載しました。
その3回目で、以下のことを述べました。
『昨年7月、経済同友会の櫻田代表幹事はメディアのインタビューで、こう発言していました。
「日本の賃金水準を引き上げるためには、中小企業が、合併や大企業の傘下に入るなどして中小企業を脱していくことが必要」と指摘し、さらに「賃上げできない利益率の低い企業の廃業を促すべき」と述べました。
その発言からは、「大企業はエライ、中小企業はダメだ」という大手意識が垣間見えます。』
本シリーズは、この続きです。
 
現在、日本経済は「足取りがおぼつかない」ながらも、少しずつ上向いています。
しかし、中小企業の数は年々減っています。
倒産や廃業が主な要因ですが、合併や買収も間違いなく増えています。
このまま推移すると、経済同友会・櫻田代表幹事の主張するような大企業主体の企業構成になっていく可能性があります。
そうなると、韓国のような「階層型の企業社会」となり、中小企業は生き残れても下層へと沈みます。
「ならば、売れるうちに売ってしまおうか」と考える中小企業経営者が増えてくるのも道理です。
最近のM&AのCMでは、経営者の子供が「後継ぎなんて、やだもん」などと言う場面が出てきます。
このCMを見ている経営者の方は、どう感じておられるのでしょうか。
 
しかし、経済の土台を支えている中小企業が衰退する国は滅びの道を歩きます。
少数の財閥企業が“我が物顔”の韓国経済の苦境を見れば一目瞭然です。
そして、どんな民間企業よりも強い存在は国家政府です。
その国家政府が経済の最上位に君臨しているのが中国ですが、未来はどんどん暗くなっています。
なのに、この両国の状況を横目で見ながら大企業中心主義に傾きつつあるのが今の日本です。
 
「では、大企業に厳しい規制を掛ければよいのか?」というと、それも間違いです。
今のまま大企業を弱らせたら、その先は「共倒れ」です。
ゆえに、中小企業の経営者は、ここで奮起する必要があります。
魅力ある商品の開発、活動の深化または活動範囲の広域化、社員の力量の向上、組織階層の圧縮、まだまだ考えれば幾らでもあるはずです。
そうした経営改革の道具としてこそ、ITシステムは意味を持ちます。
それとも、ChatGPTに経営を任せますか(それも、ひとつの選択肢ではありますが・・)
 
本メルマガで“くどい”ほど述べてきた世界の大転換カーブの頂点の2025年はもう目の前です。
2024年から2025年は、次第に頂点の向こう側の景色が見えてくる期間です。
中小企業は「鋭い感性と先を見る目を持つ経営者」と「深い戦略思考と多様な経験を持つ右腕」の組み合わせをすぐにでも創ることです。
 
ひとつだけヒントを述べましょう。
2026年から先は「管理職が不要な時代」となります。
ジェネラリストは経営陣だけとなり、他はスペシャリストの構成となる時代となるのです。
そして、その両者をつなぐのが、インテリジェンスを持つITシステムというわけです。
この仕組みの具現化で「グループガバナンス」を確立することです。
でも、「働き方改革」が単なる「社員への迎合や甘やかし」になってしまう企業には、無理かな・・
 
実は、「これ、我が社も同じだな・・」とつぶやきながら本文を書いています。