「コンビニエンス(利便性)=地域密着の建設業」(3)小さな工事を拾っていく

2013.12.30

ここまで、コンビニエンス(利便性)の先生「コンビニエンス・ストア」の経営を学んできました。
では、建設業へはどのように応用していけばよいのでしょうか。

コンビニでの買い物を考えてください。
たいてい、数百円か千円少々程度でしょう。
1万円なんて金額は、まず無いでしょう。
そうです。コンビニエンス(利便性)な買い物は「少額」であることが第一のキーポイントです。
少額だから、スーパーより単価が高いことを承知の上で、購買者はコンビニで買うのです。
その時の購買者の深層心理は、
「この程度の金額なら、いいや。スーパーまで行くのは面倒だし」となっているのです。
そう、「面倒を省く=カネには代えられない利便性」の秤(はかり)が重要なのです。

では、建設業において、この少額の金額とはいくらぐらいなのでしょうか。
これが第一のポイントの核です。

「少額な工事は面倒なだけで儲からない」
これが多くの建設会社の“常識”です。
たしかに、この常識はかなりの部分当たっています。
これまでの「常識」で考えれば・・です。

では、考えの原点を逆転させてみたらどうでしょうか。
「少額な工事を儲かるようにする」ということを出発点として、そこから考えるのです。
そうして儲かる仕組みを構築していく中で、第一のポイントの金額が見えてきます。

コンビニエンス(利便性)の第ニのポイントは、距離にあります。
利便性において、「距離」は欠かせない要素です。
かって、コンビニ業界は商圏を半径500mに設定していました。
それが、競争激化により300mに縮小しています。

しかし、さすがに半径300mの商圏では、1日50万円の売上が欲しいコンビニの商品マーケットには不足です。
だからといって、他店舗の領域に攻め込んでも、地の利で負けてしまいます。
そこで、販売商品の品数を増やすという基本戦略を実行しながら、公共料金の支払代行を始めとする様々な代理業務を取り込んできました。
そう、コンビニエンス(利便性)機能の拡充です。
こう考えると、300mの商圏に無数の「儲かるマーケット」があることが分かるのです。
たとえば・・

セブンイレブンが始めて大成功した100円コーヒーのカフェ機能は、狭い店舗のコンビニには“絶対”出来ないと思われていた商売です。
でも、「狭い=だから、不可能」ではなく、「狭い=では、出来ることを考えよう」という発想が、大ヒットに繋がったのです。
慌てて、競合各社もカフェ機能に取り組みましたが、セブン-イレブンには一日の長があるようで、売上でも評判でも追いついていないようです。

では、最後に問題を出しておきます。
建設業に置き換えてみて、このコンビニエンス(利便性)の2つのポイント、つまり、距離と金額の関係を数字で表現してください。
正月休みの間に考えておいてください。