これまでの経済、これからの経済(12):アフターコロナをどう生きる
2020.08.17
新型コロナウィルスとの戦いは長期戦になりそうですが、企業としては、この長期戦を戦い抜く策と同時にアフターコロナの策も練っておく必要があります。
それには、まず、以下のことを考えてください。
今回のコロナウィルス禍は、自社だけに吹く向かい風ではなく、どの企業にもまんべんなく吹き付ける強風です。
ならば、自社の向きを変え、この風を追い風にする策を考えたいものです。
このようなことを言うと、「言うだけなら簡単だよ」と言われるでしょう。
しかし、発想の基本は“簡単であるべき”なのです。
なのに、「発想は難しい」と思い込んでいる人が多いのです。
では、今回の事態で考えてみましょう。
読者のみなさまがご存知のとおり、政府は様々な補助金や特別融資を次々と打ち出しています。
その数があまりにも多く、五月雨式に出てくるので、全体を把握することが難しいくらいです。
一見、支離滅裂に見える政策の羅列なのですが、何度もなんども読み返してください。
また、それを、日を改めて何回も繰り返してみてください。
今回の政策の意図や整合性、条件などが、次第に分かるようになってきます。
分かってくると、「結構、よく考えられた策だな」と思えるようになってきます。
そこまで読み込まないと理解できないことが問題ではありますが・・
ここで、ちょっと脱線を。
政策を立案する官僚の方々の多くは東大卒でしょう。
今回は、東大卒の長所、短所が浮き彫りになっています。
それは何か・・
政策を最初に読んだ時のわかりにくさは、彼らの短所のゆえです。
読み手も自分たちと同じように解釈できるはず(あるいは、“すべき”)という思い込みで作ってしまうのです。
そして、何回も繰り返し読んで理解してくると、彼らの長所が見えてきます。
ちゃんと整合が取れているのです。
「よく作ったもんだ」と、結構、感心しました。
しかし、読み手の圧倒的多数は、そこまで読み込めずに諦めてしまうので、彼ら官僚の努力は中途半端に終わってしまうのです。
東京大学は、今後、こうした弱点を克服できるような教育カリキュラムを検討して欲しいものです。
話を戻します。
今回の特別融資は、驚くほど借り手天国になっています。
経営者としては、資金に余裕があっても100%活用して良いと考えます。
弊社もそのようにするつもりです。
さらに、こちらから要求する前に金融機関がこの特別融資の提案を持ってきたなら、その内容を精査してください。
その内容こそが、金融機関から自社への客観的評価なのです。
また、それだけ、金融機関にとっても美味しい融資の仕組みになっているのです。
ところで、メインバンク以外からも提案が持ち込まれる可能性もあります。
その場合、各行の提案内容を見比べ、じっくりと比較検討してください。
場合によっては、メインバンクの切替えさえ考えたほうが良いかもしれません。
現在の事態が戦争状態だとしたら、なにより必要なのは兵糧です。
企業にとっての兵糧は資金に決まっています。
戦いがいつまで続くかわからない今、溜め込めるだけの兵糧を蔵に積上げたいものです。
しかし、問題は、この兵糧の使いみちです。
それを次回述べたいと思います。