今後の建設需要(26):日本建設業連合会の要望

2022.04.18

日本建設業連合会が、資材価格の高騰を受け、公共工事に適用されるスライド条項などを民間工事にも適用させるよう国交省に要望する方針という報道がなされています。
つまり、資材価格の高騰などの原価上昇分を契約金額へ上乗せできるよう、民間の顧客に国から圧力を掛けてくれという要望です。
日本が共産主義の国ならば可能かもしれませんが、自由経済を標榜する国家としては、どうなのでしょうか。
もし、国が民間のデベロッパーや不動産業界などに強制したとしたら、各社は分譲価格や家賃を上げてくるでしょう。
結局、最終のつけは一般個人に回ってくる構図となります。
顧客の立場からしたら、到底許容できない図式でしょう。
そして、そうした批判を恐れる政府が受け入れるはずもない要望ということです。
 
建設業連合会は、小学生でも分かる、こんな理屈が分からないのでしょうか。
いえ、そんなことは無いはずです。
連合会の要望は、原価が悪化する業界をなんとかしたいとの思いからでしょう。
ですが、それ以上の思考が回らないとしたら、連合会の存在意義そのものが問われます。
もちろん、個々の建設会社は、こんな安易なことが通るとは思っていないでしょう。
また、期待もしていないと思うのですが、どうでしょうか。
 
私は、建設会社と顧客側の両方の立場で仕事をしてきて、今もその延長線上にあります。
それゆえ、どちらの立場も痛いほど分かりますし、永遠の呪縛のような課題であることも理解しています。
それゆえ、この呪縛を解くための仕組みを永遠のテーマとして、考え続けてきました。
考えるだけでなく、利害関係者間の利害を調整する仕組みを作り、実際の案件で適用も行ってきました。
気がつけば、最初の取り組みから26年もの月日が流れています。
こうした様々な経験を経て、ようやく、自分なりに「これで調整できる」といえるような仕組みを考え、数年前から実践の準備段階に入っているところです。
そう遠くないうちに、新B-net(仮称)として動かす予定です。
 
本シリーズは今回を最終回としますが、新B-netの実践や建設関連のトピックス、建設会社への提言などを建設用のホームページ上に掲載していこうと考えています。
サイトは次回ご案内いたします。
誰でも自由に閲覧できます。
今後とも、よろしくお願いします。