企業における社長の力(1)

2018.08.01

サラリーマンとして20年間、さまざまなタイプの社長に仕え、社長として27年半、幾多の事態を乗り越え、そして、コンサルタントとしてシビアな場面で多くの社長と接してきました。
そうした経験を基に、社長業、とりわけ中小企業の社長業を数回に渡って論じていこうと思います。
 
創業して間もない頃、ある大企業の社長に言われてことがあります。
「大企業の社長の多くは経営者とは言えんよ。サラリーマンの延長線上におるだけだ。本当の経営者というのは、きみら中小企業の社長だよ」とです。
 
その頃は、サラリーマンから独立してまだ日も浅く、「大企業の社長は・・」という部分はなんとなく理解できましたが、中小企業の社長というものが実感として理解不足でした。
 
何年か経つうち、若くして創業し、一代で大企業に発展させた社長にお会いして話を聞く機会も出てきました。
そのとき感じたのは、「みな、同じことを言うな・・」でした。
もちろん、話の中身は違うのですが、ポイントとなるところは同じなのです。
規模はともあれ、新たに創業した会社が生き延びるのは社長しだいだな、と思いました。
 
当たり前のことですが、この「当たり前」が“くせもの”であることを、その後、いやと言うほど味わいましたから、この時点では「まったく分かっていなかった」ということになります。
 
その後、建設業の若手経営者を集めた「経営者の会」に入り、自分と同年代の経営者の方々と知り合いになりました。
建設業という業種が二世、三世の経営者が多いことは、自分も建設業出身ですから分かっていましたが、このような会に入ってみて、別の視点でそれを実感しました。
50社弱の会員数だったと思いますが、創業者は私を含めて3名ぐらいでした。
 
一番異質に感じたのは、多くの方がJC(日本青年会議所)のOBだったことです。
サラリーマンには縁のない組織でしたから当然なのですが、私には、地球ではない別の星の世界の話のようにしか思えませんでした。
今でも、その世界を経験していない私にとっては、別世界の話ですね。
ただ、多くの経営者の方と商売抜きで付き合えたことは財産です。
今でもお付き合いをさせていただいている社長さんもいますので、ありがたいことだと思っています。
 
さて、前段の話はこれくらいにして、次回から本質の話をさせていただこうと思います。
仕事の合間の息抜きに、どうかお付き合いください。