骨太の方針2026の中身(1)
2026.09.01
高市政権は「骨太の方針2026」で、それまでのPB(プライマリーバランス)重視の「増税+歳出削減」政策から、
「投資を重視して経済を発展させることでGDP(国内総生産)を拡大し、その結果として国債発行等の政府債務残高のGDP比率を下げていく」という「規律ある積極財政」政策への転換を表明しました。
企業経営に例えると、「経費削減で借入金を返済していく」経営から「借入金は借り換えし、投資拡大で売り上げを伸ばし、借入金残高の対売上高比率を下げていく」経営に転換するとなります。
企業は、増税に相当する“美味しい”収入を作れないので、投資で売上拡大を目指します。
国も安易に増税に頼るのではなく、投資拡大で経済のパイを大きくしていくべきです。
もちろん、国家運営と企業経営を同列には論じられませんが、同じ要素は多々あります。
その要素のひとつが、借入金です。
2026年度予算における債務償還費は全体の26%に上り、財政硬直化の要因とされています。
様々なネット情報に掲載されていますが、日本の財政は「国債の60年償還ルール」という意味の薄い(意味がないとは言いませんが・・)ルールに縛られています。
国もですが、多くの企業も「借入金は返すものだ」という固定観念に縛られています。
かくいう私も、長い間、その概念に縛られていましたから大きなことは言えません。
かくして日本では、無借金経営が“良い経営”と思われてきました。
(もちろん、悪いわけではありませんが・・)
こうした「国や企業の借金は返済するのが当然だ」という半ば絶対的な思考が、「借金は借り換えていけば良い」に変わるのに、かなりの時間を要してしまったわけです。
長かったこの時間が、「実にもったいなかったな」と、ため息が出ます。
もちろん、単なる赤字補填とか遊興費、また目的が曖昧な借金を回避するのは当然です。
ですが、投資目的の借金は、企業なら積極的に取り組むべきです。
ただし、利息等の経費が自社で制定した基準を超えないようにコントロールすることは必要です。
話を国政に戻します。
「規律ある積極財政」とは、投資拡大で経済の発展を促し、GDP(国内総生産)を大きくすることです。
その結果、国債発行残高を減らさなくとも、政府債務残高のGDP比率は下がっていきます。
これは小学校の算数の問題なので、理解できない方はいないでしょう。
故に「骨太の方針2026」に対する「最初の点数付け」は、及第点となります。
問題は、その後です。
当然「GDPが増えなかったら、どうすんだ!」の批判が出るでしょう。
だが、その結果が1年程度で出るわけはありません。
民間企業でも、投資した結果は、すぐには現れないため、経営者は二の足を踏むのです。
これまで財務省は、頑なに単年度(つまり1年)でのPB(プライマリーバランス)を声高に主張してきました。
短気な経営者と同じですね。
成長戦略会議で、この考えが否定されたので、財務省は「3年程度なら・・」と妥協し始めていますが、笑ってしまいます。
投資効果は、10~15年で考えていくべきものです。
弊社が7~10年としているように、企業の場合は、それぞれの経営戦略の中で考えていくべきです。
昨年に発足した高市政権は、まだ1年も経っていません。
まして、新しい骨太の方針は、2か月も経っていません。
最初の評価は、来年度(2027年度)の予算編成の結果に対して行うべきです。
すでに、新方針に呼応して各省庁の動きが活発化しています。
年末には、各省庁の概算要求の内容が国民の目に明らかになってくるはずです。
これを調整して、2027年3月に新年度の予算としてまとめた結果が、高市政権の2番目の点数付けです。
この2番目の点数付けは、当然、1番目より厳しくなります。
ゆえに、この調整をにらみ、首相は内閣改造を行うだろうと見ています。
その新たな陣容を見れば、首相としての予算決定方針が見えてくると思います。
そして、2027年4月から始まる実行結果が、その後の点数付けとなります。
この実行結果について、高市首相は、これまでのような単年度での予算執行を考えるのではなく、複数年度にまたがる執行で考えると発言しています。
次号に続けます。


