事業は安全が大事か、挑戦が大事か(1)
2026.09.01
企業経営者の心理には「損失回避バイアス」が付きまといます。
変化に適応するか、変化を避けるかの選択を迫られたときの心理です。
そして、圧倒的多数の経営者は、後者(変化を避ける)を選択します。
それはそうです。
経営者としては、安全領域にいる時間は心が休まる時間で、そこから出たくないのは当然です。
私も経営者ですから、その心理は理解できるし、できれば常に「そこにいたい」と思っています。
だけど現代は、そうしたリスク回避が、経営の大きな落とし穴となる時代に入りました。
今後は、「安全安心なオアシスは消えていく」ものであり、安全=停滞、そして死ぬことだと理解しなければなりません。
サラリーマン時代、私は上司や先輩から、こう言われました。
「いいか、計画をしっかりと立て、計画通りに実践していくことが大事だぞ」
たしかに、それを悪いとは言いません。
しかし、そうした計画経済の権化である共産主義国家の大半は破綻しました。
そこに決別し、実質的な自由経済へ舵を切ったのは、中国のかつての主席、トウ小平でした。
彼の残した有名な言葉があります。
「ネコは、白でも黒でも、ネズミを捕るのが良いネコだ」
つまり「共産主義とか自由主義なんかはどうでも良く、経済が伸びていくことが大事なんだ」ということです。
それで、西側諸国へ門戸を開いたことで中国経済は急成長しました。
しかし、共産主義の復古に囚われた現在の習近平主席は、「ネコは黒であるべきだ」として、次々に白ネコを殺しました。
その結果が、現在、我々が目にしている中国経済の惨状です。
中国の官僚たちは、現状を計画に合わせることに汲々として、意味のない投資拡大を続けました。
その結果、住宅不動産だけ見ても30億人分の住居があると言われる惨状です。
(正直、真偽は分かりませんが・・)
習近平主席が顕在の間、中国経済の惨状は止まらず、地獄の釜の中にまっしぐらという状況は変わらないでしょう。
日本経済への影響もあるので、どこかで踏みとどまって欲しい気持ちはありますが、今の中国とお付き合いすることは勘弁して欲しいが本音です。
我々の仕事の話に戻ります。
計画を立てることは必要ですが、その後の現実に合わせて計画を修正し、ときには全面的に切り替えることが必要です。
計画・実行のPDCAサイクルは大事ですが、うまく回らない企業が多いように思います。
最後のA(action=チェック後の行動)まで行かずに霧散してしまうP(plan=計画)のなんと多いことか。
弊社も同じでしたから、大きなことは言えません。
そこで、現代は「観察→方向付け→決心→実行」のOODAサイクルと組み合わせる時代になってきています。
OODAサイクルのことは今後の回で解説しますが、安全と挑戦を天秤に掛けると、「挑戦のほうが大事」という時代に入って来たと認識することが大切です。
そして、それを加速させるのがAIということになりつつある時代ですが、AIは両刃の剣です。
企業の自滅を招くことにつながるリスクも大きいのです。
次回に続けます。


