骨太の方針2026の中身(2)
2026.09.30
2027年度当初予算に向けての国交省の概算要求が出ましたが、前年度比44.4パーセントの大幅増です。
最終的に、このまま認められるとは思いませんが、井林辰憲国交相は「国土強靱化は事項要求となっている。さらなる上積みを目指す」と強気の発言をしています。
昨今の災害増加を考えると、国土強靭化計画そのものは国民の支持を得られていると思います。
ですが、概算要求どおりの増額が通るとは思えません。その中身に注目です。
一方、長い間、横ばいだった日本の名目GDPは上昇し、数年前の500兆円台から2025年度には600兆円を超えるレベルになりました。
このままの成長が続けば2030年には700兆円を超えると思われます。
一方、「国の債務返済+利払い」費は2025年度で31.3兆円と、予算総額の26%を占めています。
これが「財政健全化」派の主張の基になっています。
ですが、米国のように債務は借り換えを前提として利払い費だけにすると11%となります。
米国の場合、予算に占める利払い費の割合は14%ですが、これは利息の収入を差し引いたネット(つまり、「利払い-利息収入」の差し引き金額)の割合です。
日本の11%は利払いだけの数字ですから、ネット金額だと6%になり、米国よりはるかに低い値になります。
ならば、「日本は借金大国で潰れかかっている」という主張はどうなのでしょうか。
石破前首相は「日本経済は破綻した時のギリシャより悪い」と言っていますが、一時的とはいえ残念な方を総理大臣に戴いていたものだと思い、情けない限りです。
この一点だけでも、現在の高市首相のほうがマシとなるわけです。
ですが、この比較は対象相手が“あまりにもお粗末”なので、現首相の合格点とはなりません。
2026年の骨太の方針に対する高市政権への評価は、来年度の予算編成の結果が出てからです。
高市首相は、これまでのような「当初予算は抑えて補正予算でつじつまを合わせる」という手法は止めると明言しました。
この方針に、各省庁は“ここぞ”とばかり大幅に増やした概算要求を出してきています。
中身は、まっとうなものもあれば、便乗としか思えないものありと、まるで子供の「おもちゃ箱」のような有様です。
まずは、各担当閣僚の力量が試されます。
自分の管轄下で生ずる便乗案件をどう排除するか、それが出来るかが問われるわけです。
そして、その結果に対しトップたる首相がどう最終判断を下すか。
このトップ判断に対し、官僚組織のみならず国民各層からの不満や反発が出るのは当然です。
これをどのように差配しても不満や批判が減ることはないでしょう。
ドラマではないので“大岡裁き”など出来るはずもないのです。さて・・
焦点の一つは国債発行額ですが、予算規模によっては新規発行せざるを得ないことになります。
そうなると当然批判が出るでしょうが、単純に批判する者はそもそも経済を分かっていません。
国家も企業も、そして個人事業も「経済は借金で伸びていく」ものです。
ただし、その借金が「将来の資産形成や収益となっていく」という条件が付きます。
国家の場合は、建設国債がその典型で、10年、20年、いや30年以上先の経済発展に寄与するかどうかが判断の分かれ目です。
ゆえに、国民には赤字国債と投資国債とを分けて判断することが求められます。
東日本震災の復興財源として、これまで国民は毎年2.1%の税負担をしてきました。
それが、2026年から復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%へ引き下げる一方、2027年1月から防衛特別所得税(つまり防衛費)の1%が徴収されることになります。
そうなると、復興財源の総額がその分減ることになるので、2037年までとなっていた復興財源の徴収を、2047年まで10年間延長することが決まっています。
防衛特別所得税のほうは、昨今の中国・ロシアによる圧迫が2047年までに収まるのであれば消えるかもしれませんが、それでも横ばいが続き、増額される可能性も大きいと思います。
こうした国民負担に対しては、絶対賛成と絶対反対で不毛な議論をするのではなく、国際情勢を含めた大きな枠組みの中で、国民に納得がいく議論をして欲しいものです。
そして、こうした対応をマスコミにも求めたいところですが、それは無理そうなので、ネットで交わされる情報を見て判断していくしかなさそうです。
本メルマガでは冷静な論評をと思っています。


